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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
北九州聖楽研究会『マタイ受難曲』演奏会

・バッハ:マタイ受難曲 BWV244(全曲)


指揮:小泉ひろし

福音史家:谷口洋介
イエス:田中俊太郎
ソプラノ:鈴木美登里、浜田侑里
カウンターテナー:上杉清仁
テノール:江川靖志
バス・ピラト:清水健太郎
児童合唱:ひびき少年少女合唱団
合唱:北九州聖楽研究会
合奏:アンサンブル・パルナス東京

 

2019年10月20日(日)、北九州ソレイユホール

 

「聖研」創立50周年記念ということで、大曲の演奏会。「マタイ」の実演に接するのは、たぶんこれが初めてです。ヨハネ受難曲は実演で聴いたような気がしますが、記憶があやふや。


二組の合唱とオケが舞台の左右に分かれ、中央にオルガンという配置でした。児童合唱は客席から向かって左前面、独唱陣は、エヴァンゲリストが指揮者の右、イエスが左。残りの独唱者はステージ右奥に控え、出番のときに舞台中央やや右側、合唱前に置かれた壇に登るという形でした。第2部では、ヴィオラ・ダ・ガンバが独奏楽器として独唱壇の前のひときわ高い位置に登場し、児童合唱が引き上げたあとに独唱者が来たりという変化がありました。実演や映像でないと、こういうことはわかりません。
 

特殊な2部配置ですが、基本的に一方が演奏中はもう一方はお休みで、右と左で掛け合ってステレオ効果を発揮するようなところはほとんどありませんでした。それでも、左のオケと合唱が演奏中に右から「どこへ?」という合いの手が入ったりするところがあり、個人的にはもっとやってくれると面白いな、とf^^;。オルガンだけは休みがない仕様で、お疲れさまでした。全体には、柔らかい弾力を感じさせる演奏でした。約3時間という長丁場ですが、充実していて短く感じました。
 

オリジナル楽器のオケは、2部に分かれた関係で各パートは一人か二人。フラウト・トラヴェルソは曲によって立ったり座ったりしていましたが、視覚的な効果を狙ったもの? オーボエはオーボエ・ダモーレとオーボエ・ダ・カッチャ計3本の持ち替え。ダ・カッチャはブーメラン状に湾曲した角笛のような珍しい楽器で、主に不吉な場面でペコペコした独特な音色を効果的に聞かせました。ヴィオラ・ダ・ガンバは、サイズやf字孔など見た目はほぼチェロなんですが、弦の数が多く、弓は逆手で持って弾いていました。このため、チェロのほぼ逆のボウイングとなり、見ていると混乱しそう。付点リズムの刻み方がとても特徴的。音は柔らかくて優雅でした。有名な「憐れみ給え、わが神よ」のヴァイオリン・ソロも美しかった。
 

声楽では、まず独唱陣がみな素晴らしかった。とくにエヴァンゲリスト。重要な場面ではかなりドラマティックに振る舞いつつも、あくまで格調高くオペラっぽくならないところはさすが。イエスがまた若手の超イケメンだったのも印象的。どちらかというとバス独唱(こちらも立派でしたが)よりも暗めの声で、後半など歌っていないときにうつむいているんですが、舞台照明で照らされている顔の彫りが深く、眼窩に影ができる様子がいかにも悩み深いイエスでした。この人、ミュージカルとかやったら人気出そう、とか思っていたら、本当に出てた(爆)。カウンターテナーは、個人的に気持ち悪いと思ってしまうことが多いのですが、ここでは文句の付けようがありませんでした。あの声で「ゴルゴタ!」とやられると、不吉すぎて怖い。清純なソプラノのアリアで救われました。
 

合唱も入魂の歌唱だったと思います。コラールの味わい深さは素晴らしかった。年齢層はかなり高そうでしたが、全然問題なし。ソロを取った人の中で唯一偽証者(男)が弱くて聞こえなかったのが惜しい。児童合唱はほぼ女子でしたが、できれば男子を増やしてより突き抜けた感じが好み。とはいえ、この辺はいろいろ考えや編成事情があるでしょう。
 

全曲を通して聴いてあらためて感じたのは、イエスの弟子たちのポンコツぶりです(爆)。あと2日で別れだと告げられ、最後の晩餐を共にしながら、ゲッセマネでそろって居眠りし、一度は起こされながらまた眠りこけるというていたらく。その前の晩ゲームで徹夜でもしてたんじゃないかといいたくなる。これはもう、イエスでなくても苦悩するよね。そんな残念なというか、人間的なエピソードはほかにもあって、受難曲だけに賛美一辺倒でなく、むしろ人の弱さ、汚さ、醜さをしっかり描いているところはすごい。

posted by みっち | 20:46 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
北九響第122回定期演奏会

・オネゲル:交響的運動第1番「パシフィック231」
・コダーイ:ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲
・ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88


田中一嘉指揮、北九州交響楽団
2019年10月6日(日)、リバーウォーク・北九州芸術劇場大ホール

 

北九響の定演が終了しました。みっちが入団して最初の演奏会が102回で、そのときの指揮者が同じ田中先生でした。あれからちょうど10年経ったわけですが、ここまで続けてこられたのは田中先生のおかげだと、つくづく思います。
 

当日は、市内で同刻にダン・タイ・ソンのピアノリサイタルがあったため、家族がそっちに行ったという団員もいてf^^;、いつもよりは少なめでしたが、それでも800を超える集客でした。本番とかぶってなければ、みっちもダン・タイ・ソン聴きたかった。
 

オネゲルは、あんまり受けませんでした。演奏自体は、これまでの練習を通じて本番がいちばん凄みがありました。立ち上がりはやや不安定でしたが、中盤からは重量級の音響で驀進しました。しかし、ふと観客席の方に目をやると、キョトンというか、反応してない感じ。怒涛の終結後、しばし気まずい沈黙がありました。おそらく、初めてこの曲を聴いた人が多かったためでしょう。アンケートにも「好きじゃない」というコメントがちらほらありました。まあ不協和音だらけですし、今回は弦楽器が70小節過ぎまでスル・ポンティチェロで弾くという指示がありまして、つまり駒そばできしるような音を出し続けていました。スルポンはパワーがいるため、体力も相当消耗しました。おかげで、打ち上げのときにすでに筋肉痛状態。まさに交響的運動(爆)。
 

コダーイは、比較的好評でした。「孔雀」の主題は日本的な5音音階で、これがずっとちりばめられていて聴きやすかったと思います。田中先生は、冒頭のモデラートをアダージョくらいのテンポとし、雄大さと叙情性を打ち出しておられました。中盤、ハープと木管のカデンツァ風な掛け合いはとても美しい。管楽器、素敵でしたねー。練習するうちに、比較的ポピュラーな『ハーリ・ヤーノシュ』よりもいい曲だと思うようになりました。とはいえ、テンポや表情の変化が激しい曲で、弦楽器はアルコとピッツィカートの素早い切り替えが必要だったりで大変でした。
 

休憩後のドボ8。冒頭のチェロは、練習でもつかまりまくった箇所ですが、本番でみっちは音程外したかも(爆)。ゴメンナサイ、ゴメンナサイ! いやなんか、思いのほかすっと始まったので、事前のタメが十分でなかった気がします。ここでも管楽器が素晴らしかったです。とくにフルートにはしびれました。フィナーレのトランペットも颯爽として、うわあっ、と。どの曲も集中できて、あっという間に終わりました。アンコールはやはりドヴォルザークのスラヴ舞曲第8番。アンコールはだいたいドッカーンとなるので評判いいんですよね。博多在住の友人が聴きに来てくれて、彼がいうには、前プロからドヴォルザークを聴くと、わかりやすくて嬉しくなれたそうです。それが狙いのプログラム?
 

次回演奏会のご案内です。ぜひまたお越しください。
 

○北九州交響楽団第123回定期演奏会
2020年4月19日、北九州芸術劇場大ホール
指揮:水戸博之
・エルガー:チェロ協奏曲
・ブラームス:大学祝典序曲、交響曲第2番

posted by みっち | 22:34 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
中村太地ヴァイオリン・リサイタル

・バッハ:ヴァイオリンとハープシコードのためのソナタ第4番ハ短調 BWV1017
・ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第9番イ長調 作品47「クロイツェル」
・ブラームス:ヴァイオリンソナタ第1番ト長調 作品78「雨の歌」


ヴァイオリン:中村太地、ピアノ:江口玲
2019年9月23日(月)、北九州市立響ホール

 

土日が北九響の指揮トレで、中村太地くん本人が練習会場にやってきて宣伝したのがこのリサイタルでした。ピアニストの江口さんと合わせていたら、たまたま北九響の練習と同じになったらしい。急遽チケットを押さえてもらって、響ホールに向かいました。
 

「3大Bプロジェクト」と銘打ってあり、バッハ、ベートーヴェン、ブラームスのソナタが1曲ずつというプログラム構成。地元響ホールのあとは、東京のサントリーホール(9/29)と大阪のザ・シンフォニーホール(10/5)でも同一プログラムでリサイタルが予定されています。この7月にはブラームスのヴァイオリンソナタ全集のCDをリリースしており、いよいよ本格的な活動が始まったようです。太地くん、がんばって!
 

演奏前、ステマネがステージの床になにかセットしていったので、注目していたのですが、今回、ヴァイオリンもピアノも紙の楽譜を使わず、タブレットに譜面を表示させて演奏していました。床に置いたのは、譜めくり用のコントローラーで、足で踏んで操作していました。演奏会もいよいよペーパーレス化が進んできていますf^^;。でも、ピアノ譜はあれで読めるのだろうか? 譜めくりもしてなかったぽいし、まだなにか工夫がありそう。
 

バッハは始まってすぐ、おお、これって、『マタイ受難曲』のアリア Erbarme dich とほぼ同じじゃん、と気が付きました。こっちが元型らしい。しっとりした演奏。古楽器風ではなくて、ヴィブラートをかけるところはしっかりと利かせていました。こういうバッハもいいですよね。
 

クロイツェルソナタは、重音を軽々と、しかしたっぷり鳴らしていたのが印象的。これだけですごい説得力。演奏は落ち着いた風情で、ピアノと丁々発止の掛け合いという感じではありませんでしたが、アンサンブルという点ではとてもよかった。
 

ブラームスは、出だしから引き込まれました。フレージングは独特で、たっぷりしていながら細かいところまで神経が行き届いています。その後の推移では、最初は弓を小さく、繰り返しでは大きく歌わせて、どんどん空気を吸って胸が膨らむような表出が素晴らしい。第1楽章は一筆書きのような流れで一気に弾ききりました。第2楽章では、緊張感を保ったままピアノとともに深い陰影を漂わせます。第3楽章は渋く始まり、後半に向けて次第に感興が高まっていく設計で、ラストで第1楽章をかすかに回想するところでは、ちょっと泣きそうに。北九響とのコンチェルトでも感じたことだけど、ブラームスに関しては研究済みというか、もう自己のスタイルを確立している感じがします。
 

アンコールはクライスラーの「愛の悲しみ」、「美しきロスマリン」、「愛の喜び」3曲を連続演奏。これがまたよかった。これらの小品は余技みたいなものかもしれませんが、とても素晴らしく、もはや老練さすら感じました。きっと東京・大阪でも評判になるのでは? 前途洋々の出発に、心からエールを送りたい。

posted by みっち | 22:08 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
九州交響楽団 第375回定期演奏会

・マーラー:交響曲第3番 ニ短調


アルト独唱:清水華澄
合唱:九響合唱団、久留米児童合唱団ほか
小泉和裕指揮、九州交響楽団

 

2019年7月27日(土)、アクロス福岡シンフォニーホール
 

博多在住の友人と二人で聴きました。マーラーの3番は、5年前の鹿児島伯林的交響楽団の演奏会以来。2度目はないかも、と思っていただけに、九響に感謝です。来年はぜひ6番をお願いしたい。


2階席で、ステージ全体が見渡せて楽器配置などがよくわかりました。ホルン隊はステージに向かって左側、2nd Vn.の後ろに斜めに並びました。9人いました。その手前がハープ。後列に打楽器が配置されており、左端が鐘で、そこからグロッケンやシンバル、小太鼓、ドラなどが並び、中央に鎮座するのが大太鼓。これは第1楽章で主導的な役割を果たすためでしょう。右側はティンパニ2セット。弦は、右側のVa, Vc, Cbがやや離れており、おそらくは、打楽器などにマスクされにくくなるよう、分離を図ったものではないかと。実際、その効果が出ており、とくにチェロはよく際立っていました。
 

小泉和裕は久しぶりですが、大編成のオケの前では非常に小柄に見えました。しかし身振りは大きく、しっかりドライブしていたと思います。テンポ的には、第1楽章がややたっぷりめで、第2楽章以降は逆に引き締まったもの。声楽は、第3楽章が終わった後に独唱・合唱ともに入場し、そのまま最後まで残りました。アルト独唱はステージ後方、合唱の真ん中にスペースを作り、そこで歌いました。第4楽章からは3つの楽章がアタッカで続きました。
 

この曲は、管楽器やコンマスなどのソロ、スケルツォでの舞台裏のポストホルンまで、マーラーの曲でもお楽しみの多さではトップクラスですが、どれもよかったですね。トロンボーンソロは女性でしたが、立派でした。打楽器隊も素晴らしく、大音量の快感も十分に味わえました。とくにティンパニがかっこよかった。独唱も表情豊かで、みっちの友人は初めて歌声が響いたときに背中がぞぞっときたそうです。女声合唱だからなのか、児童合唱も今回、女子のみだったようです。そのせいかどうかわかりませんが、行儀が良くてちゃんとしてる(爆)。個人的にはクーベリック盤の児童合唱のわんぱくな感じも捨てがたいですが。ビムバムが消え、終楽章に入って、前の楽章まで休んでいたヴァイオリンが例のメロディーを弾き始めるところは、やっぱり格別ですよね。その後のチェロがまた聴かせました。ええなあ。弾いてみたいなあー。最後は、二人のティンパニ奏者の動きが左右対称になっていたのも効果的でした。終結の和音は自然に減衰させていて、できれば、しばらく余韻に浸っていたかったのですが、客席からブラボーが次々に湧き上がって、もうそれどころじゃなかった。
 

終演後、ホテルオークラの対面にあるアイリッシュパブ、HAKATA HARPに行って(久しぶりー)、ギネスで乾杯しましたf^^;。友人が無類のアヒージョ好きで、500円の砂肝のアヒージョに目をつけ、注文したところ、バケット付きで最高にうまかった。

posted by みっち | 15:43 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
北九響第121回定期演奏会

・ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
・メンデルスゾーン:劇音楽「真夏の夜の夢」より
・シューマン:交響曲第2番ハ長調 作品61


田中一嘉指揮、北九州交響楽団
2019年4月21日(日)、北九州芸術劇場大ホール

 

北九響春の定期が終わりました。来場者は870人だったそうです。いつもありがとうございます。
 

1曲目のウェーバーは、難しい曲ぞろいだった今回のプログラムの中でもやっかいな曲でした。チェロパートは技巧上もアンサンブル上も難所が多く、苦労しました。本番では、フーガの開始をもうちょっとなんとかしたかった。ほかは緊張したわりにはまあまあか。
 

メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」からは序曲、スケルツォ、間奏曲、夜想曲、結婚行進曲の5曲。序曲は大好きな音楽です。しかし、前半部の推移と展開部のピチカートで降りてくるところの2箇所で、みっちは譜面を見失うという大失態。本番で指揮者や他のパートに目が行ったまま、譜面に戻れないことがありまして、またやっちまった! 指揮者を見るのはいいことなんですが、ちゃんとついていければという話ですよね。申し訳ありません。
 

スケルツォは難所で、どのパートも大変なわりに地味という、報われない感じの曲。間奏曲もあまり印象に残らないかも。アンケートには、「結婚行進曲で目が覚めた」という回答があって、苦笑させられました。それでも、せめて夜想曲では起きていてほしいf^^;。ホルンがフィーチャーされたこの曲は、数あるクラシック音楽の中でも最も美しいもののひとつです。とくに、後半でホルンに旋律が戻り、フルートが中間部の音形をそのまま維持して伴奏にするところは絶美。北九響の管楽器も素晴らしかった!
 

休憩後のシューマンは、あっという間に終わった感じ。それぐらい集中しました。この曲を弾けてよかった! 第2楽章スケルツォをはじめとしたヴァイオリンの奮闘ぶりはすごかった。これは聴衆にもしっかり届いたと思います。フィナーレは北九響らしい盛り上がりで、ブラボーをいただきました。シューマン・ファンの北橋市長が聴きに来ておられたとのことで、市長の声だったかも。アンコールは、ブラームスのハンガリー舞曲第1番。指揮の田中先生がノリノリのパフォーマンスで、会場も満足してもらえたのではないでしょうか。
 

今回、編成的に打楽器が少なかったこともありますが、エキストラが管楽器の3名のみでした。団員の確保に苦労することが多いアマチュアオケで、ほぼ自前で演奏会をこなすというのはなかなかないことだそうです。今後も充実した活動ができますように。で、次が大変みたいです。秋の第122回定期の演目は、オネゲル「パシフィック231」、コダーイ「孔雀」の主題による変奏曲、ドヴォルザークの8番というラインナップ。これ、やばくない? 前半は降り番にしてもらおうかという考えが頭をよぎりまくるみっちでした(爆)。

posted by みっち | 20:37 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
東芝グランドコンサート 2019

・ソレンセン:Evening Land(日本初演)
・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92


ヴァイオリン独奏:アラベラ・美歩・シュタインバッハー
ファビオ・ルイージ指揮、デンマーク国立交響楽団

2019年3月16日(土)、アクロス福岡シンフォニーホール

 

土曜日、奥方とコンサートに出かけました。ルイージはスイス・ロマンド管とのオネゲルやライプツィヒ放送響とのマーラーをCDで持っており、世代が近いこともあって、活躍ぶりが気になる指揮者のひとりです。今回はデンマーク国立響を率いての来日。元気そう。
 

1曲目は、デンマークの作曲家ソレンセンの作品。ヴァイオリン・ソロ(コンミス)と弦楽合奏の清澄な掛け合いで始まり、中間は威嚇的な音楽に発展、最後は再び冒頭の雰囲気に戻るという構造でした。デンマーク国立響は、一聴して合奏の純度の高さを感じました。
 

ブルッフの独奏はアラベラ・美歩・シュタインバッハー。この人のことは全然知りませんでしたが、とてもよかった。出だしから大きな呼吸でたっぷりした音楽を聴かせます。例えば、第1楽章第1主題の前打音の付点リズムをぐーっと引っ張ってきっぱりとしたフレージングを作り、つづく速いパッセージも抑揚豊かに鋭く切り込み、この部分だけでもやるーf^^;と思わせます。その後も尽きることのない感興を注ぎ込む美麗なブルッフとなりました。ルイージのバックがまた妙味あるもので、第2主題でのオーボエの対旋律をはじめ、随所でホルンやクラリネットなどを引き立たせていました。フィナーレの広々とした第2主題の表現も、後半の響きを変化させるルイージならでは鳴らし方で聞き惚れました。しかし、この曲の途中、みっちの隣で奥方がのど飴を喉に引っかけて死にかけるという事故発生(爆)。のど飴も逆効果なことがあると知りましてござる。アラベラのアンコールは、クライスラーのレチタティーヴォとスケルツォ・カプリース(だっけ?)。これがまた魅惑的で引き込まれました。2階席だったので表情まではわかりませんが、演奏姿も格好よく、これはファンにならねば。ロビーでCDがたくさん売られていたのですが、国内盤ってやっぱり高いよね。帰ってからネットで物色しようっとf^^;。
 

メインのベートーヴェンは、序奏からやや速めのテンポで颯爽とした雰囲気。主部は速く、グイグイ進みます。ルイージはもともと、速いところはより速く、遅いところはより遅い、という端的なテンポ取りが特徴で、いかにもという感じ。オケは見事に付いていました。第2楽章の入りをアタッカでつなげたのもルイージらしい。こうすると、イ長調→イ短調という、ちょっとマーラーの6番のモットー的な効果が働いて面白い。その後は一転してじっくり聴かせます。ヴィオラ、チェロの旋律のニュアンスが濃く、ここからフォルティッシモまでの持って行き方が素晴らしかった。全曲中の白眉と感じました。中間部では、トランペットを残照のように響かせていたのが印象的。スケルツォでは、意外にも主部でわりと平均的なテンポを採っていましたが、ふつう過ぎて気が抜けたのか、オーボエが落ちるという事件発生。しかし、中間部が速いのには驚かされました。ここでびっくりさせるための主部のテンポだったのかf^^;。で、今度はトランペットが目立つ下行音型を失敗して裏返り、繰り返しでもまた失敗という。これはおそらく、通常のゆっくりなテンポなら大丈夫なんでしょう。フィナーレは再び急速テンポで突進です。ちなみに、第1楽章とこの第4楽章、どちらも提示部を繰り返しました。弦も管も大変だったと思いますが、かえって集中できるのか、このスリリングなテンポではミスがなかったように思います。最後はもう手に汗握る白熱。いやー、すごかった!
 

といわけで、デンマーク国立響、一部に乱れはあったものの、全体的には集中力を発揮した求心的な演奏でした。アンコールはニールセンの序曲「仮面舞踏会」。大編成の威力を誇示するような光彩陸離とした音楽で、やんややんや。でも引き締まった演奏でした。なお今回は、演奏以外のところで文句があります。プログラムが有料で、入場の際にはチラシのみが配布されたんですが、これがポリ袋に入っており、演奏が始まってもそこら中でこのポリ袋がチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリチャリ(ーー;)。チラシを束のまま渡すより親切のつもりだったかもしれませんが、これはダメだろー! せめて、次回は紙袋にしてください。

posted by みっち | 22:08 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
第28回西南学院OBオーケストラ定期演奏会

・ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
・ショスタコーヴィチ:交響曲第9番変ホ長調 作品70
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92

 

中井章徳指揮、西南学院OBオーケストラ

2019年2月10日(日)、アクロス福岡シンフォニーホール
 

今年も西南OBオケの演奏会に行ってきました。博多在住の友人と二人で聴いたのですが、ショスタコーヴィチの交響曲を生で聴くのは初めてだということで、高校生のころLPで聴きあった話などで盛り上がりました。
 

「運命の力」序曲は、みっちもわりと最近演奏した曲ですが、各パートが難しく、リズムを合わせるのが大変なんですよね。西南OBオケは全然危なげなくて、上手いなあ。とくにオーボエの音色が素晴らしかったです。
 

ショスタコの9番を生で聴くのはみっちも初めてでした。よかったですねえ。各ソロは大変だったと思います。音が鳴りきらなかった箇所はありましたが、表現的にはとても説得力がありました。個人的には、チェロのあの繰り返しは大変そうf^^;。トランペットと小太鼓は部分的に狂ったみたいにやっちゃっていいんじゃないかと思うところはありましたが、それはコンドラシンで覚えているからで、当時のロシアのオケだからできることかもしれないな。今回の目玉とも言える演奏でした。
 

ベトベンの7番の前に、指揮者の中井先生のスピーチがあり、その中で、この曲の長・短短という基本リズムはギリシアの英雄譚の韻律からきているというお話が初耳。よく考えたら、このリズム、第1楽章だけじゃなくて第2楽章、第3楽章(とくに中間部)、第4楽章まで全部そうなってますね! さすがです。中井先生、正月の伯林的から今年は出ずっぱりな感じ?
 

演奏は、端的で引き締まった7番でした。フィナーレの後半は指揮もすごい白熱ぶりで盛り上がりました。低弦は、うまいですね。ただ、最後までコントロールされていた印象で、ちょっとおとなしい感じがしました。ここぞというところでは開放してしまってもよかったかも。すると、うるさいっていわれるんですけどねf^^:。


アンコールはモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲。大編成ではありましたが、弦がよくまとまっていて、きれいでした。

posted by みっち | 09:05 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
2019 北九州伯林的管弦楽団演奏会

・モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 KV.216
・ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107(ハース校訂版)


ヴァイオリン独奏:島田久三江
中井章徳指揮、北九州伯林的管弦楽団

2019年1月13日(日)、北九州市立響ホール
 

今年の伯林的は、ブルックナーの7番! ということで、恒例の無料演奏会に出かけました。プロオケではブルックナーの後期の曲はなかなかプログラムに載らないというのに、7番がタダですよ。


前プロはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番。ソロの島田さんは、きっちり真摯な演奏。モーツァルトについてはほとんどコメントできないみっちですが、最後まで意識を保って聴けましたf^^;。アイボリー?なドレスも素敵でした。


メインのブルックナーは、素晴らしかった。指揮の中井章徳先生には北九響でブラームスの3番、ベトベンの3番、4番を振っていただいた経験があり、期待できるとは思っていましたが、これほどとは。
 

第1楽章、高弦のトレモロからチェロとホルンの第1主題が立ち上るところ、ホルンがちょっと出遅れました。ついでにいうと、金管のアンサンブルにはこの後も多少のキズがありました。が、そんなことは全然気にならないほどの充実した演奏でした。チェロうまいし、最初の盛り上がりから壮大な響きで一杯に包まれ、心臓鷲づかみです。響ホールはそれほど大きくないので、大編成のオケがテュッティを鳴らすと飽和状態になりそうなんですが、そういう遠慮とかは一切なし。思い切りよく高揚します。ここをはじめとして、大きな呼吸で決して慌てることなく起伏を作り、しかも響きが大変美しい。へーっと思ううちに第1楽章が終わり、第2楽章。長さを全然感じさせません。そもそもみっちはこの楽章、だいたいどこかで意識が飛んでいるf^^;ものなんですが、ずっと集中できました。いやあ、こんな曲だったのか(爆)。で、ここまでかなり時間がかかったせいで、たまらず退席してトイレに向かう客がちらほら。やっぱり開始前の注意をプログラムに書いておくべきかもしれませんf^^;。
 

後半ですが、だいたい7番という曲は楽章バランス的に竜頭蛇尾で、前半がヘビー級とすると、後半はライト級ぐらいな重みになってしまうんですが、中井先生の指揮ではミドル級程度には是正されていました。とくにスケルツォは立派で、落ち着いたテンポで雄大に進み、中間部に入るといっそう腰を落とし、深々とした風情に魅了されました。宇野功芳風にいえば、まさにエグりの利いたブルックナーと言えよう(爆)。フィナーレも、第1主題こそ軽みを出しますが、第2主題のコラールやその後の上がったり下がったりのゼクエンツなどは大事にかつニュアンス豊かに演奏されて聞き惚れました。こんなブルックナーを聴きたかった。ブラボー!!
 

アンコールは例によって、マイスタージンガー前奏曲です。オケのみなさん、毎度ヘヴィーな演奏会をありがとうございます。来年もぜひよろしく。と、その前に、プログラムによれば、この夏には鹿児島伯林的管弦楽団がやはり中井先生の指揮でブルックナーの9番を演奏するそうです。これも聴かねば!

posted by みっち | 22:47 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ

北九州市立美術館の「ルオー展」に奥方と行ってきました。市政55周年記念ということで、12月にはルオーのお孫さんの講演会なども開かれていたらしい。展示は、版画集「ミセレーレ」をはじめとして、油絵、水彩画など約140点。


ルオーといえば、厚塗りで暗い、イコンのような小さい宗教画、というのがみっちのイメージでしたが、実物もだいたいそうでしたf^^;。ただ、今回はかなり大きな作品もあり、花などキリスト教とは直接関係のない作品もありました。奥方は最初に展示されていた「ミセレーレ」に感銘を受けたらしく、全点見られてよかったといっていました。ミセレーレはモノクロの版画で、油彩のような厚塗りではもちろんありませんが、縦長の太い線と暗い色調はルオーそのもの。この作品の映画も制作されており、会場で一部上映されていました。ルオー本人の映像が見られるとは思わなかった。
 

ルオーの絵はステンドグラスのような太い輪郭線が特徴ですが、実際にステンドグラスになった作品が展示されており、これが素晴らしかった。正直、これでルオーの見方がわかったような気がしたほど。つい近くに寄って、どれだけ厚塗りして盛り上げているかとかを見てしまうんですが、それではダメで、もっと遠くから、筆使いがわからなくなるくらいの距離を置くと、絵のどこから光が放射されて全体に照らされているかということが見えてきます。暗いと思っていた色彩も、ステンドグラスだと思えばなるほど、です。
 

同じ題材でよくこれだけ描き続けることができたなあ、と思うくらいですが、作曲家でいえば、ブルックナーの世界に近いかも。いちばんきれいだと思ったのは、画像の「ヴェロニカ」です。今回のチラシにも使われています。ヴェロニカは、イエスが十字架を担いでゴルゴタの丘に登る途中、それを憐れんでヴェールを手渡し、返されたヴェールが聖骸布となったという伝説の女性。展示中もっとも明るい色調で、周囲のドーム状の緑青色が美しい。

posted by みっち | 18:23 | 近況 | comments(2) | trackbacks(0) |
2019 謹賀新年

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。


東京方面に進学したエントっ子が年末に帰って来なかったため、今年の正月は夫婦二人で実家や友人宅を訪問するなどして過ごしました。1日に下関の亀山さんにお参りしたところ、おみくじを引いた際に小銭入れを落としてしまったらしく、次の日にデパートの初売りで新調するという事件がありました。このおみくじ、「中吉」だったんですが、内容的にはほとんど「凶」。いいことが書いてなくて、それで動揺したかも。奥方からはお賽銭をケチった罰だと言われ(1円玉あるだけ投げたf^^;)、まあこれで厄を落としたと思えと。一応、家の近くの神社でリベンジマッチし、今度は100円で「大吉」だったので、神様に許してもらえたということにしよう。3日も、友人宅の近くに車を駐めたところが神社のそばで、結果的に三社参りしました。もちろん、おみくじは引かずに「大吉」キープです。
 

家では、午前中チェロの練習にいつもより時間をかけています。なにを弾いているかというと、4月の定期演奏会に向けて、シューマンの2番、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」、ウェーバーのオイリアンテ序曲の各曲。シューマンは、両端楽章がかなり大変です。例によって、盛り上がるところで刻みがたくさん。これをバリバリ弾けるようになりたい。少なくとも、そう見えるようになりたい(爆)。メンデルスゾーンは、弾くとあらためていい曲ですねえ。いちばん厄介なのはスケルツォですが、序曲や結婚行進曲が楽しいので、ついそっちを優先したくなります。ウェーバーも一筋縄ではいきません。速いし、中間部後半はフーガで転調しまくります。それぞれ精度を上げていくしかありません。
 

このほか、この秋の区民音楽祭の候補曲を探していて、昨年末に買ったのが「チェロ・ソロ ピアノと一緒に弾けたらカッコイイ曲あつめました。」(ヤマハ)という、工夫のない長いタイトルのチェロ曲集楽譜。これに秦基博の「ひまわりの約束」とラフマニノフ「ヴォカリーズ」が収録されているのが目当てでした。ところが弾いてみると、「ひまわりの約束」の編曲はどういうわけかメロディーラインが低く、チェロはほぼG線からD線まで。いくら「低音の魅力」といっても、終始これ? オクターヴ高く弾くこともできそうで、それも考えたんですが、伴奏担当の奥方から「こっちの曲の方がよくない?」といわれたのが、レハール「ヴィリアの歌」。弾いてみると、これが泣ける。「ヴィリアの歌」と「ヴォカリーズ」なら「歌」という共通項でも括れそう。というわけで現在、Youtubeで歌手が歌っている「ヴィリアの歌」を聴きながら、ボウイングと運指を調整中です。この曲集にはほかにもモリコーネの「ガブリエルのオーボエ」があり、どんなのかと思ってYoutubeを探すと、ヨーヨー・マが弾いているとおりのアレンジになっています。終わりで違う曲に連続しているところまでそのまま。しかし、ヨーヨー・マを聴くと、あまりのカッコ良さに、自分で弾こうとは思わなくなるのが問題(爆)。

posted by みっち | 15:42 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |