・プロコフィエフ:古典交響曲(交響曲第1番)ニ長調 作品25
・リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47
ピアノ独奏:折居吉如
ヴァイオリン独奏:森山まひる
楠本隆一指揮、湧き上がる音楽祭祝祭管弦楽団
2017年8月5日(土)、北九州市立響ホール
「湧き上がる音楽祭」も今年で8年目。初日のコンチェルト演奏会に行ってきました。
1曲目はプロコの「古典」。この曲は演奏したことがありますが、難しく、とくにフィナーレは演奏至難だった記憶があります。響ホール合奏団を主体にしたオケはさすがにうまく、張りのある音で聴かせました。オープニングを飾るにふさわしい演奏だったと思います。弦は7、7、5、5、2という編成。
リストのピアノ協奏曲は、昔日本フィルの定期演奏会でカツァリスが弾いたのを聴いて以来。あのときはつまらん曲だとしか感じなかったのですが、このごろリストを面白く思えるようになっています。ピアノソロは、長身で細身。若いころのリストもこんな感じだったのではないかと思える赤い裏地の上着、赤いシャツで登場しました。ハンガリーに留学していたようで、リストは得意とするところ? 颯爽と弾きこなしていました。鮮やかな演奏で、アンコールのラ・カンパネラも妖しさ十分。まだ初々しく、舞台慣れしていない様子でしたが、すぐに婦女子を悩殺するようなソリストになってしまいそうな予感。
後半のシベリウスは、今年17歳になるというソリスト。水色のドレスで体は小さくまだあどけない印象ですが、演奏ぶりは実に堂に入ったものでした。技術といい歌わせ方といい集中力といい、もう立派な演奏家といっていい。シベリウスにしては音色がちょっと温かいかな、と思いましたが、音量豊かによく歌い込んだ結果のようで、お見事。感動的でした。アンコールはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番のラルゴで、これもまた素晴らしく、音色的にはこちらの方が合っていたくらい。北九州からは南紫音のような若手ヴァイオリニストが出ていますが、彼女もすぐ追いつきそう。
若き二人の演奏家の今後の活躍に期待します。演奏はよかったのですが、客席がガラガラだったのはもったいない。宣伝が足りなかった? 今年の「湧き上がる」には、あともう1回行く予定。