Search this site
お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
探偵はBARにいる 3

『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』以来4年ぶりのシリーズ第3作。1作目は観ていないのですが、2作目が気に入り、わが家のエントっ子と楽しみにしていました。以下、ネタバレはなし。

 

ギャグを絡めながらもハードボイルド基調という作りは今回も変わっていません。陰のあるヒロインが登場するところも同じ。ストーリー的には、ヒロインの描き方にやや不足を感じる部分がありますが、ハメットの小説「コンティネンタル・オプ」シリーズのように、主人公である探偵が一人称で語るというスタイルから極力はみ出さないように努めた結果でしょう。すべてを説明するのではなく、探偵が居合わせていない場面を最小限に抑えることで人物と画面に奥行きと情感を与えているのが好ましい。いかにもなセリフ、お約束な拷問シーンも楽しい。2作目と比べて、探偵と助手の高田の二人がやられるシーンが多かった気がしますが、その分、スリリングさも十分。「命を燃やすものは、あるか?」というコピーも含めて、いい映画だなあ、と思わせます。

 

今回のヒロイン、北川景子は持ち前の整った顔立ちと役柄がよくマッチしていました。回想シーンやラストで見せる表情には切なさが溢れており、泣けます。キレイだけど元ヤンだからな、とか思っていた自分に反省(爆)。リリー・フランキーは悪役ですが、これもよかった。とても自然な演技ですよね、って、褒めたことになってる? 出番は少ないですが、モンロー役の鈴木砂羽も好演。こういうところにいい配役するので、札幌が魅力的な街に思えてきます。おなじみファイターズネタも忘れておらず、山場のシーンではクリクリこと栗山監督と札幌市長がゲスト出演しています。

 

大泉洋と松田龍平のコンビをはじめ、大方のレギュラー陣は健在。みんなこのシリーズに愛着を持ってやっているように画面から感じられます。ひとつだけ残念だったのは、わが家で「悪源太」と呼んでいる波岡一喜演じる佐山が今回登場しないこと。彼、レギュラーじゃなかったの? まあ、佐山は出そうと思えばどこでも出せるけど、収拾つけるのが難しいよね、とエントっ子と話し合ったものですf^^;。

posted by みっち | 21:45 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
ベイビー・ドライバー

『ベイビー・ドライバー』は、「コルネット三部作」(サイモン・ペグ主演)を監督したエドガー・ライトの最新作。タイトルで分かるように、カーアクションものです。北九州では2週間、4DX2D字幕版で1日に2回上映という限定的なもので、どれだけの人が観るのかわかりませんが、個人的には今年、いやここ数年でも最も印象に残る傑作です。ぜひ劇場で体験すべきと思いますが、見逃す人も多そうなので、以下、できるだけネタバレなしでいきます。


ベイビーとは主人公の通称で、若く優秀なドライビング・テクニックの持ち主。強盗団のボスのクルマを盗んだことで、その「負債」を返すためにドライバーとして働かされています。ボスは、標的を定めて企画・立案・準備まで整え、実行犯のチームはその都度メンバーを変えて雇うというスタイル。返済がもう少しで終わるころ、ベイビーはデボラと出会ってお互いに惹かれ合います。これくらいまではいいよねf^^;。
 

ベイビーは子供のころの交通事故が原因で耳鳴りに悩まされており、のべつイヤホンで音楽を聴くことで苦痛から逃れています。ベイビーが聴いている曲がそのまま映画のBGMとなっており、これが選曲とも相まって効果的。最初はうるさいほどに思わせておいて、実はそれに意味があることがわかってきます。とくに終盤では、ストーリーの展開を聴覚的にも劇的に表出することに成功しています。映画の曲って、ただ流すだけではないんだよね、とあらためて感じさせてくれて秀逸。
 

鮮やかなカーアクションはもちろんですが、それだけではありません。ベイビーは足も速く、運転せずに走る場面でも痛快さがあって思わず引き込まれます。あれこれの伏線をきっちり回収したり、同じ行為を違う状況で繰り返して異化する演出など、この監督らしい作り込みが随所に発揮されていて、素晴らしい見応えになっています。ストーリー後半は怒涛の展開。あえて触れませんが、ひとつだけ。途中で「ボニーとクライドか」というセリフが出て、知っている人は『俺たちに明日はない』のラストを思い浮かべるでしょう。みっちもやられました。これも含めて驚きの連続で、先がどうなるのか全然読めませんでした。
 

キャストは濃いメンバーが多い。アンセル・エルゴートはスリムで引き締まった体型で、寡黙な主人公を見事に演じています。童顔で、いかにもベイビーって感じ。これまで「良い奴」的な雰囲気があったジェイミー・フォックスの、コンビニで支払いするように人を殺すキレっぷりが恐ろしい。ジョン・ハムもすごいけれど、これを語るとネタバレにf^^;。とにかく、二人はとんでもない。彼らに比べると、ケヴィン・スペイシーはそれほど出番がないのですが、存在感は大きい。最後のアレは、『ホット・ファズ』の未公開パラパラ漫画じゃん(爆)。ついでに、ボスの甥っ子だっけ、8歳ですでに優秀な跡継ぎになれそうでした。「紅二点」のリリー・ジェームズとエイザ・ゴンザレスは、どちらもきれいだし気っぷもいいしで、よくハマっていました。

posted by みっち | 21:14 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
映画版 銀河ヒッチハイク・ガイド

2005年のイギリス・アメリカ合作で、ダグラス・アダムス原作のスラップスティックSFの映画化。みっちがSF小説を好んで読んでいたのは、1980年代までで、たぶんジーン・ウルフ『新しい太陽の書』四部作あたりが最後(続編が出ているらしいけど)。『銀河ヒッチハイク・ガイド』は、タイトルだけ聞いたことがありました。今回映画版を観たのは、『ホビット』や「コルネット三部作」に出ているマーティン・フリーマンつながりで。以下、ネタバレあり。

 

イルカたちのミュージカル調の楽しげなお別れの歌の後、アーサー・デントが朝目を覚ますと、バイパス建設工事のために自宅が取り壊しにあっており、その約12分後、地球も爆破されて消滅という素晴らしいスケール感に、めまいがするほど。ここ、地球最後の瞬間に描かれるのもやっぱりパブだったりする。「コルネット三部作」と共通で、パブが世界の中心だった(爆)。理由はよくわかりませんが、タオルはとにかく必需品らしい。その後の展開や世界観などは、きっとほかで詳しいはずなので、思い切って省略します。

 

ところどころの「特撮感」に、いまごろ撮ればきっともっと洗練された画像にできるはずとは思いますが、全編がブラックジョークのような作りなので、むしろいい味になっています。宇宙船に「二度と押すな」と書かれたボタンがあったり、ヴォゴン人の星で、3人組が「思う」とか「考える」とかいうたびに地面からハエたたきのようなものが飛び出して顔をバシッとやるギャグなど、アホくさいけどおかしい。究極の疑問がわからないけど、「42」という答えは出てたり、陰気なロボット、マーヴィンもおいしいところを持っていきます。ドタバタでネタ満載なわりには脚本がきれいにまとまっていて、妙に納得させてくれます。みっちが脚本を褒めることはあんまりないはずですがf^^;。これは小説も読むべきかも。

 

寝間着姿のまま、宇宙に放り出されるアーサーことマーティン・フリーマンは、後のビルボ・バギンズを彷彿とさせます。若くて頬がふっくら、子供っぽさがまだ残っているのも『ホビット』に期待された理由ではなかったかと。トリリアン役のズーイー・デシャネルは輝く瞳が印象的。この目はどこかで見たような、と思い、『SHERLOCK』のユーラスでは?と思い当たったのですが、ユーラスはシアン・ブルックで別人でした。年齢も近いし、似てるけどなあ。「コルネット三部作」に皆勤賞だったビル・ナイも出ていて、名前は重要じゃないとかいいながら名乗るときの表情がおかしい。名前なんだっけ? 彼とマーティンのシーンは、いかにもSFらしくて好き。最後の方でこういうシーンがあるのはポイント高い。


ブルーレイは字幕・吹替え両方いけます。ただし、この作品の場合は内容が内容だけに、吹替えだと「いま、なんて言った?」のまま次のシーンになってしまい、ついていけなくなる恐れがあります。その点、字幕は落ち着いて読めるだけ理解しやすいかも。結局両方見ますねf^^;。特典映像も字幕付きですが、内容が少なく、コメンタリーもありません。

posted by みっち | 16:08 | たまに観る映画 | comments(2) | trackbacks(0) |
宇宙人ポール

「3つの味のコルネット」三部作ですっかりおなじみのサイモン・ペグとニック・フロストのコンビにもう一度会えるということで、『宇宙人ポール』(2011年)をブルーレイで観ました。監督はエドガー・ライトではなく、アメリカ人のグレッグ・モットーラ。やはりコメディーを撮っている人らしい。


イギリスからアメリカ観光にやってきたオタク二人が、コミコン見物のついでにレンタカーでエリア51などのUFO関連「名所」巡りの途中、ホンモノに出会ってしまうというお話。撮影が現地ロケなので、UFO好きなら必見のシーンがあるでしょう。西海岸サンディエゴからネバダ州、ワイオミング州にかけて移動する、ロードムービーの趣もあります。
 

映画として、よくできていると思いました。『ワールズ・エンド』より2年前の作品ですが、オタクっぽい長髪だからか、サイモンもニックもずいぶん若く見えます。とくにサイモンはふっくらしていて、『ワールズ・エンド』のコメンタリーでこのことはネタにされていました。サイモンに遅れを取ったニックが拗ねるところがかわいい。今回は、このコンビと宇宙人ポールの3人組ですが、LotRのゴラムより撮影技術が進んでいるようで、ポールの造形を含めて不自然さはまったくありません。ポールのオッサンぽい雰囲気もナイス。なぜ名前がポールなのかは、映画を観てねf^^;。
 

3人の掛け合いと、途中から強制参加のルース(クリスティン・ウィグ)による珍道中が楽しい。ポールが『E.T.』のアイデアを電話で教えているシーンでは、相手はスピルバーグ本人の声だって(爆)。またルースが着ているTシャツに「ダーウィンを射殺するキリスト」が描かれているのがかなりのインパクト。アメリカには実際こういう人たちがいるんでしょうね。宗教ネタをけっこう引っ張るところも「らしさ」になっています。
 

後半は政府機関から逃げ出したポールを追跡する捜査官たちとの鬼ごっこになります。できそうなゾイルは別として、新入りの二人はポンコツで役に立ちそうにないのですが、この二人が意外な活躍を見せて、サイモンたちはピンチの連続。でも、二人ともやりすぎた(ーー;)。大詰めは、『未知との遭遇』の舞台となったデビルスタワーで、森の木々を透かして光が放射される、あのシーンが再現されます。ここでシガニー・ウィーバーまで登場してびっくり。エイリアンにはつくづく因縁があるらしい。貫禄がすごい。しかし、ジェンガ(爆)。あと、タラ役のブライス・ダナーがかなりの年齢にもかかわらず、美しい。グィネス・パルトロウのお母さんです。エンディングでの母船が長ーいのは、『スペース・ボール』や『大帝の剣』でもあったお約束かf^^;。
 

ブルーレイは、字幕と吹替え両方いけます。しかし、特典映像は「一部字幕なし」。コメンタリーで字幕なしは辛すぎる。なんとかなりませんか?

posted by みっち | 09:03 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
関ヶ原

わが家のエントっ子が観たがるので行ってきました。ちょっとこれは評価が難しい映画です。描いている対象は、日本人ならだれでも知っている?関が原の合戦(1600年)。司馬遼太郎の小説が原作で、たぶん読んでいません。読んだとしても忘れているので、まっさらな状態で観ました。以下、ネタバレです。


まずは気になる点から。タイトルは『関ヶ原』ですが、物語は石田三成が秀吉に登用され、豊臣秀次の切腹やその係累の処刑、三成が島左近を登用する話など、秀吉の死までいろいろな場面が描かれます。ここまでは一応三成が中心。しかし、一方で伊賀の忍びたちの集まりや、島左近と柳生石舟斎の対話、徳川家康と本多正信の謀議など、三成の視点では無理な場面もあります。ポイントポイントでは重要人物ごとに描くのもありとは思いますが、冒頭で現代のシーンからナレーションで原作小説の司馬遼太郎の言葉をそのまま読み上げたりするのがどうもおかしい。ナレーションが中途半端にあったりなかったりするのは、視点がぶれていることの現れです。かといって現代からの視点で俯瞰的に描くのでもなく、上杉征伐や小山評定、上田城攻めなど、東軍の描写はほとんどありません。また、三成はこれらの情報を知らなかったようになっています。西軍でも、拠点目標であったはずの伏見城や岐阜城などの状況が抜けており、中心人物であるはずの宇喜多秀家や小西行長でさえ全然といっていいほど描かれません。大谷吉継は登場回数が比較的多いのですが、もともと徳川に近かった彼がなぜ三成に荷担したかを描くシーンはありません。
 

合戦描写についても、すでに挙げましたが有力武将なのにほとんど名前だけという存在が多く、藤堂高虎あたりは名前すらなかったかも。笹尾山や桃配山などの地名は出ても、位置関係が分かるような説明はなく、布陣がどうなっていてどう推移したかも不明。いろいろと不親切です。通説では、小早川が寝返るまでは西軍がむしろ押し気味だったとされますが、ここでは石田隊は終始苦戦している印象。井伊直政と福島正則の先陣争いもこの描き方では全然伝わってきません。島津の撤退戦もなし。この戦いを正面切って描くのじゃなかったのかと残念です。そのためにも、秀吉の死後から始めるのでよかったんじゃないかなあ。どうしても必要なら回想で。
 

つまり、映画として視点と焦点が定まっておらず、監督が描きたい場面、断片の連なりになっていて、関ヶ原の合戦を大きな流れの収束として描くことに失敗しています。あと、人物たちがみんな早口で、台詞がよく聞き取れないことが多い。これは黒澤映画や『シン・ゴジラ』の影響? 普段の会話ならともかく、戦闘中の伝令の報告がモゴモゴでさっぱりわからないのは手打ちものだろう、と(爆)。
 

以上、ダメ映画といっていいようなものですが、反面、監督こだわりの場面ごとでは見栄えのする画面ではあります。戦闘シーンはやや人数少なめな感じでしたが、映画ならではの迫力と臨場感がありました。訓練の様子や戦闘が始まる前の陣に漂う緊張なども見ごたえがありました。
 

役者もよくがんばっていて、とくに滝藤秀吉は魅力的でした。上でカットすべしといってますが(爆)。もったいないので、別に滝藤「太閤記」作りませんか? 見たいなあ。主演の岡田准一は熱演でした。ただ、熱を込めれば込めるほど三成から離れていくようなところがあるんじゃないでしょうか。そこがどうだったか。平岳大の島左近はかっこよかった。彼の最期はわかっていないので、殺さなくてもって感じでしたね。みっちが監督なら、左近に語り手をさせたい。大谷吉継の大場泰正は知らない人ですが好演。小早川秀秋の描き方は、原作と離れているんじゃないかと思うのですが、これはこれでよかった。東出昌大を起用した意味があったと思います。役所広司の家康は、柴田勝家に見えてしまうのが難点。眉毛がうざかった(爆)。あと福島正則(音尾琢真)。「この、大馬鹿もんがあ!!」と怒鳴りつけたくなるような名演技でした。
 

また、伊賀の忍びたちを描いたことで、面白みが増しています。有村架純もかわいかったしf^^;。アクションもいい出来栄えでした。ただし、三成との恋愛はやはりやりすぎ。直接語らずとも分かり合っているぐらいで抑えてほしかった。映画には登場しない正妻を無視して戦いが終わったら二人で旅に出たいなどとほざく三成を「義の人」といっていいものでしょうか? ついでにいうと、初芽がなぜ三成の本陣でなく島津の陣に近づいたかも説明不足で首を傾げました。
 

ちなみに、エントっ子は大変面白かったそうなので、観る人や求めるものによって評価が大きく分かれる映画なのでしょう。

posted by みっち | 21:35 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
ワールズ・エンド

『ワールズ・エンド』は2013年のイギリス映画で、エドガー・ライト監督、サイモン・ペグ主演、ニック・フロスト共演による「3つの味のコルネット」三部作の3作目。今回のコルネットはミント味にチョコチップだったみたいですが、見せるのは包み紙の一部だけで、アイスを食べるシーンはありません。なお、各作品のストーリーに直接の関連はありません。


「酔っぱらいが世界を救う!」とかいう邦題を考えついた日本の供給会社には、前作同様苦言を呈したい。これも誤解されそうだから。酔っぱらいには違いないんだけど、『ハングオーバー』的なストーリーをイメージされると、なんだこれって逆効果になりませんか? それに世界を救うというのも違うんじゃないの? 以下、ズバリは書いていませんが、ちょいちょいネタバレ気味。
 

始まりに、主人公ゲイリーのひとり語りがありますが、ここが重要なので、これから観る人はぜひ集中してください。ティーンエージャーだったころの5人組が描かれており、このとき果たせなかった12軒のパブ巡りを、20年以上経って中年になった彼らがもう一度やろうとする。状況は以前とはいろいろと違っているにもかかわらず、展開そのものは前回をなぞるように進む、という作りになっています。つまり、前2作のように、前半の伏線を後半に回収していくスタイルの応用です。といっても、回想シーンはカット割りが早くて時間も短いので、後でもう一度見直してようやくそうだったのか、というようなところがけっこうありました。


「ワールズ・エンド」とは12軒目のパブの名前で、ハシゴの最終目標ですが、同時にもう2つの意味が重なっています。ひとつは、故郷ニュートン・ヘヴンでは一見平凡な生活風景の裏で由々しき事態が進行しており、それが12軒目でクライマックスに達します。各パブの名称は暗示的にストーリーに絡んでおり、看板のデザインもよく考えられています。もうひとつは、ゲイリーにとって文字通りの「世界の終わり」で、彼はかつてのパブ巡り以来時間が止まっていて、これを完遂して人生を終わらせようと思っているということが、見ているうちにだんだんわかってきます。それで、ゲイリーはなんとしてでも12軒回ろうとします。あとのメンバー4人はゲイリーに巻き込まれてしまっただけですが、20年ぶりに集まったというだけでもいい奴らであることは確定です。
 

サイモン・ペグは『ショーン・オブ・ザ・デッド』ではうだつが上がらない感じの青年、『ホット・ファズ』では有能すぎる警察官、今回はアル中で過去にしか自分の居場所のない元グループリーダーと、役柄の広さに感心させられます。ゲイリーは身勝手な行動で周囲を振り回しつつも、悲哀をにじませます。三作共演のニック・フロストも素晴らしい。今回のアンディ役は「元相棒」で、ゲーリーとは疎遠になっていたのですが、ハシゴが進むに連れてその理由や葛藤が明らかになっていきます。その末のアンディの行動は感動的。このほか、リーダーになれない二番手スティーヴンをパティ・コンシダイン、気取り屋で額に痣があるため「オーメン」と呼ばれるオリヴァーをマーティン・フリーマン、社長の息子でいじめられっ子だったピーターをエディ・マーサンがそれぞれ演じていて、味わい深い。今回ぐっと役柄の重みが増しているマーティン、とくに後半は怪演というべきかf^^;。この5人に加えて、オリヴァーの妹サム役にロザムンド・パイク、恩師シェパード先生に元007のピアース・ブロスナン、バジル役にデビッド・ブラッドリーが出ていて、みんな魅力的。三作とも出演のビル・ナイは今回声だけで、吹替版だと出番なしに(爆)。
 

三作中では笑いの要素は一番少ないように感じますが、単純にパロディっぽかったりおバカなシーンがあまりないためで、イギリス風のユーモアやジョークはあちこちにちりばめられています。英語がよくわかるともっと笑えるでしょう。スプラッタ的要素は相変わらずですが、今回相手がブランク(「空っぽ」)なもので、なにをやっても許される感じf^^;。元ネタとしては『SF/ボディスナッチャー』あたりが思い浮かびますが、結末も含めていろいろ違います。見終わって、果たしてどっちが良かったんだろ?とか考えさせられる点もシリーズ共通。いろいろ作り込まれていて、見返したくなってしまう点では随一かも。2回目の方がよくわかり、終わりごろには切なくなります。また、例の柵もやっぱり出てきたし、三部作の完結編がパブ巡りとは、結局パブが世界の中心だったということ? ぜひともパブでビールを飲みながら話し合わねば(爆)。
 

ブルーレイは字幕と吹替えと両方が鑑賞でき、特典映像にも日本語字幕が付いており、フルに楽しめます。この点、1作目、2作目と扱いが異なっているのは謎ですが、今回は文句なしでした。

posted by みっち | 00:12 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
ホット・ファズ

『ホット・ファズ』は2007年のイギリス映画で、エドガー・ライト監督、サイモン・ペグ主演、ニック・フロスト共演による「3つの味のコルネット」三部作の2作目。物語に直接のつながりはありません。今回のコルネットはチョコ味みたいですね。


「俺たちスーパーポリスメン!」とかいう邦題を考えついた日本の供給会社にはとりあえず苦言を呈したい。なんかいろいろ誤解しそうだから。みっちは「ポリスアカデミー」を連想してしまいました。同じ警察もののコメディーでも、あっちはお気楽お下劣系、こっちはハードボイルドタッチで衝撃的な犯罪ものという側面を持っており、テイストがかなり異なります。やりすぎに腹を抱えながらも、ちょっと考えさせられるのは前作同様。以下、ネタばれあり。
 

今回のサイモン・ペグは、堅物な警察官ニコラス・エンジェル。ニコラスは警察官の鏡のような男で、ロンドン首都警察で目覚ましい成績を挙げるのですが、おかげで周りがみんな無能に見えるという理由で、理不尽にも片田舎の町サンドフォードに飛ばされます。ところが、事件とは無縁に見えた赴任先で次々に死亡事故が発生、不審に思ったニコラスは……という展開。よくあるっちゃあありそうな導入ですが、検挙率400%とか、絶対なさそうな話の盛り方で笑わせます。サンドフォードでは白鳥を追い回したり、隣の柵まで刈り込んだ農夫に注意したり、当初は平和そのものだったんですが、やがて目の前で惨劇が繰り広げられることに。これらのシーンは、のんびり観ていると椅子から飛び上がりそうになるくらい過激。スプラッタ系入ってますので、弱い人はご注意を。
 

前半の伏線を後半に回収していくという構成は、前作『ショーン・オブ・ザ・デッド』と似ており、今回は前半がサスペンス、後半がアクション中心と、見せ方もよりくっきりしています。とくに後半は、それまで耐えてきたニコラスの憂さを晴らすような痛快アクションのてんこ盛りで素晴らしい。その折り返し点として象徴的な場面がニコラスの騎乗姿なのですが、なにか元ネタがあるんだろうけど、まさか『戦国BASARA』じゃないよね(爆)。パブやスーパーでの銃撃戦も楽しいですが、最大の見せ場は街のミニチュアセットの中で怪獣バトルのような格闘。好きだぞ! で、ニコラスの相手が元007のティモシー・ダルトン。彼がまた楽しそうに演じていて、かつめちゃくちゃ痛そう。しかも痛そうな格好のまま放置(爆)。白鳥や機雷ももちろん、期待通りやってくれます。なお、『ショーン・オブ・ザ・デッド』で「世界の中心」と言われていたパブはここでも変わらないようで、柵がたくさんある庭のシーンもやっぱり登場します。
 

ちょっと考えさせられると書いたのは、今回の犯罪動機が、ニコラスが調べて推理したような利権がらみでもなんでもなく、あまりにも単純だったことです。シェークスピアを貶めたとか、綴りや年齢を間違えたとか、土地から勝手に出ていくとか、そんな他愛もないことが理由で、それが日ごろは町の名士として振る舞っていた紳士淑女のみなさんの裏の顔だったというのがショッキング。ここには、罪や正義ってなんだろう?的な根本的問いかけがもしかしたらあるのかもしれません。でも、みっちもそれ以上は考えていません(爆)。
 

サイモン・ペグは硬派な警察官をきっちり演じています。走りっぷりまで行儀が良いところがクソ真面目。相方のニック・フロストは『ショーン・オブ・ザ・デッド』と同じような役柄で、ゲームの代わりに今回は映像マニア。マーティン・フリーマンは首都警察の上司役で、前より少し出番が増えました。ビル・ナイもマーティンと並んで登場。もうひとり上司がいるんですが、クレジットがなく、どこかで見た顔だと思って調べたらスティーヴ・クーガンでした。『トロピック・サンダー』で、その辺に散らばっちゃった監督じゃありませんか(爆)。ほかにもピーター・ジャクソンやケイト・ブランシェットというLotR組がカメオ出演していますが、最初は全然わかりませんでした。二人とも初めの方で、ニコラスを襲うサンタがPJ、ニコラスと別れる彼女がケイトでした。PJはもちろん扮装だし、ケイトも女医で最後までマスクを取りません。
 

今回のブルーレイは字幕以外に吹替えでも鑑賞できます。その上、コメンタリーやNG集などの特典映像付き。しかし、特典映像には日本語字幕がありません。ケース裏にそう断り書きしてあるのですが、この種の洋物コメディーで日本語解説は必須でしょうに。パラパラマンガだけは字幕の必要なしでしたf^^;。

posted by みっち | 00:30 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

荒木飛呂彦の人気マンガ「ジョジョ」シリーズ第4部の実写劇場版。わが家のエントっ子は当初『トランスフォーマー/最後の騎士王』を観たがっていたのですが、前田有一の「超映画批評」で今週のダメダメになっているのを見て気が変わったらしく、こちらにf^^;。みっちとしてもトランスフォーマーは食傷しており、『パイレーツ・オブ・カリビアン』以上に期待できない感じだったため、渡りに船という状況でした。


結論としては、実写版としてはよくがんばっていました。ジョジョファンとしてはけっこう評価できる仕上がりだったと思います。ただ、物語の途中までであり、単体の映画として面白いかといわれると、そこは苦しい。現状では原作ファンがネタとして楽しめる以上のものにはなっていないかな。以下、ネタばれ。
 

キャラクタ造形は、仗助の髪型や承太郎の帽子など、なにもそこまでやらなくてもというくらいマンガに似せてあります。主演の山崎賢人は思ったより良かった。伊勢谷友介の承太郎と岡田将生の虹村形兆もまあまあ。伊勢谷は吉良吉影とか岸辺露伴とかが似合いそうなので、あとに取っておいても良さそうですが、ここではアンジェロ役の山田孝之と二人で作品に重みを付ける意味での起用か。承太郎の頭部はマンガでも変なので、実写版では例えばボルサリーノの帽子とか、アレンジしてよかったと思いますけど、後ろの髪を帽子に貼り付けてあくまで原作風に処理していました。とくに好演だったのは新田真剣佑の億泰で、ヤンキー役がハマっていました。山岸由花子の小松菜奈も雰囲気は出ていました。活躍シーンがないのがもったいないくらい。神木隆之介の高校生はさすがにちょっと苦しい。
 

スタンドの描写でそれほど感心するものはなかったけど、ひどいものもなかった。中では形兆の「バッド・カンパニー」がよく再現されており、ラストバトルにふさわしい盛り上がりになっていました。スペインロケは、荒木ワールドのテイストを出すためかと思いますが、そこそこマッチしていました。音楽はときに邪魔に感じる場面がありました。スタンドの名前はミュージシャンから取られたものが多いので、そのあたりでリンクさせるとかしてくれたらもっと楽しめたと思うんですが、版権上難しかった?
 

ストーリーは原作にかなり忠実です。尺の問題もあるため、省略されたキャラやエピソードは当然ありますが、そこは概ね許容範囲。最大の改変はラストで、虹村形兆を倒すのはレッド・ホット・チリ・ペッパーではなく、「第二の爆弾」シアハートアタックです。ここで吉良のスタンドを出すのは、どうなんでしょうね。続編を観ないとなんともいえませんが、シアハートアタックは狙った標的を仕留めるまで追い続けるという性質があるため、吉良が形兆を狙う必然性を作らないといけなくなるわけで、破綻なく脚本をまとめるのは難しそう。次ができるといいですが、心配なのは観客動員数。みっちたちが観たときは、劇場に3人(つまり。エントっ子とみっち以外は一人だけ)しか客がいなかったんで(爆)。

posted by みっち | 22:46 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
ショーン・オブ・ザ・デッド

夏休みにピッタリ?のゾンビものコメディ。2004年のイギリス映画ですが、日本では未公開で、ブルーレイを購入して鑑賞。イギリスのコメディということで、ドタバタ大爆笑というよりジワジワくるタイプ。ギャグだけでなく、ゾンビもジワジワ(爆)。なお、元ネタとなったロメロ監督作品『ゾンビ(原題:Dawn of the Dead)』は観ていません。ストーリーは近いらしい。


サイモン・ペグは、『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』で、主演のトム・クルーズの体を張った演技よりも「階段階段階段!!」と絶叫するベンジーの方が印象に残っているかも(爆)。そのペグが主演を張ったシリーズがあり、『SHERLOCK』や『ホビット』のマーティン・フリーマンも出ているらしい、との情報からたどり着いたのが、これでした。以下、ネタバレしています。
 

随所にクスッとなるところがありますが、前半は緩やかな展開で、この程度なのか?とイラつかされる感じも。しかし、どうやらそれは計算されたものらしく、小ネタは全部伏線というか、街にゾンビが溢れ出してから、もう一度やるんですよねf^^;。サッカー小僧は死んでゾンビになってもショーンにボールをぶつけるし、フィリップは音楽を止めるし、エドもゲームしてるし。なにより、主人公のショーンからして、「世界の中心」(爆)のパブ「ウィンチェスター」に行くために、うようよいるゾンビたちの真っ只中にわざわざ突入するという、ね。状況がいくら変わっても人物?たちが同じことを繰り返すというのは、もしかするとこの映画の大事なメッセージだったりして。
 

ゾンビものだけに、スプラッタ的な表現はあります。みっちはこの手の映像が苦手で、子供のころ鍼麻酔の手術シーンで脳貧血を起こし、長じては原爆のノンフィクション映像を見て失神してしまったくらい(ーー;)。この映画の場合は、ギャグやパロディとして見ることができる分耐えられるし、途中まではそれほど強烈なものもなかったのですが、終わり近くのデービッドがとんでもない。彼、謝ったのにこれはひどい。一緒に観ていたエントっ子にいわせると、このシーンで『トロピック・サンダー』を超えたらしい。やりすぎて笑ってしまう点ではいい勝負かと。
 

下ネタは間接的ですが、けっこうどぎついので面白いからといって小学生などと一緒に観るのは、「いまのはどういう意味?」とか聞かれて困るかもしれません。ちなみにマーティン・フリーマンはショーン一行とすれ違うワンシーンのみの出演でした。セリフも一言だけ。この映画を観ていて、『ホビット』の撮影中、彼がいろんなところで中指を突き立てて写真に収まっていた理由がなんとなくわかった(爆)。あと、このブルーレイは字幕だけで、吹替えがなかったのが残念。一粒で二度おいしいのが洋画ディスクの楽しみ方だと思うのですが。
 

『ショーン・オブ・ザ・デッド』は、エドガー・ライト監督、サイモン・ペグ主演による「3つの味のコルネット」三部作の第1作ということで、引き続き『ホット・ファズ』、『ワールズ・エンド』も購入する予定。コルネットとはアイスクリームの名称らしく、劇中、エドに頼まれたショーンがアイスを買いに外出し、目的の店も含めて状況が一変しているにもかかわらず、全然気づかず無事にビールとアイスを調達して戻ってくるシーンがありましたが、あれか。

posted by みっち | 22:08 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
銀魂 実写版

マンガやアニメの実写版はコケるというのが通例だと思いますが、そのわりにはやたらに実写化されている気がする。しかし、『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田雄一が監督ということで、銀魂は楽しみにしていました。見事期待に応える出来です。あっぱれ!! 以下、ネタバレあり。

 

まずは、よくぞ集めたといえる豪華キャスティングに拍手。実写版て、出演者のだれか必ず「コイツは違う」というのがいるもので、それはいろんなオトナの事情があってのことだったりするんですが、ここでは全員が違和感なくハマっています。小栗旬は、あの『ルパン3世』もあっただけに不安がよぎりましたが、しっかり銀さんでした。菅田将暉の新八にはとくにびっくりさせられました。テレビなどで見せるオーラがみじんもなく、メガネ以外のなにものでもない感じに(爆)。橋本環奈の神楽も楽しめました。鼻ホジや◯ロ吐きなど、並のアイドルではなかなかできるものではありません。

 

ストーリーは劇場版アニメにもなった「紅桜篇」がメインですが、「カブト狩り」のエピソードを冒頭に加えることで、真選組の面々を絡ませることに成功しています。近藤(中村勘九郎)、土方(柳楽優弥)、沖田(吉沢悠)の3人が素晴らしい! とくに近藤はいきなりフンドシ一丁のキラキラ蜂蜜モードで登場し、全裸にモザイクといういつもの姿(?)まで文字通り全開で突っ走ります。よくやった(爆)。桂(岡田将生)とエリザベスのコンビも実写版だと異様さが際立って、並んで歩くだけで「絵」になる。今回ズラはボケませんが、このころはまだそれほどでもなかったんですよね。

 

原作の笑わせどころをかなり忠実に追っていますが、それだけでなく、実写版オリジナルのギャグシーンはさらにインパクトがあります。長澤まさみのお妙は、銀さんの枕元でドラゴンボールを朗読してテヘペロ(爆)。源外との絡みではシ◯アと専用ザ◯、ナ◯◯◯と◯◯ヴェまでが現れて、いいのか、大丈夫なのか、これ。しかし「絶妙」なチープさで許されるんだろうな、きっと。反面、宇宙海賊「春雨」の部分は大幅にカット。後半のスペクタクルはアニメほどには盛り上がりません。もしかすると、ギャラに予算の大部分を取られて演出や特殊効果まで回らなかった可能性もありますが、ハリボテ風の小道具はヨシヒコでもおなじみなので、半ばは意図的でしょう。

 

どうでもいいようなところですが、ツッコミしたくなったのは、高杉(堂本剛)が倒れたシーンで、右足が内股でオネエっぽくなってしまったところ。膝を立てると奥まで見えるから? それならアングル変えたほうがよかったんじゃ? ここ、けっこう引っ張った挙句、銀さんも隣に倒れてきて、こっちは男らしいのでよけいに目についてしまいました。あと、CG定春の頭部と身体のバランスがおかしい。身体を大きくするといろいろ支障が出るのはわかりますが、もふもふ感はかなり減少。武市(佐藤二朗)の「フェミニスト」のフェにアクセントがあったのは、アニメ観ていない証拠でしょうね。別にいいですけどf^^;。武市のアドリブにまた子(菜々緒)が吹いているシーンがあります。このまた子がまた、ホントにまた子(あれ?なんかヘン)。

 

とても面白かったのですが、後ろの席にひとりでしゃべっている客がいて、後に行くほどひどくなり、エンドロールを読んだりし始めて、一緒に観ていたうちにエントっ子はブチ切れていました。客のマナーだけが残念。

posted by みっち | 21:48 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |