きのうは北九響の練習日。弦セクションのみの参加で、ゲストトレーナーとしてマロこと篠崎史紀さんをお迎えしました。以下、マロと呼ばせていただきますf^^;。世界的ヴァイオリニストが地方のアマオケを指導するということで、NHK北九州支局が密着取材しており、スタッフが最後までカメラを回していました。4月3日のローカル番組に乗るようです。
マロの第一声が「ただいま!」。お帰りー(拍手)。マロは学生時代にこのオケのコンマスだったんですよ。今回はトレーニングといっても、難しいところを弾けるようにするというようなことではなく、うまいオケのように聞こえる、ランクが上がったように見える奥義の伝授ということで(爆)、それはイ◯◯◯ではないのかという疑問もありましょうが、決してそのようなことはございません。感動できれば、それがホンモノです。というわけで、略してマロテク。曲は、4月の定期演奏会で予定しているシベリウスの交響曲第2番を冒頭から全曲さらっていく形になりました。最後にちょっとだけグリーグのピアノ協奏曲第2楽章も。
まずは第1楽章最初のさざ波のような音型。ここで各奏者の弓の幅をそろえるとうまく見える。なるほど。途中でmp→pへのダイナミクス変化がありますが、ここで音量を1ランクでなくもっと下げることで、うまいオケに感じるという。これはそう見えるというか、実際にうまいオケはそうやって対比を意識しているということなんでしょうね。こんな感じで、覚えている限りで以下のような内容でした。
・弦のユニゾンではパートの音の高さで低い方ほど大きくする。親ガメの上に子ガメ、その上に孫ガメという感じで乗っかることで、倍音が豊かになって響きが増す。指揮者がユニゾンでもっと大きくと要求したときは、力任せでなくこのバランスを意識すること。
・クレッシェンドでは、低音が早く音量アップし、高音はその後から盛り上げて低音を追い越すイメージで。
・第1楽章の終わりは、弾き終わっても弓をすぐには上げない。また、弓のどの位置で終わるかをあらかじめ決めて、もっと前からそこをめざして運弓する。
・ピッツィカートは、指で弾くというより弦に置いて切るイメージ。速い連続では難しいが、親指の支えがあれば安定する。アルコに切り替えるときに弓を手の中に落とす要領で素早く持ち直す練習をしておくと、応用が効く。
・アッチェレランドやストリンジェンドは、最後の到達点から逆算して速度変化を設定し、加速のタイミングは指揮に応じて合わせる。
・ポコ・フォルテは、強弱というよりリラックスという意味。これはブラームスが盛んに使った指示で、彼の影響を受けたフックスやドホナーニ、その弟子に当たるツェムリンスキーやシベリウスにも共通する。
・スケルツォのような速い進行では、音を全部弾こうとすると自分が弾けるテンポに寄ってしまい、そろわなくなる。それよりもカウントが大事。箇所によっては効果音と割り切って端折るのもあり。
・ヴィブラートはもともと効果音。やるなら全員がそろっていないと効果が薄い。揺らす幅もそろえよう。ノンヴィブラートも一つの選択。
・パートの6割以上が同じ運指なら、全体がそろって聞こえる。移弦や開放弦を使うかどうかは、両方の考え方があるので、トップが決めよう。
終わるころには、実際北九響のランクがかなり上がったように聞こえてきましたf^^;。ありがとうございました! 食事会では、マロの北九響での称号が決まったそうです。「ウルトラOB団員」。ジェダイ・マスターも入れようよ。「ウルトラ・ジェダイ・マスターOB団員」でどう?