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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
東芝グランドコンサート2017

・ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番 ハ長調 作品72b
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37
・R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 作品30

 

ピアノ独奏:アリス=紗良・オット
クシシュトフ・ウルバンスキ指揮、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

 

2017年3月14日(火)、アクロス福岡シンフォニーホール

 

平日でしたが妻と海外オケのコンサートに行ってきました。NDRエルプフィルとは聞き慣れない名前ですが、旧称ハンブルク北ドイツ放送響で近年改称したものらしい。ヴァントとの縁が深かったオケですね。指揮者のウルバンスキは、ウィキペディアによればポーランド出身で1982年生まれの34歳。アントニ・ヴィトに学んでいたということは、先頃亡くなったスクロヴァチェフスキの孫弟子ということか。ピアニストのアリス=紗良・オットはドイツ出身、日本人とのハーフで1988年生まれの28歳。二人とも若い。

 

というようなことは、後で確認してわかったことで、会場ではプログラムが有料だったため、ろくに予備知識もないまま聴くことになりました。仕事を抜けて移動していたこともあり、曲目もメイン以外は覚えてない状態でした。で、レオノーレ序曲が始まった瞬間、まごうことなきドイツの、ベートーヴェンの響きに一気に引き込まれました。弦のユニゾンに芯があり、ピアニッシモでのノンヴィブラートが実に美しい。打楽器や管楽器の和声は決して出しゃばらず、しかし十分に音楽の厚みとして伝わってきます。メロディーをそんなにがんばって弾くことはありませんが、存在感をしっかり際立たせているのは、アンサンブルの精度が高いからでしょう。この曲にこんな魅力があったとは、と思わせてくれる素晴らしい演奏でした。ウルバンスキの指揮姿は長い棒と左手の優雅な動きが特徴で、主部やコーダの白熱でも激しいそぶりを見せません。クレツキやスクロヴァチェフスキなど、個人的にポーランドの指揮者に相性がいいということもあるのかもしれませんが、気に入りましたf^^;。

 

弦はステージに向かって左からVn.1、Vc、Va、Vn.2という「対抗配置」。Cbは1stヴァイオリンの後ろでした。演奏中に何度か声が聞え、コンバスの端の奏者が客席を睨んでいるのでおかしいなと思っていたところ、序曲の終了後に1階GS席の男性がひとり係員に退席させられていました。招待券でももらってほろ酔い気分で気炎を上げていたものかと推測。

 

ピアノ協奏曲では、背中がほとんど空いた黒いドレスのオットが登場。2階席だったので表情まではわかりませんが、まるでモデルのような体型です。奥方の指摘では、靴を履いていなかったとか。ただし、演奏はいささか物足りなかった。ピアノがこもったような響きでよく鳴っていない。これはホールのせい? それともステージ配置の関係? 第1楽章が平板で、生彩あるオケの添え物のように感じました。アタッカで入った第2楽章ではやや持ち直し、思い入れを表出できていました。この楽章は、ベトベンが書いた曲の中でももっとも美しいものの一つですからね。しかしフィナーレはまた第1楽章とあまり変わらない印象。オケの聴かせどころは満載で、途中のフガートのところとか、堪能できたんですが……。アンコールで「エリーゼのために」を弾いてくれました。

 

『ツァラ』全曲を実演で聴くのはたぶん初めて。自宅のオーディオでも30年ぶり?というぐらい聴いてませんでした。冒頭の1分間だけはみっちも演奏した経験がありますf^^;。オルガンはステージ後方右寄りに奏者がいて、さらに後方左右のスピーカーから音が出ています。パイプオルガンではないので、風のような重低音にはなりませんが、音量的にはしっかり聞えました。有名な冒頭は、むしろ渋め。全曲ということもあるでしょうけど、ウルバンスキはもともと派手なことをやる人じゃないみたいです。ティンパニの連打も強弱はしっかり付けますが、豪快にぶったたくことはないし、金管も突出しません。ここからは、弦トップの室内楽から次第にプルトを増して全合奏に広がっていくのが視覚効果もあって見事。生で見ないとわからないこともあるなあと実感。途中にはコンバスの中だけのアンサンブルもあり、リヒャルトですから技巧的にも難しいはずですが、求心力を失うことなく、最後まで一気に聴かせました。面白くて眠くなるどころではなかった(爆)。

 

アンコールはワーグナー『ローエングリン』第3幕への前奏曲。華々しい曲ですが、ウルバンスキの指揮はここでも落ち着いたもので、例の金管のフレーズは煽ることなく整然としており、輝かしい弦との絡み方が有機的。中間のチェロも聴かせました。『ツァラ』でもチェロのトップがかっこよかった。ラストに「禁問の動機」が付いたアレンジもこの人らしい。みっちのとなりの男性がブラボー連呼していましたが、アンコールでやってるところ、わかってらっしゃる! これはすごいものを聴いた。ウルバンスキ、今後に注目です。

posted by みっち | 20:45 | 近況 | comments(2) | trackbacks(0) |
ミヒャエル・ハイドン「聖レオポルドのためのミサ曲」

日曜日、妻が所属する女声コーラスの演奏会があり、ミヒャエル・ハイドンの「聖レオポルドのためのミサ曲」にチェロで参加しました。北九響からはヴァイオリン、チェロ、ホルンが各2人、これにオルガンを加えたアンサンブル。楽譜の編成指定ではホルンは任意となっており、録音ではホルン抜きのものもありますが、あった方が楽しいと思います。

 

全体はト長調で、クレドのみト短調。穏やかで短いキリエ、楽しげで活気のあるグローリア、劇的なクレドはいちばん長く、全曲の中心になっています。サンクトゥスはゆっくりした部分とプレストの2部構成、ベネディクトゥスは装飾的な動きが目立つ前半と、サンクトゥスの後半が戻る2部構成になっています。最後のアニュス・デイが充実しているのも特徴で、中盤ではテンポを速めてチェロの8分音符による上昇から下降で大きな山形を描きます。後半、パーチェム(平和)を強調しているのは、当時作曲者がいたザルツブルクをめぐる状況の反映ともいわれます。声楽は合唱だけでなく、ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの独唱や二重唱がところどころで入って単調になりません。

 

ヴァイオリンは絶えず細かい音型で動き、3本の弦を同じ指でブリッジするような箇所が連続したりで、とても弾きにくいらしい。「モーツァルトなら指使いがある程度予想がつくのに、弟ハイドンではそういかない。おそらく鍵盤楽器の人でヴァイオリンの経験がないのでは?」と指摘していました。チェロはそこまで難しくありませんが、休みがないのは同じで、ときおり動きががらっと変わる(歌詞内容とリンクしているらしい)、そういうところで流れを確実にものにできるように練習してきました。あと、指揮者の中山先生が振るたびにテンポが違うので、油断できないf^^;。「自発性が勝負」といわれていて、おそらくは指揮と演奏が互いに触発し合うようなセッションを理想としておられるのでしょう。どこまで応えられたか……。

 

せっかくのアンサンブルなのでもう1曲ということで、「アルビノーニのアダージョ」をオルガンと一緒に7人で演奏しました。特殊な編成なのでなにをやろうかと困っていたんですが、吹奏楽用の編曲を流用して使いました。一時はヘンデルの「水上の音楽」という話もあって、一度やってみたところ、忙しいわ難しいわでビビりまくり(爆)。ボツでよかった。

 

合唱といえばピアノ伴奏が一般的で、こんなアンサンブルでやること自体めったにないでしょう。とくにホルンの響きは新鮮だったのでは? ホルンの後ろで歌っていた人は、その音圧に驚かされたようです。オケでもトロンボーンの前はいろいろあるらしいから(爆)。お客さんからもコーラスのメンバーからも大変喜んでもらえたように思います。ぜひまた呼んでください。さあて、これまでサボっていたファリャ「三角帽子」とベトベン「エロイカ」の練習に本腰を入れなければ。

posted by みっち | 19:47 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
第26回西南学院OBオーケストラ定期演奏会

・ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
・プーランク:バレエ組曲「牝鹿」
・サンサーンス:交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」

 

中田延亮指揮、西南学院OBオーケストラ

平成29年2月19日(日)、アクロス福岡・福岡シンフォニーホール

 

このところ、西南オケの演奏会にしょっちゅう行っている気がするんですが、定期演奏会は年1回で、昨年はこれとは別に創立100周年記念でマーラーの「復活」があったから。

 

全曲フランス物のプログラム、ベルリオーズの序曲で華やかに始まりました。弦は、ヴァイオリンのプルトが多く、1stの前列が6。2ndはよく見えませんでしたがそれ以上あったように思います。だからといってモヤモヤすることはなく、厚みのある響きで楽しめました。しかしこの曲、いまでも構造がよくわかってないf^^;。

 

プーランクを生で聴くのは初めてで、楽しみにしていました。きれいなアンサンブルで、とくにトランペットがキレがあってよかったです。ラグ・マズルカとアンダンティーノが少し遅めのテンポで、眠くなりました。ホールの残響が長いのでこのテンポだったかもしれませんが、アンダンティーノはまだしも、ラグ・マズルカはもうちょっとキビキビ進めた方がよかったかも。

 

ホール備え付けのオルガンがないところで「オルガン付き」をどう演奏するのか、答えは、ステージ後方左右に置かれたスピーカーでした。オルガン奏者は金管隊たちと並んで演奏するので、離れたところで弾くよりやりやすかったでしょう。パイプオルガンとは響きが違いますが、音量バランスはよかったと思います。第1楽章前半は弦の刻みが難しそうで、出だし危うい感じがしましたが持ち直しました。管楽器とよくシンクロさせていて聴き応えがありました。第2楽章からは、ティンパニの連打と決めがかっこよかった。チェロは目立つところが少ないですが、もうちょっと主張してくれたらと思いました。配置がステージに向かって右側で、客席に対して横向きになってしまうというマイナスを差し引いても、なんかもうひとつ燃えるものがほしい印象。

 

アンコールは、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」とベルリオーズ「ラコッツィ行進曲」。ラヴェルはホルン独奏がよれよれで残念。ベルリオーズだけでよかったのではf^^;。

posted by みっち | 19:47 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
2017北九州伯林的管弦楽団演奏会

・デムシチン:交響詩「平和」

・モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 K.201

・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47

 

タラス・デムシチン指揮、北九州伯林的管弦楽団

 

2017年1月8日(日)、黒崎ひびしんホール

 

今年の北九州伯林的は「タコ5」。昨年北九響で同じ曲をやったばかりですが、今度は客席で聴くのもいいかな、というわけで出かけました。指揮者のデムシチンはウクライナ出身。九州交響楽団の主席クラリネット奏者ということです。

 

1曲目の作曲者は指揮者の父親、ロスティスラフ・デムシチンの作品で、本邦初公開? 存命の方らしいですが、ほぼ三部形式の聞きやすい音楽でした。主部の弦楽の響きがなかなか美しい。中間では戦争を象徴しているのか? 同じフレーズを繰り返しながらクレッシェンドしていき、圧迫感を高めて最後はゴジラみたいな感じに(爆)。

 

2曲目のモーツァルトは、どういう意図で選曲されたものやら。デムシチンのあとで聴くと、明るく整った響きがむしろ異化されて、異様な感じさえしました。演奏は編成が大きいこともあって重心の低い、ロシア風を感じさせるものでした。

 

メインのショスタコーヴィチは、いろいろやってくれました。第1楽章のカタストロフや、フィナーレの最初、コーダなどではきわめて遅く、スケルツォ主部は逆に突進するように速く、このテンポの対比が非常に大きかった。響きの点では、ハープが効果的に聞こえて色彩を添えており、北九響のときはあまり聞こえなかった木琴のキンキンした音もよく通ってきました。北九響の演奏とはぜんぜん違うけど、これはこれですごい。チェロは、音は聞こえるんだけど、第3楽章ではもうちょっと量感と気迫がほしかったかな。トップの人のアクションが小さかったことも影響したかも。クラリネットのトリルの方がむしろ勝っていたのが惜しい。ラストのあの極端に遅いテンポは、管楽器の人苦しかっただろうなあf^^;。ティンパニのキメがかっこよかったです。あっぱれ! みっちの周りの席からもウーンと唸る声や「すごいね」といった会話が聞こえてきました。

 

アンコールがまた面白かった。ブラームスのハンガリー舞曲第5番をやってくれたんですが、非常に濃い。デムシチンの指揮は精力的で、長い手足を振り回し、随所で飛び跳ねながら指揮するんですが、中間部ではシークエンスごとに客席を振り返って笑いを取るので、こんなに楽しいハンガリー舞曲はこれまでなかった。みっちも思わず「ブラボー」って叫んでしまいました。これで終わりかと思うとそうでなく、最後にこのオケお約束、ワーグナーのマイスタージンガー前奏曲で締め。よくまあ体力が残っているものです。

 

プログラム解説も相変わらず読ませるし、これで無料だから驚き。って毎年いってるけど(爆)。8月26日には、鹿児島市宝山ホールで鹿児島伯林的管弦楽団がマーラーの2番を演奏するそうです。どうしよう……。

posted by みっち | 10:57 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
レクイエム in 北九州 2016

・バッハ:「目覚めよと呼ぶ声あり」 BWV645
・バッハ:前奏曲とフーガ ハ長調 BWV547
・モーツァルト:ジーク ト長調「ライプツィヒ・ジーク」 K.574
・モーツァルト:自動オルガンのためのアンダンテ ヘ長調 K.616
・ポンキエッリ:歌劇『ジョコンダ』より「時の踊り」
・バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より「シャコンヌ」
・モーツァルト:レクイエム K.626

 

山口綾規(パイプオルガン)、中村太地(ヴァイオリン独奏)
長野力哉(指揮)、中山敦(合唱指揮)
白川深雪(ソプラノ)、八木寿子(アルト)、中村弘人(テノール)、加耒徹(バス)
北九州REQUIEM混声合唱団、北九州REQUIEM管弦楽団

 

2016年12月4日(日)、アルモニーサンク北九州ソレイユホール

 

昨年から始まったモツレク演奏会、妻がアルトで合唱に参加するので聴きに行きました。今回は2,000人収容という大きなソレイユホールですが、両側にやや空席があったくらいで、そこそこ入っていました。主催者も一安心だったでしょう。

 

プログラム前半は、ホールに備え付けのパイプオルガンによる演奏と、北九州出身の若手ヴァイオリニスト、中村太地によるバッハの「シャコンヌ」。オルガンはバッハ2曲、モーツァルト2曲、最後にポンキエルリ「時の踊り」と、選曲の良さが光りました。モーツァルトのオルガン曲がチャーミングで、もっと弾かれる機会があっていいと思いました。「シャコンヌ」は、音の端から端まで神経の行き届いた、彼らしく聴かせる演奏でした。この曲はどうしたって演奏家の渾身ともいうべきものになりますよね。にもかかわらず、演奏中みっちの後ろの方からスマホのゲーム音楽らしいものが流れてきたのはどういうこと? 着信音もどこかで鳴っていたし、この人たちいったいなにをしに来ているんでしょうか? 太地くんは、この後レクイエムでも第2ヴァイオリンに加わっていました。

 

後半はレクイエム。2年目となり、長野先生の解釈もより徹底されてきている印象を受けました。「ディエス・イレ」よりもその後の「レックス・トレメンデ」に力点が置かれていたり、最後に冒頭部分が戻ってくる手前でぐっとテンポを落として効果を高めていました。独唱・合唱ともよかったです。とくに女声独唱の二人はみっちが知る限り最高の人選で、実に素晴らしい。反面、ホールが大きくなったこともあり、オケの音量がいまひとつだった気がします。バランス的に合唱にマスクされがちでした。歌メインなのだからそれでいいという判断もあるでしょうが、合唱と同じに動いている部分はそれでもいいとしても、独自の部分はもう少し編成を増やしてでも引き立ててほしいかな、と。アンコールは独唱者も合唱に加わっての定番「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。こちらは歌とオケとのバランスがよかった。

 

来年もあるらしいのですが、やっぱりモツレクなんですかねえ。違う作曲家のレクイエムもたまにはいいんじゃないかなあ……。

posted by みっち | 23:41 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
2016北九州国際音楽祭:パリ管弦楽団演奏会

・メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
・マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

 

ジョシュア・ベル(ヴァイオリン独奏)
ダニエル・ハーディング指揮、パリ管弦楽団

 

2016年11月23日(水)、アルモニーサンク北九州ソレイユホール

 

パリ管は何年か前にもエッシェンバッハの指揮で北九州に来てくれたことがあったと思いますが、今回は9月に音楽監督に就任したばかりのハーディングがマーラーを振るということで、楽しみにしていました。1975年生まれのハーディングは今年41歳。指揮者としてはまだまだ「若手」ですが、デビューが早く、経歴としてはもう20年以上。昔FMで彼の指揮で感心したことがあったのですが、あれは『大地の歌』だったかな?

 

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、ジョシュア・ベルの独奏。ベルを生で見るのはたぶん初めて。早くから楽壇に登場して若きスターとなった点ではハーディングに負けず劣らずですが、ヴァイオリニストの「神童」はわりといて、その後どうしていたのかよく知りません。ベルは来年50歳、最近はアカデミー室内管の芸術監督になったらしい。ハーディングに比べてベルがずいぶん背が高い、というよりハーディングが小柄かつ小顔。プログラムにはデビュー当時の写真がいまだに使われていたけど、二人ともイメージがほとんど変わってません。長身を折り曲げるようなベルの演奏スタイルは、見た目にはあまりパッとしませんが、音はとてもきれい。まあ、ストラド「ギブソン」とトルテの弓という「鉄板」ですしね。いくらかかったことやらf^^;。なめらかな美音に、バックのオケもふわっとした寄り添うような響きを出していやさすが。終わったとたんにブラボーの嵐でしたが、みっちにとってこの曲はモーツァルト同様に心地よい眠りを誘うため、うとうとせずに聴き通すことが困難なんですよ(爆)。こだわりがあるらしいシューマンとかやってくれたらよかったのに。

 

マーラーの5番は、艶やかなトランペットで開始しました。やっぱりオケの音色がラテンというか、暖かい。ドスのきいた重低音といった直接的な威力より、風のような、ふくらみのある鳴り方です。ハーディングの指揮ぶりは至極まっとうかつ真摯なもので、「見せる指揮」では全然ありませんが、出てくる響きは緻密でぎっしり詰まり、細かいところまで神経が行き届いています。テンポ設定的には、第1楽章と第2楽章が中庸、スケルツォがやや遅めでたっぷり。アダージェットはやや早め、フィナーレは中庸。あ、忘れていましたが、弦はステージに向かって左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという「対抗配置」で、コンバスは第1ヴァイオリンの後ろでした。

 

全曲を通じてチェロが抜群にうまい。こんなの聴かされたら、トラウマになってしまいそうf^^;。チェロトップの人がトルトゥリエみたいな風貌で、みっちは途中からハーディングよりこちらに魅入られていました。スケルツォではホルン独奏が楽章を通じて起立していましたが、これマーラーの指示? ホルン確かに目立ちますけど協奏曲風なパートでもないので、一人だけ「立たされた感」があり、黒髭がチャーミングだっただけによけいにお気の毒f^^;。ハーディングはこの楽章をメインに据えていた感があり、楽章終了後に拍手が一部に起こってましたが、気持ちは分かる。アダージェットもきれいでした。ここではハープ奏者がいかにもフランス風な美女だったのがまた印象的f^^;。いや素晴らしい(爆)。アタッカで続くフィナーレは、最初の管楽器のやりとりが実にニュアンス豊かで即興的。ここはパロディの要素が強いところで、さすがはパリ管、こういうところは逃しませんね。アダージェットの回想部分などもとてもチャーミングで、最後のコラールはまさに大団円となりました。客席から花束を受け取るハーディングの表情がまたよくて、思わず泣けたくらい。みっちの左の席のお客さんも演奏後しばらく動けなかったようで、帰り際に「素晴らしい演奏だった」と語り合っていました。

posted by みっち | 23:03 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
第7回湧き上がる音楽祭 in 北九州 室内楽演奏会

・ドビュッシー:チェロソナタニ短調
・カサド:無伴奏チェロ組曲
・ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
・フランク:チェロソナタイ長調

 

河野明敏(チェロ)、古賀美代子(ピアノ)

2016年8月21日(日)、戸畑市民会館中ホール

 

3週連続の「湧き上がる音楽祭」を聴きに行きました。この日は黒崎ひびしんホールのリハーサル室で北九響の指揮トレがあり、ショスタコの5番でヘロヘロになったところでしたが、その足でウェル戸畑に向かいました。音楽祭自体もこの演奏会がシメとなるようで、これまでは共通のパンフレットだけでしたが、今回は主演者の河野さんによるプログラムノートが配られました。

 

河野明敏氏は、2年前にやはり「湧き上がる音楽祭」でシューマンのコンチェルトを聴いていました。前のときにも思いましたが、塩っぱい感じのチェロの音色がやや独特で、好みです。

 

意欲的というか、ヘヴィーなプログラムですよね。ドビュッシーのソナタは、以前聴いてるつもりでしたが、曲が始まると記憶になかったf^^;。初っぱなから難しそうな曲で、みっちならハナから挑戦しないぞ(爆)。しかし、曲をしっかりつかんでいて危なげないだけでなく、ときには詩情も漂わせてお見事でした。

 

カサドの無伴奏は体力的にきつそうな曲で、途中フラジオレットだけのパセージとか凝った技巧も取り込まれていましたが、集中力を切らさずに弾いていました。ピアソラもかっこよかった。この人の曲は、レパートリーとしてすっかり定着しましたね。

 

メインのフランクは、オリジナルのヴァイオリンよりも落ち着いた風情になります。出だしのメロディーの弾き方からして魅力的で、どうやって弾くのか教わりたいくらい。みっちも挑戦してみたくなりましたf^^;。とくに第3楽章を大きな山場としてとらえていることがよくわかりました。この曲はピアノの比重が大きいのですが、古賀さんのピアノも鮮やかでよかったです。

 

アンコールでは、ラフマニノフのヴォカリーズを「さらっと」(本人談)弾いてくれました。河野さんは今年大学を卒業したとのことで、技術的にはもういうことないのじゃなかろうかと思いました。これから海外留学されるのかな? 日本人の若手チェリストも決して少なくはないと思いますが、ぜひ今後の活躍に期待したい。

posted by みっち | 19:48 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
第7回湧き上がる音楽祭 in 北九州 オーケストラ演奏会

・ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調
・エルガー:威風堂々第1番ニ長調 作品39
・ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88

 

長野力哉指揮、日本ブルックナー交響楽団(ブルックナー)
楠本隆一指揮、北九州市ジュニアOBオーケストラ

 

2016年8月14日(日)、戸畑市民会館大ホール

 

二つのオケによるヘヴィーなプログラムで、2時間半かかりました。

 

ブル5の方は、以前ドイツからの帰国報告公演で一度聴いています。編成は弦がちょっと少なめで7-7-6-6-2だったかな? ウェル戸畑の大ホールはステージの横幅が小さいので、これくらいが収まりがいいのですが、低弦はもうちょっといた方がいい気がします。演奏は以前と大きな違いはありませんでした。ただ、弦が少なめな分、がんばりすぎて特に後半ちょっと粗くなった面があったかも。反面、管楽器の豪快さが目立っていて、これはこれで好きです。フィナーレのラスト近くは、弦のプルトが少ないせいで、ふつうは聞こえない木管楽器の和音が浮き上がってくる、スクロヴァチェフスキ・スタイルになっていたのがユニークでした。

演奏とは関係ありませんが、小さい子供もいたようで、80分間よく耐えましたねえ。でも、各楽章が始まるごとに遅れて入ってきた客の足音がけっこううるさかった。前半に長い曲をやると、こういうことになるわけか。クラシック演奏会のプログラム構成にはそれなりの理由がある、と納得f^^;。

 

後半は、ジュニアオケのOBで立ち上げたオケによる1回目の演奏会だそうです。コンミスは北九響と同じく上山文子さん。2曲とも、きびきびとした運びの若々しい演奏でした。やっぱり小さいときから弾いている人はうまいなあ。ドヴォルザークは全楽章速めのテンポで、リズムの乗りとキレの良さで聴かせました。この曲はこうやって聴くと痛快ですね。とくにティンパニとフルートの活躍が目立っていた気がします。アンコールは『ラデツキー行進曲』。最後まで元気だf^^;。

 

北九州市には、北九響が常設で、ほかには伯林的やKAITOフィルといったメンバー不定(?)のオーケストラがあるのですが、福岡市に比べると数が全然少ない。ジュニアOBオケは、これから常設として活動するのかな。きょうは北橋市長も後半から聴きに来ていて、たぶん、ブラボー叫んでいたのが市長。それも、指揮者が一度袖に引っ込んで、再登場したときに声をかけるという、さすがなやり方でした。響ホールの「直後ブラボー」くんは、ぜひ市長に声援の仕方を学んでもらいたい。

posted by みっち | 21:22 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
第7回湧き上がる音楽祭 in 北九州 コンチェルト演奏会

・ウェーバー:歌劇『オベロン』序曲
・メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 作品90「イタリア」
・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47

 

ヴァイオリン独奏:中村太地
楠本隆一指揮、湧き上がる音楽祭祝祭管弦楽団

 

2016年8月7日(日)、北九州市立響ホール

 

春の北九響定期演奏会でブラームスの協奏曲でご一緒した中村太地がシベリウスを弾く、というので聴きに出かけました。

 

祝祭管弦楽団は、弦楽が6-6-4-4-2と、プルト少なめ。休憩後のシベリウスではヴァイオリンが1人程度増強されていましたが、このホールではこのくらいがサイズ的にちょうどいいような感じがします。

 

最初のオベロン序曲から、プルトの少ない弦の精度が高く、気持ちのよい演奏。わがコンミスの上山さんがいちばん後ろでシメていますしf^^;。メンデルスゾーンも弦が少ない分管がよく聞こえて沸き立つようなリズムの乗りが素晴らしかった。ただ、演奏後の拍手が非常に早く、間髪入れずに起こるのがちょっと気になりました。この不安はあとで的中することに。

 

メインのシベコンは、ヴァイオリン・ソロとオケの連携という点で、これだけかみあった演奏は始めて聴いたと思います。太地さんのソロは、北九響とのブラームスでもたっぷりと歌わせていましたが、シベリウスではより緩急自在な印象がありました。これをオケがよく感じとって絡み、濃密な時間となりました。とくに第2楽章の息の長いテーマをじわじわと盛り上げていくところは感動的でした。フィナーレでは低弦のリズムがくっきりして、かっけー! シベリウスではホルンがよく活躍しますが、ここでも存在感を見せつけてくれました。トランペットは逆に抑え気味だったかな。ラストを急速に締めくくったのはよかったんですが、直後に「ブラボー」を叫んで立ち上がり、拍手し始めたオッサンがいたのにはドン引き(ーー;)。地元出身の若手演奏家を応援したい気持ちはもちろんわかりますし、もしかすると縁者の方だったのかもしれませんが、音楽は余韻までが音楽なんだよ! これぐらいわかりませんかね。ブラボーしたければどうぞ、立ち上がりたければどうぞ、だけどあとからゆっくり存分にやって。なんで直後だけであとはなし? その方が変だろ。

 

アンコールは2曲。最初は太地さんの弾き振りで、ヴィヴァルディの「夏」。気合いの入った演奏だったけど、コンバスの女性のアクションがソロより目立っていました(爆)。2曲目はグリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲。これも素晴らしかった。第2主題はチェロ4人なんだけど、すごくきれいでした。

 

「湧き上がる音楽祭」はこの後2週連続で聴きに行く予定。

posted by みっち | 21:27 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
福岡OBフィル第38回定期演奏会

・チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』
・フォーレ:組曲『ペレアスとメリザンド』
・ツェムリンスキー:『人魚姫』

 

松村秀明指揮、福岡OBフィルハーモニー・オーケストラ
2016年7月31日(日)、アクロス福岡シンフォニーホール

 

日曜日、家族で博多に出かけました。奥方とみっちはコンサート、その間エントっ子は自由行動で要するにポケモンGO。博多にはポケストップ(?)があちこちにあるらしく、大喜びで旅立ちました(爆)。

 

博多にはアマオケがたくさんありますが、福岡OBフィルを聴くのは今回が初めて。学生オケのOBを中心に結成されたということでこの名称らしい。最初に指揮者がマイクを持って話し始めたので、珍しい曲もあることだしウンチクが聞けるのかと思ったら、それぞれ物語のある曲だけど、どの部分がどの場面なのかなどはみなさんで想像してください、みたいな内容で、はあ? すみません、モヤっとしました(爆)。

 

でも演奏はよかったですよ。ロメジュリは、弦楽器がよく鳴っており、端的なテンポでかっこよかった。つづくフォーレがさらに素晴らしかった。地味な曲ですが、実演で聴ける機会もそうないだろうと目当てにしていたのですが、弦楽器を中心にして、そこに管楽器のフレーズが微妙な彩りを乗せて、1曲目からとてもニュアンス豊かな音楽になっていました。2曲目の「糸を紡ぐ女」と3曲目「シシリエンヌ」を続けて、全体を緩・急・緩のように構成したのもいいアイデアだと思います。終曲「メリザンドの死」は葬送風な音楽で、録音ではテンポが遅すぎて曲が死んでしまっているものが多いのですが、ここでもよいテンポと自然な呼吸が指揮者のセンスをうかがわせてくれました。いやあ、感動した!

 

メインは、これは珍しいツェムリンスキーの『人魚姫』。アンデルセンの童話を下敷きにした3楽章構成の音楽ということで、興味津々でした。冒頭、低音の沈んだ響きに、波と光のゆらめきのような音型が加わって、海の底的な雰囲気がよく出ています。ヴァイオリン独奏に人魚姫を現わすという音型が出て、第1楽章はなかなかだと思ったのですが、あとの2つの楽章はよく理解できませんでした。標題的ではあるけど、R・シュトラウスのようには描写的になりきれておらず理屈っぽい感じ。音楽が盛り上がるときにさまざまな楽器が合わさって飽和状態のようになるのは、世紀末的とでもいえそうな響きで、マーラーやシェーンベルクに通じるものを感じました。

 

アンコールは、ビゼーの『アルルの女』からアダージェット。美しい弦楽合奏に浸れました。来年はベルクのヴァイオリン協奏曲を予定しているとのことで、プログラムの選曲に意欲的なチャレンジがされているみたいです。

posted by みっち | 21:12 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |