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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
キック・アス

2010年のマシュー・ヴォーン監督作品。アメコミを原作としたスーパーヒーローものは食傷気味なんですが、マシュー・ヴォーンは福田雄一が「嫉妬しかない」というほどリスペクトしているらしい人なので、確かめてみないと、ということでブルーレイを購入しました。以下、ネタバレしています。


主人公は、特別な能力もない(後に痛みには強くなりますが)フツウの学生なのに、スーパーヒーローへの憧れと正義感だけで手作りコスチュームに身を包み、街のワルどもをやっつけようとして返り討ちに遭います。それだけならお話にならないのですが、たまたまとある犯罪組織の撲滅を目的として活動するビッグ・ダディとヒット・ガールのコンビと遭遇してしまったことから、本人の知らない間に間違えられて組織から狙われる身となり、という展開。どうする、キック・アス!f^^;。

 

結論からいえば、やっぱ面白いわ。なんといっても、11歳のクロエ・グレース・モレッツが演じるヒット・ガールが素晴らしい。いたいけな少女が、猛烈なアクションで悪者を殺しまくります。このためにR指定になっていますが、結果的にはアクションよりもヒットガールが罵るセリフの方がひどいということで物議を醸したようです。当方は英語よくわからないので問題なし(爆)。キックアスには悪いが、ヒットガールを見るための映画と言っても過言ではありません。それくらい魅力的。そうか、それで福田雄一は『コドモ警察』作ったわけか。


タイトルからしてふざけていますが(劇中でもニコラス・ケイジ扮するビッグダディが「キックアスじゃなくてアスキックだろ」とかツッコんでいます)、コメディー要素は冒頭からちりばめられていて、例えば人の殺し方が変すぎる。使われている音楽がまたおかしみを増幅させる選曲になっています。ラストバトルでのキックアス登場シーンは、伏線も効いていて痛快。いやしかし、こんなに人命を軽視した場面で笑っていいんだろうかとも思いながら抱腹してしまいました。

 

ラストバトルはきわめてスリリングなアクションですが、あえてツッコミを入れると、ヒットガールが敵ボスの手から拳銃を奪ってそのまま手にすれば終わっていましたよね。なぜか銃を床に飛ばしたまま放置したためにピンチを招くのですが、ビッグダディなら大いに叱るところでしょう。もちろん、そのあとのバズーカが面白いので、演出上やむを得ないともいえますが、キックアスはバズーカの取扱説明書までは読んでいないわけで、ここはちょっと苦しい。でも、クロエちゃんがかわいいから許す(爆)。

posted by みっち | 23:40 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
記憶にございません!

3連休の月曜日に観てきました。三谷幸喜作品はこれまで、テレビの『王様のレストラン』や『真田丸』、映画の『ラヂオの時間』や『清須会議』など、楽しんでいたのですが、今回のは残念でした。以下、ネタバレあります。


そもそもの話、中井貴一は『陰陽師II』とか『どろろ』などで見て、よくなかった。キワモノしか観てないだろ、というツッコミもあるでしょうが、彼が主役の『壬生義士伝』や『柘榴坂の仇討』なども一応テレビで観ています。でも印象は変わらない。消化不良というか、なにか振り切れていない。もちろん抑えて光る演技というものもあるとは思うのですが、なにかこう、もっと突き抜けたものがあっていいんじゃない? この点、当て書きで知られる三谷幸喜なら、いままで見たことのないような中井貴一が見られるのでは? というか、テレビの予告映像で怒鳴っている中井貴一は、いままで見たことのないハジケっぷりじゃないですか。これなら、という期待を胸に劇場へと赴いたのでした。
 

しかし、そのハジケっぷりは、予告映像で公開されているシーンだけでした(爆)。映画自体も、多彩な出演者やおなじみの面々も含めて盛り上げようとしてはいるのですが、笑えない。場内では笑っている人もいたので、一般的な評価としては面白いのかもしれません。しかしねえ、いまどき日本の閣僚やそれに絡んだスキャンダルなど、本物の方が映画よりよっぽどひどいし笑えるから。リアルに勝てていないでしょう。それでも、記憶をなくした主人公の首相が、あたふたしながらスケジュールをこなしていく前半はまだ生暖かい目で見てられたのですが、アメリカの大統領が日本語ペラペラというか、そのまま日本人の女性として登場してくるあたりからは、茶番が過ぎて白けました。
 

後半の焦点となる官房長官との闘争も緊迫感なし。ここでは、ダメ元でもすべてを打ち明けて協力してくれるよう説得する場面が必要だったのでは? それでも応じないなら覚悟を決めて袂を分かつことに必然性が出ます。中井貴一に見たかったのは、そういう全身全霊を捧げて事に当たる姿だったんですが。草刈正雄との対決は、最大の見所になったはず。けど、脚本はそこから逃げた。自分の妻には真摯な気持ちをぶつけることができたのに、官房長官にはできなかったことになります。好みのタイプじゃなかった? まあ、官房長官の指示により雇われたスナイパーが川平慈英で、武器が銃でなくスリングだったのはちょっとクスっとなりましたが。
 

よかったところは、元小学校教諭役の山口崇が素晴らしい貫禄だったこと。最近姿を見る機会がなかったので、元気そうでうれしい。あと注目は、有働アナのケバケバメイク。ですが、これも予告映像でバレている上、セリフ自体は彼女のエッセイほど面白くないのでf^^;。そんなこんなで、採点するなら100点満点中30点。もしかすると、面白くない理由はこっちにあって、福田雄一では笑えても、もはや三谷幸喜では笑えないカラダになってしまったのかもしれません。

posted by みっち | 22:02 | たまに観る映画 | comments(2) | trackbacks(0) |
帰ってきたヒトラー

スターリンの次はヒトラーというわけで、ブルーレイで鑑賞。もしベルリン陥落直前のヒトラーが2014年にタイムリープすると? というifものになります。日本でも戦国時代と現代を行ったり来たりするお話はありますが、ドイツでヒトラーネタで笑わせるのは厳しいと思っていたので、こんな企画自体が意外でした。笑いの中にも、きわめて重いメッセージを伝えている映画で、たぶん今年見た中でナンバーワンの秀逸作品になるかと。


物語の序盤では、ヒトラーが現代社会の変わりように驚き戸惑いつつも、急速に順応していく様子が描かれます。キオスクで新聞を読み漁り、情報収集するのですが、ヒトラー目線で展開される現代批評が面白くて笑えます。ザヴァツキという、テレビ局をクビになりなんとか再売り込みしたい若者がヒトラーに目をつけ、二人はドレスデンやバイロイトなどナチスゆかりの地も含めたドイツ国内を回って人々と対話します。これがまた見もの。
 

メイキングで説明されていますが、このロケシーンはほぼ台本なしのドキュメンタリーとして撮られた映像の一部です。ヒトラーに嫌悪感を示す人も中にはいるのですが、概ね好意的で、肩を並べてスマホで自撮りしたりするだけでなく、移民に対する反感をぶちまけたり、収容所の必要性を訴えたり、ヒトラーにほとんど忠誠を誓っている人までいます。相手が本物ではない「そっくりさん」という気安さはあったでしょうし、ヒトラー役のオリヴァー・マスッチがヒトラー本人よりも長身かつハンサムで、話を受け止める態度が真摯で父親のように頼もしく、ついうれしくなったというようなこともあるでしょう。マスッチのヒトラーぶりは実に堂に入っています。ネオナチなど右翼政党への突撃取材もこなしており、彼らに対してヒトラーは手厳しく、迫真の演技を見せます。本物の党首に対してつばを飛ばして痛烈に罵り、涙目にしてしまうほど。こんな人物が目の前に現れたら、今度こそ失敗せずにうまくやるんじゃないかと期待する人が出ても決しておかしくないでしょう。少なくとも、ドイツではヒトラーを禁忌とする意識は薄れつつあるという印象を受けました。
 

「ヒトラー芸人」としてテレビ局に受け入れられたヒトラーは、生放送の政治番組で演説する機会を得るのですが、このシーンは圧巻です。「嘘でも100万回言えば真実になる」と言ったのは、ゲッベルスでしたっけ? しかしここでのヒトラーは、沈黙の効果を最大限に駆使し、機知に富んだ言い回しで真実を語っていました。感激して泣き出す人だっていそうなくらい。ドイツ人じゃないし、わかってるはずのみっちまで心を動かされました。かつての本物もこうしたスピーチで聴衆の心をつかんだのでしょうか。さもありなん。どこかの首相の嘘くささとは比べ物になりません。一方で、ヒトラーの残忍さや深刻な差別意識を示すエピソードも描かれています。指に噛み付いた子犬を射殺する映像を暴露され、ヒトラーはいったんは挫折を味わうことになります。しかし、転んでもただでは起きない。「帰ってきたヒトラー」を執筆して出版、大ヒットさせ、さらにこれを原作として本人主演の映画製作が始まるというメタ的な展開となります。脚本も奥が深い。
 

誤解のないように言っておくと、この映画はヒトラーにもいいところがあったとか肯定したり賛美したいのではなく、むしろそのような傾向や現状に警鐘を鳴らす目的で作られています。メイキングでは製作スタッフが、ロケでヒトラーが嫌われる方がうれしかったと述べていますし、出演者インタビューでは、主演のマスッチが明確に次のように語っています。「民主主義はもろく、大きな犠牲を払って勝ち取ったものであり、守っていかねばならない」と。

 

外国語の映画は吹き替えを推すことが多いのですが、この映画に限っては、マスッチ演じるヒトラーのドイツ語を味わうために、字幕版で観るべきでしょう。吹き替えと比較しても情報量はほとんど変わりませんし。ちなみに、この映画のヒットにあやかったか、「帰ってきたムッソリーニ」が劇場公開されているようです。みっちの友人のお父さんで外洋の船乗りだった人が体験談を聞かせてくれたことがあり、ドイツ人から「次はイタリア抜きでやろうぜ」と声をかけられたそうですが(爆)。

posted by みっち | 20:52 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
スターリンの葬送狂騒曲

去年、日本で劇場公開されて気になっていたものの、近くで上映されているところがなくて結局観に行けなかった映画。ブルーレイで鑑賞しました。ロシアなど一部では上映禁止となったという問題作。製作はイギリスとフランスで、台詞は英語です。ソ連時代のオケ事情を描いた『オーケストラ!』もフランス映画だったことからすると、バレエ・リュス以来?ロシア物をやる土壌がフランスにはあるのでしょうか。


原題は The death of Stalin (スターリンの死)であり、スターリンの死と、その後に展開された権力闘争が主題。史実では、スターリンの死が1953年3月1日、ベリヤの失脚は同年6月末、処刑が12月であり、映画のような短期間ではなかったわけですが、映画ではスターリンが死ぬ前夜から死、葬儀、その直後にわたる数日間のドタバタ喜劇として一気に描いています。ちなみに、プロコフィエフが死んだのは、スターリンと同日だったらしい。

 

オルガ・キュリレンコ演じるピアニストがモーツァルトの協奏曲を弾くシーンから始まるのですが、スターリンが録音をよこせという電話をかけてきたために、団員のみならず帰ろうとした観客たちを引き止めて、もう一度演奏し直すはめに。ここからしてブラックなドタバタです。このシーンであたふたしまくる放送局員役のパディ・コンシダインは、エドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ主演の『ホット・ファズ』や『ワールズ・エンド』でみっちにはおなじみ。がんばってるぞ(爆)。
 

権力闘争は、ベリヤ対フルシチョフの構図を取ります。スターリンの死後、いち早く動いたのがベリヤで、党ナンバー2のマレンコフと同盟、スターリンの娘スヴェトラーナの抱き込みにも成功します。フルシチョフが考えていた粛清の凍結、ロシア正教の弾圧緩和などの人気取り政策も先手を打って実施し、フルシチョフ失脚のネタまでつかみます。参考までに、ウィキペディアのベリヤの記事を読むと、ベリヤはスターリンの生前から処分されかかっていた気配があり、彼によるスターリン毒殺説まであるようで、映画でベリヤが瀕死のスターリンに捨て台詞を吐くシーンは、このあたりの事情を反映しているのかもしれません。中央委員会メンバーの過去はすべてベリヤに握られており、ベリヤに反感を持つ者も動きが取れない中で、ベリヤの権力掌握は確実かと思われたのですが、ベリヤと彼が管轄する秘密警察NKVDの増長を憎む軍部の大物ジューコフがフルシチョフと同盟したことで、逆転へと動いていきます。
 

コメディータッチとはいえ、いとも簡単に人を射殺するシーンが次々に現れて、暗然とさせられます。登場する人物たちは、スターリンを始め、その取り巻き連中らにまともなのは一人もいなさそう。まったくもって救いようがない。ギャグもほとんどが人が死ぬ話や下ネタですが、粛清がこれだけ日常的になると、笑いのネタにするしかないのかも。ソ連時代に人々の間で交わされていたというアネクドートの際どさも、やはりこういう感じなのかもしれません。なお、字幕と吹き替えの両方で観ましたが、より情報量の多い吹き替えがおすすめです。吹き替えの声もよい。

posted by みっち | 17:38 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
銀魂2 -世にも奇妙な銀魂ちゃん-

dTVの実写版『銀魂』第2弾DVDで、「眠れないアル篇」、「土方禁煙篇」、「幾つになっても歯医者は嫌篇」の3本立て。昨年末に劇場版『銀魂2』ブルーレイとともに予約購入していたのですが、エントっ子が観ろといって送ってきた『シュタインズゲート』6枚組に時間を取られたりして、封を切ったのがいまごろになってしまいました。


まず、選ばれた3本のエピソードですが、アニメも含めて銀魂の代表的なギャグ回で、それぞれ違う意味で強烈な印象を残す作品ばかり。福田監督、さすがの慧眼といったところです。再現度は高く、加えて実写ならではのオリジナルギャグも盛られていて楽しい。「世にも奇妙な」のサブタイトルでも予想できるように、進行役に「タモリでーす」とやる気なさそうに名乗る松平のとっつぁんが(爆)。左右にホステスたちをずらりと従えてのテキトーぶりが素晴らしい。以下、大いにネタバレしていますから注意。
 

眠れないアル篇」では、劇中で語られる愛犬ジェリーの物語がやっぱりすごい。原作やアニメでもトラウマになりかねない衝撃度ですが、これに対抗できるとしたら、呪いの人形が目的の家に向かってくる途中でいろいろやらかしてしまうヤツでしょうか(爆)。話がそれましたが、ここで起用された若月佑美、どこかで見たような、と思ったら『今日から俺は!!』で神楽とコンビを組んでいたスケバンじゃありませんか。トドメは志賀廣太郎。参った。
 

土方禁煙篇」では、ドラ○ンボールを盛大にパクった原作に、「○河鉄道999」ネタまでぶち込む超豪華パクリ版(爆)。「鳥山先生にも松本先生にも怒られるから」という鉄郎のセリフまであります。鉄郎役は矢本悠馬で、機械の体を求めていたはずですが、どう見てもハリボテに(爆)。メーテル役は山本美月。彼女は銀魂ファンらしく、本編に出たくて、メーテルは2回目だそうですがこれやると本編の目がなくなりそうで不安だったらしい。でも、佐藤二朗みたいに違う役もあり、ということで福田監督のフォローがありました。銀魂3に登場するとすれば、たまなんかどうでしょう? 個人的には外道丸も好きですが(一緒に出てくるパンデモニウムさんが好きともいう)。で、特典映像には松本零士が撮影現場を激励に訪れているシーンがあり、喜んでいたらしい。しかし、鳥山先生はフリーザや悟空を見たら、怒ると思います(爆)。
 

幾つになっても歯医者は嫌篇」では、アニメの声優、立木文彦がマダオ本人で登場します。プレミアだったかでも自分で本人だといっていたので、いいよね。本人ですから文句のつけようもありませんが、ホームレスにしては体つきがよすぎでは? 土方の迷セリフ「バカなのー?」は、アニメほどのインパクトはないにしても、銀さんと交互にエスカレートし合いながら自分にツッコミ入れまくる姿は実写版でも抱腹絶倒です。マギーのとぼけた味わいもいい。戦闘妖精シャザーンは当然のようにハリボテ(爆)。サラダ婆が岩井志麻子って……。とてつもなく恐ろしいものを見てしまった。

posted by みっち | 20:08 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
映画で味わう 作家・藤沢周平の世界

1月1日から3日にわたり、BS時代劇専門チャンネルで藤沢周平の小説を原作にした映画作品が放送されました。その全部ではありませんが、『山桜』(2008年)と『花のあと』(2010年)を観ました。


『山桜』は篠原哲雄監督、田中麗奈主演、『花のあと』は中西健二監督、北川景子主演で、どちらも藤沢周平のいわゆる「海坂藩」もの、主人公が女性、ヒロインの境遇や行動は異なるものの、恋心を抱いた相手が事件に巻き込まれる展開と、物語を締めくくるのが一青窈の歌、という点が共通しており、制作者が同じかあるいは姉妹編のような関係にあるようです。
 

藤沢周平は、みっちも敬愛する日本人作家の一人です。この人の時代小説は内容と文章の美しさで際立っており、全部読むのがもったいないと思うほど。これを映像化したくなる気持ちもわかります。が、現実にはなかなか厳しいようで、山田洋次が『たそがれ清兵衛』に始まる3部作をヒットさせたくらい。
 

『山桜』はとてもよかった。ナレーションはなく、音楽も非常に簡素。田中麗奈演じる野江やその相手の手塚弥一郎(東山紀之)ら登場人物たちも心情を語るようなセリフがほとんどないという寡黙な映画ですが、その分観る側は人物の表情や行動、その変化や少ない台詞に集中することになり、それだけのものが画面から伝わってきます。またそこに美しい自然描写も溶け込んでおり、まさに藤沢作品を読んでいるかのような印象でした。この映画では事件の最終決着まで描いていない点も特徴で、終盤で野江が主体的な行動を取ること、そのことによって新たな出会いが開け、事態の好転を強く期待させる、という終わり方が秀逸です。そこで一青窈の歌が流れてくるのですが、申し訳ないけどちょっと場違いな感じがするほどのラストの見事さでした。正直、藤沢周平作品の映画化としてはこれまでで最高では? あえて逆に言うと、殺陣のシーンは一度のみで、そこに至る詳しい説明もないため、娯楽作品としての時代劇としてはサービス精神に欠けるかもしれません。
 

一方の『花のあと』は、北川景子が武家の娘から剣士姿へと変貌、殺陣までこなすサービスでより親しめる作品になっています。カメラも引きの画面で奥ゆかしかった『山桜』よりもアップが多くなっています。ただ、肝心の北川景子がほとんど仏頂面なのが残念。『山桜』の野江は耐えるべき境遇にいるので表情が固いのは仕方ないとしても、『花のあと』の以登はまだ若く、もっと率直で明るい顔があってもよかったはずです。季節感あふれる自然描写もありますが、『山桜』と比べるとやや単純に見えてしまいます。とはいえ、殺陣のシーンではヒロインもがんばっているし、敵の市川亀治郎(当時)も迫力がありました。以登の許嫁、片桐才助役の甲本雅裕も屈託のない笑顔で好演。ナレーションは藤村志保でとても雰囲気のある語りですが、北川景子の50年後の声だといわれると、にわかには納得できないものがあり、映画のナレーション導入の難しさを感じました。しかも、最後はこのナレーションに一青窈の歌がかぶってくるという……。一青窈を嫌いというわけでは決してないのですが、なんかシュールでした。
 

もう一本、『小川の辺』(2011年)があったようなんですが、録画しそこねました。『山桜』と同じ篠原監督作品ということで、こちらも期待できそうです。

posted by みっち | 22:42 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
銀魂2 掟は破るためにこそある

映画実写版『銀魂2』を観に行きました。昨年公開の第1作で、原作世界の再現性の高さとオリジナル部分を含めたギャグの面白さで大ヒットしたわけですが、今回は「将軍接待篇」と「真選組動乱篇」を組み合わせたストーリーということで、脚本的にはもう成功間違いなしと確信していました。以下、部分的にネタバレあり。


前作同様に原作にほぼ忠実な脚本で、違和感がありません。「接待篇」から「真選組動乱篇」にもうまく繋いでいました。ちょっと違っていたのは河上万斉が将軍暗殺を企てるところで、これにより銀時との対決場所が変わりましたが、これもよかったと思います。ただし厳密には、ならばなぜその場に高杉が来ないのかという疑問が出てくるわけですが。話を盛ると、こんな風にかえって難しくなるんですよね。アクションシーンはどれもよかったですが、神楽役の橋本環奈がこれほどやるとは思ってなくて、目を見張りました。これは今後も期待できます。一方のギャグシーンは相変わらずのハイテンションてんこ盛りで、映画オリジナルのギャグも健在。六角さんまた出てるし、ジ○リネタもやっぱりやるのね。


以下、配役について。前作に出ていたメンバーは今回もみんなよかったので、一部を除いて省略。まず接待篇ですが、将ちゃんこと徳川茂茂は、出てくるたびにトンデモナイ目に遭わされるキャラでして、勝地涼が見事にハマっています。しかし、オファーよく受けたなf^^;。もうひとり新登場のさっちゃんこと猿飛あやめ役の夏菜にもアッパレをあげたい。これ以上、いやこれ以下はない最低の役ですが、本当によく受けたな! せめてものお礼に、これからはメスブタと呼ばせてもらおう(爆)。さらに、前回はボケなかったズラこと桂小太郎役の岡田将生が、原作同様にトドメ系のボケをかましてくれます。ズラとさっちゃんで悶絶できます。とくに、さっちゃんのフゴフゴは脳裏に焼き付いて、思い出すだけで所構わず失笑しちゃいます(爆)。お登勢(キムラ緑子)の再現度もすごかったけど、ほとんどストーリーに絡んでないからね。


「真選組動乱篇」では柳楽優弥のトッシーが素晴らしい。彼の演技のおかげで、二面性という点ではアニメよりも際立っていたかも。伊東鴨太郎の三浦春馬は、鴨太郎のイメージより顔がちょっと優しいんですよね。しかし、後半はその優しさが味となって、泣けました。忘れてはいけないのが河上万斉役の窪田正孝。こちらは繊細な顔の線が万斉のイメージと重なって秀逸。ぜひまた見たい! 松平のとっつぁん(堤真一)も悪くなかったですよ。でも、せめて3つ数えるギャグくらいはやってほしかった。あと、ザキ(戸塚純貴)。本編登場おめでとう! とはいえ、ラストの葬儀の写真は、やっぱり犬だろ(爆)。


こうなると、気になるのは次回ですよね。銀魂3でも原作の長編を使うのか。使うとするとどれか。順当にいくなら、「柳生篇」か「吉原炎上篇」あたりで、九兵衛や月詠の登場が楽しみになるんだけど、個人的には坂本辰馬が見たいので、「蓮蓬篇」を希望。ただ、これは原作でもいろいろあったらしいので、ハードル高いだろうなあ。

posted by みっち | 15:50 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
スター・ウォーズ/最後のジェダイ

わが家のエントっ子が楽しみにしていたシリーズ最新作、『スター・ウォーズ』エピソード8「最後のジェダイ」を観てきました。通常字幕版です。以下、意図しませんが、ネタバレが一部含まれています。


三部作の中間ということで、まだ結論を下せないところがありますが、ドラマティックかつ意表を突く展開を見栄えのする画面の数々で見せてくれており、映画単体として、概ね面白くできていました。今回の本ルートといえる、レイとルーク、カイロ・レンとスノークという光と闇の「師弟」コンビの絡み方がなかなかよかった。ここがちゃんと描けていたことが成功につながっていると思います。ヨーダまで出てくる大サービスぶりは、旧作からのファンが泣いて喜んだのでは? 以上が総論ですが、ここからは細かいところで辛口になっていますので、ファンの方、お許しを。
 

ツッコミを入れたくなるところはいろいろあります。まずルークですが、弟子に取ったカイロ・レンを闇に奪われて引きこもり、老いてもなおヨーダに面倒をかけ、レンと対峙して最後の輝きを放つシーンすら実体ではなかったという、ヘタレまくりなんですよね。この師にしてこの弟子(レンの方)ありというべきか。レイは彼から学んだものはほとんどなかったんじゃないでしょうか。「おまえの言葉はすべて間違っている」という、ジョジョっぽいキメ台詞を2回も放ってくれるだけに、もうちょっとなんとかならなかったか。とりあえず、彼が最後のジェダイじゃなくてよかった(爆)。あと、ヨーダの能力がゼウス並なのは設定的にどうなんでしょう。これが自在に可能なのであれば、ヨーダが敵全員を倒せそうf^^;。対するスノークは、情報力が決定的に不足しています。いろいろ知っていそうなことを匂わせておいて、結局具体的なことは語らないままお逝きになりました。このまま謎の存在で終わらせるのかな? レイとレンは前回よりもいい感じになってきたと思いますが、この二人についてはエピソード9を観るまでは保留としましょう。
 

一方のレイアやフィンたちレジスタンスのルートの方は、もっとあります。まずレイアですが、キャリー・フィッシャーは撮影に入る前に亡くなったように思いますが、違ったかな。前作のターキン総督同様、別の役者の顔にCGを貼り付けているのかもしれませんが、そういう意味での不自然さはありませんでした。それよりも、あの超人的なシーンはなんなんでしょうか? 宇宙空間でなにやってんだー、て目を疑いました。作品世界ではもはや不死か。この分だと次回も出てくるでしょう。フィンたちの潜入作戦は、これをやってもやらなくても展開は変わらないという点で、ただ尺を長くして尿意との戦いを厳しくしただけではないかという疑いがありますf^^;。伏線があるとすれば、途中でコードブレーカーとして同行するベニチオ・デル・トロの存在で、彼との出会いが次回活かされるかどうかが評価の分かれ目になります。あと、レジスタンスでは上官の指示命令を部下が無視して突っ走ってばかりなんですが、いい加減にしてほしい。いつもの結果オーライとはいえ、ひどすぎるのでは? ホルツが最後にハイパードライブで敵艦隊に大損害を与えるんですが、この手があるのなら、いままで使わなかったのはなぜ? 無人艦でやれば人命を損なわずに大戦果が得られるんですが。やられるまでそれを見ていた帝国軍じゃなかったファースト・オーダーも相変わらずで、トドメを刺せたはずの輸送船攻撃も1隻ずつしか破壊しないというお人好し(爆)。ファースト・オーダーといえば、今回ハックスくんがなかなかの演技でした。味方からも小物扱いされてお気の毒。やるせない限りですが、めげずに上官の命令を先取りしたりしています。少なくともレジスタンスより優秀かも(爆)。次も勇姿を見せてもらいたい。

posted by みっち | 20:20 | たまに観る映画 | comments(2) | trackbacks(0) |
探偵はBARにいる 3

『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』以来4年ぶりのシリーズ第3作。1作目は観ていないのですが、2作目が気に入り、わが家のエントっ子と楽しみにしていました。以下、ネタバレはなし。

 

ギャグを絡めながらもハードボイルド基調という作りは今回も変わっていません。陰のあるヒロインが登場するところも同じ。ストーリー的には、ヒロインの描き方にやや不足を感じる部分がありますが、ハメットの小説「コンティネンタル・オプ」シリーズのように、主人公である探偵が一人称で語るというスタイルから極力はみ出さないように努めた結果でしょう。すべてを説明するのではなく、探偵が居合わせていない場面を最小限に抑えることで人物と画面に奥行きと情感を与えているのが好ましい。いかにもなセリフ、お約束な拷問シーンも楽しい。2作目と比べて、探偵と助手の高田の二人がやられるシーンが多かった気がしますが、その分、スリリングさも十分。「命を燃やすものは、あるか?」というコピーも含めて、いい映画だなあ、と思わせます。

 

今回のヒロイン、北川景子は持ち前の整った顔立ちと役柄がよくマッチしていました。回想シーンやラストで見せる表情には切なさが溢れており、泣けます。キレイだけど元ヤンだからな、とか思っていた自分に反省(爆)。リリー・フランキーは悪役ですが、これもよかった。とても自然な演技ですよね、って、褒めたことになってる? 出番は少ないですが、モンロー役の鈴木砂羽も好演。こういうところにいい配役するので、札幌が魅力的な街に思えてきます。おなじみファイターズネタも忘れておらず、山場のシーンではクリクリこと栗山監督と札幌市長がゲスト出演しています。

 

大泉洋と松田龍平のコンビをはじめ、大方のレギュラー陣は健在。みんなこのシリーズに愛着を持ってやっているように画面から感じられます。ひとつだけ残念だったのは、わが家で「悪源太」と呼んでいる波岡一喜演じる佐山が今回登場しないこと。彼、レギュラーじゃなかったの? まあ、佐山は出そうと思えばどこでも出せるけど、収拾つけるのが難しいよね、とエントっ子と話し合ったものですf^^;。

posted by みっち | 21:45 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
ベイビー・ドライバー

『ベイビー・ドライバー』は、「コルネット三部作」(サイモン・ペグ主演)を監督したエドガー・ライトの最新作。タイトルで分かるように、カーアクションものです。北九州では2週間、4DX2D字幕版で1日に2回上映という限定的なもので、どれだけの人が観るのかわかりませんが、個人的には今年、いやここ数年でも最も印象に残る傑作です。ぜひ劇場で体験すべきと思いますが、見逃す人も多そうなので、以下、できるだけネタバレなしでいきます。


ベイビーとは主人公の通称で、若く優秀なドライビング・テクニックの持ち主。強盗団のボスのクルマを盗んだことで、その「負債」を返すためにドライバーとして働かされています。ボスは、標的を定めて企画・立案・準備まで整え、実行犯のチームはその都度メンバーを変えて雇うというスタイル。返済がもう少しで終わるころ、ベイビーはデボラと出会ってお互いに惹かれ合います。これくらいまではいいよねf^^;。
 

ベイビーは子供のころの交通事故が原因で耳鳴りに悩まされており、のべつイヤホンで音楽を聴くことで苦痛から逃れています。ベイビーが聴いている曲がそのまま映画のBGMとなっており、これが選曲とも相まって効果的。最初はうるさいほどに思わせておいて、実はそれに意味があることがわかってきます。とくに終盤では、ストーリーの展開を聴覚的にも劇的に表出することに成功しています。映画の曲って、ただ流すだけではないんだよね、とあらためて感じさせてくれて秀逸。
 

鮮やかなカーアクションはもちろんですが、それだけではありません。ベイビーは足も速く、運転せずに走る場面でも痛快さがあって思わず引き込まれます。あれこれの伏線をきっちり回収したり、同じ行為を違う状況で繰り返して異化する演出など、この監督らしい作り込みが随所に発揮されていて、素晴らしい見応えになっています。ストーリー後半は怒涛の展開。あえて触れませんが、ひとつだけ。途中で「ボニーとクライドか」というセリフが出て、知っている人は『俺たちに明日はない』のラストを思い浮かべるでしょう。みっちもやられました。これも含めて驚きの連続で、先がどうなるのか全然読めませんでした。
 

キャストは濃いメンバーが多い。アンセル・エルゴートはスリムで引き締まった体型で、寡黙な主人公を見事に演じています。童顔で、いかにもベイビーって感じ。これまで「良い奴」的な雰囲気があったジェイミー・フォックスの、コンビニで支払いするように人を殺すキレっぷりが恐ろしい。ジョン・ハムもすごいけれど、これを語るとネタバレにf^^;。とにかく、二人はとんでもない。彼らに比べると、ケヴィン・スペイシーはそれほど出番がないのですが、存在感は大きい。最後のアレは、『ホット・ファズ』の未公開パラパラ漫画じゃん(爆)。ついでに、ボスの甥っ子だっけ、8歳ですでに優秀な跡継ぎになれそうでした。「紅二点」のリリー・ジェームズとエイザ・ゴンザレスは、どちらもきれいだし気っぷもいいしで、よくハマっていました。

posted by みっち | 21:14 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |