「こんにちは。Piano2を鳴らすCDレシーバーを探していますが、Aura Note一択ですか?」。「はいそうです。現存する希少なるステレオコンポーネントです。コンパクトに、スタイリッシュにというイメージならオーラで決まりです。でも、Pianoに繋ぐというなら、ぜひ真空管で鳴らしてやりたい。実はつい先日、Luxmanの掘り出し物が入荷し、棚に久しぶりに名品が並んだものだから、ついそう思ってしまいました」。というメッセージをショップと交わしたのが3月の初め。もともと不況のオーディオ業界、コロナ禍で追い打ちがかかった格好で、お店もずっと閉まっていて、直接会って相談することができませんでした。
わが家のサブシステムは、スピーカーをレシーバーで駆動するという簡素なものです。
・CDレシーバー:Kenwood R-K711
・スピーカー:Audio Begin 《Piano 2》
Piano2は、オーディオ・ビギンのオリジナルで、フルレンジ一発の小型スピーカー。いつかこれを高級レシーバーで鳴らしてみたい、というのが以前からの計画で、オーラ・ノートはみっちの「欲しい物リスト」に挙がっていました。そろそろ機は熟したと見て連絡をとったところ、ビギンの小山さんから管球アンプの提案があったわけです。これは頭になかったなあ。だけど、フルレンジ+管球アンプ=ヤバい、よさげ(爆)。
とりあえず試聴させてもらいに行きました。管球アンプは、ラックスのLX-360とSQ-38 Signatureの2機がありました。小山さんのおすすめは、LX-360。とはいえ、LX-360はいまからおよそ35年前、SQ-38 Signatureも25年前という古いモデルです。トランジスタアンプならとっくに修理不能でしょう。管球アンプは、メーカーの対応がなくても修理できる。これがまずメリットです。
お店を開けてもらったはいいけど、CDプレーヤーがなく、置いてあったブダペスト弦楽四重奏団のレコードを試聴しました。まずはLX-360。クリアでキレのある響き。音に力があるというか、主張がくっきりはっきりしている。次にSQ-38 Signature。こちらは比較的穏やかで陰影のある、みっちがイメージする「管球っぽい音」。と感想をいうと、本当に管球っぽいのはLX-360なんだそうでf^^;。えー? じゃあSQ-38のトーンはなんなの? よくわかりませんが、ブダペストSQの録音は美音というわけではないし、このあたりの判断は専門家に従うのが賢明かと。
かたやAura Noteも当たってもらったところ、なんとノートは生産終了になるとのこと。オーラよおまえもか。まだ手に入るそうですが、おそらく故障したら終わり。この不安要素は大きい。ただ、ラックスのアンプはいずれもでかい重い。コンパクトなレシーバーでないと、いま使っているイケアのラックに収まりません。すると小山さんから、ノートの予算でアンプ、CDプレーヤー、ラック、スピーカースタンドが全部そろうとさらなる提案が。はい、降参(爆)。もう抵抗できません。というわけで、アンプはLX-360、CDプレーヤーはDENONのエントリーモデル、ラックとスタンドはハミレックスのカタログからサイズの合うものということで、候補が決定。しかし、これで話は終わりませんでした。
まず、ハミレックスのカタログのラックはほとんどが生産終了になっており、現状スピーカースタンドとテレビ台ぐらいしか作っていないみたい。「生産終了」の文字がやたら目につくきょうこのごろ。どのメーカーも同じような状況らしい。みっちがメインシステムに使っているADK(朝日木材加工)にはまだ複数のシリーズがありましたが、ここはモノもいいけど高い(ーー;)。それでもADKならデザインも文句ないので、よほどこれでいこうかと思ったくらい。しかし小山さんの第2案で、ホームセンターで「ルミナス」というパイプラックのパーツを買って、自分で組み立てることに。出費は約2万5千円と、ADKの1/4の値段ですみました。見た目も悪くなく、リビングに置いても全然オッケーです。
ラックは用意できましたが、今度はCDプレーヤーが来ない。結局納入に1ヶ月かかりました。エントリーモデルなのに受注生産の高級機のような……。どうやら業界の不況だけでなく、コロナの影響で部品供給が滞っていることが原因だったようです。生産終了でなくてよかったよ。そんなこんなで、先日ようやく納品となりました。以下が新しくなったサブシステムの構成です。
・CDプレーヤー:DENON DCD-600NE
・プリメインアンプ:LUXMAN LX-360(管球式)
・スピーカー:Audio Begin 《Piano 2》
最初に、イブラギモヴァのヴァイオリンでイザイ「悲劇的詩曲」を聴きました。うひょー。試聴でもくっきりはっきりというのは感じていましたが、あらゆるところでピントがぴったり、ジャストフォーカス。ピアノも含めて音色やタッチなど変幻自在な表情変化が実に鮮明で、これぞヴァイオリン、まさにピアノ! スピーカーは同じですから、鳴りはもともとよかったんですが、ついに本領発揮? 一皮も二皮も剥けています。粒立ちと音像の定位にはスピーカースタンドも一役買っているでしょう。室内楽や声楽に関しては、もはや無敵といっていいのでは。小山さんによれば、この組み合わせならジャスやポップスなどジャンルも選ばないそうです。ただしフルオーケストラのような大編成はちょっと苦しい。詰まった感じになってスケールが出ません。まあそれはメインシステムにお任せあれ。へへ、これでリビングでお茶しながらでもハイクオリティな音で流せるし、メインとサブで持ち味の違いを楽しむこともできますぜ、旦那(爆)。
ちょっと気になるのは、電源を入れて半日も経つと、アンプの熱が上にたまって、CDプレーヤーまでアンプ並かそれ以上に発熱すること。CDをトレイから出し入れしようとして、熱気が手にきて驚きました。CDも相当温もっています。管球アンプが熱くなるとは聞いていたけど、ここまでとは思いませんでした。大丈夫かな。