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東芝グランドコンサート2017

・ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番 ハ長調 作品72b
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37
・R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 作品30

 

ピアノ独奏:アリス=紗良・オット
クシシュトフ・ウルバンスキ指揮、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団

 

2017年3月14日(火)、アクロス福岡シンフォニーホール

 

平日でしたが妻と海外オケのコンサートに行ってきました。NDRエルプフィルとは聞き慣れない名前ですが、旧称ハンブルク北ドイツ放送響で近年改称したものらしい。ヴァントとの縁が深かったオケですね。指揮者のウルバンスキは、ウィキペディアによればポーランド出身で1982年生まれの34歳。アントニ・ヴィトに学んでいたということは、先頃亡くなったスクロヴァチェフスキの孫弟子ということか。ピアニストのアリス=紗良・オットはドイツ出身、日本人とのハーフで1988年生まれの28歳。二人とも若い。

 

というようなことは、後で確認してわかったことで、会場ではプログラムが有料だったため、ろくに予備知識もないまま聴くことになりました。仕事を抜けて移動していたこともあり、曲目もメイン以外は覚えてない状態でした。で、レオノーレ序曲が始まった瞬間、まごうことなきドイツの、ベートーヴェンの響きに一気に引き込まれました。弦のユニゾンに芯があり、ピアニッシモでのノンヴィブラートが実に美しい。打楽器や管楽器の和声は決して出しゃばらず、しかし十分に音楽の厚みとして伝わってきます。メロディーをそんなにがんばって弾くことはありませんが、存在感をしっかり際立たせているのは、アンサンブルの精度が高いからでしょう。この曲にこんな魅力があったとは、と思わせてくれる素晴らしい演奏でした。ウルバンスキの指揮姿は長い棒と左手の優雅な動きが特徴で、主部やコーダの白熱でも激しいそぶりを見せません。クレツキやスクロヴァチェフスキなど、個人的にポーランドの指揮者に相性がいいということもあるのかもしれませんが、気に入りましたf^^;。

 

弦はステージに向かって左からVn.1、Vc、Va、Vn.2という「対抗配置」。Cbは1stヴァイオリンの後ろでした。演奏中に何度か声が聞え、コンバスの端の奏者が客席を睨んでいるのでおかしいなと思っていたところ、序曲の終了後に1階GS席の男性がひとり係員に退席させられていました。招待券でももらってほろ酔い気分で気炎を上げていたものかと推測。

 

ピアノ協奏曲では、背中がほとんど空いた黒いドレスのオットが登場。2階席だったので表情まではわかりませんが、まるでモデルのような体型です。奥方の指摘では、靴を履いていなかったとか。ただし、演奏はいささか物足りなかった。ピアノがこもったような響きでよく鳴っていない。これはホールのせい? それともステージ配置の関係? 第1楽章が平板で、生彩あるオケの添え物のように感じました。アタッカで入った第2楽章ではやや持ち直し、思い入れを表出できていました。この楽章は、ベトベンが書いた曲の中でももっとも美しいものの一つですからね。しかしフィナーレはまた第1楽章とあまり変わらない印象。オケの聴かせどころは満載で、途中のフガートのところとか、堪能できたんですが……。アンコールで「エリーゼのために」を弾いてくれました。

 

『ツァラ』全曲を実演で聴くのはたぶん初めて。自宅のオーディオでも30年ぶり?というぐらい聴いてませんでした。冒頭の1分間だけはみっちも演奏した経験がありますf^^;。オルガンはステージ後方右寄りに奏者がいて、さらに後方左右のスピーカーから音が出ています。パイプオルガンではないので、風のような重低音にはなりませんが、音量的にはしっかり聞えました。有名な冒頭は、むしろ渋め。全曲ということもあるでしょうけど、ウルバンスキはもともと派手なことをやる人じゃないみたいです。ティンパニの連打も強弱はしっかり付けますが、豪快にぶったたくことはないし、金管も突出しません。ここからは、弦トップの室内楽から次第にプルトを増して全合奏に広がっていくのが視覚効果もあって見事。生で見ないとわからないこともあるなあと実感。途中にはコンバスの中だけのアンサンブルもあり、リヒャルトですから技巧的にも難しいはずですが、求心力を失うことなく、最後まで一気に聴かせました。面白くて眠くなるどころではなかった(爆)。

 

アンコールはワーグナー『ローエングリン』第3幕への前奏曲。華々しい曲ですが、ウルバンスキの指揮はここでも落ち着いたもので、例の金管のフレーズは煽ることなく整然としており、輝かしい弦との絡み方が有機的。中間のチェロも聴かせました。『ツァラ』でもチェロのトップがかっこよかった。ラストに「禁問の動機」が付いたアレンジもこの人らしい。みっちのとなりの男性がブラボー連呼していましたが、アンコールでやってるところ、わかってらっしゃる! これはすごいものを聴いた。ウルバンスキ、今後に注目です。

posted by みっち | 20:45 | 近況 | comments(2) | trackbacks(0) |
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コメント
いいプログラムだったようですね。

サラ・オットさんは、私も何年か前に地元のホールで聴きました。
前評判は高かったのですが、私は正直、あまり感心しませんでした。
技巧的にはとてもすばらしいようではありましたが、感動しなかったというか、気持ちがこもっていないような印象で、曲目も覚えていません。
儀礼的な拍手に答えて、小曲を一つおまけに弾きましたが、その後もいろいろなところで演奏しているので、ムラがあるのかなと思いました。
裸足で弾く習慣があるらしく、その点は面白いなとは思いましたが・・。

キカイで聴く音楽とは違って、生の演奏は、どんなに定評のある人でも、その時の状況によって、いつも同じではないところが、面白いのかも知れませんね。
以後、彼女の演奏は、クラシック音楽チャンネルでも、時々耳にしますが、まだ若いし、これからの人でもあるのでしょうね。
お邪魔しました。
2017/03/15 22:50 by Clara
ベートーヴェンはびっくりするくらい良かったです。リヒャルト・シュトラウスはあんまり好みじゃないのですが、メインに持ってくるだけの説得力のある演奏でした。

うーん、そうなんですよ、紗良・オット。見た目はとてもいいんですが、音楽がいまだ伴っていない感じでした。
2017/03/16 00:04 by みっち
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