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関ヶ原

わが家のエントっ子が観たがるので行ってきました。ちょっとこれは評価が難しい映画です。描いている対象は、日本人ならだれでも知っている?関が原の合戦(1600年)。司馬遼太郎の小説が原作で、たぶん読んでいません。読んだとしても忘れているので、まっさらな状態で観ました。以下、ネタバレです。


まずは気になる点から。タイトルは『関ヶ原』ですが、物語は石田三成が秀吉に登用され、豊臣秀次の切腹やその係累の処刑、三成が島左近を登用する話など、秀吉の死までいろいろな場面が描かれます。ここまでは一応三成が中心。しかし、一方で伊賀の忍びたちの集まりや、島左近と柳生石舟斎の対話、徳川家康と本多正信の謀議など、三成の視点では無理な場面もあります。ポイントポイントでは重要人物ごとに描くのもありとは思いますが、冒頭で現代のシーンからナレーションで原作小説の司馬遼太郎の言葉をそのまま読み上げたりするのがどうもおかしい。ナレーションが中途半端にあったりなかったりするのは、視点がぶれていることの現れです。かといって現代からの視点で俯瞰的に描くのでもなく、上杉征伐や小山評定、上田城攻めなど、東軍の描写はほとんどありません。また、三成はこれらの情報を知らなかったようになっています。西軍でも、拠点目標であったはずの伏見城や岐阜城などの状況が抜けており、中心人物であるはずの宇喜多秀家や小西行長でさえ全然といっていいほど描かれません。大谷吉継は登場回数が比較的多いのですが、もともと徳川に近かった彼がなぜ三成に荷担したかを描くシーンはありません。
 

合戦描写についても、すでに挙げましたが有力武将なのにほとんど名前だけという存在が多く、藤堂高虎あたりは名前すらなかったかも。笹尾山や桃配山などの地名は出ても、位置関係が分かるような説明はなく、布陣がどうなっていてどう推移したかも不明。いろいろと不親切です。通説では、小早川が寝返るまでは西軍がむしろ押し気味だったとされますが、ここでは石田隊は終始苦戦している印象。井伊直政と福島正則の先陣争いもこの描き方では全然伝わってきません。島津の撤退戦もなし。この戦いを正面切って描くのじゃなかったのかと残念です。そのためにも、秀吉の死後から始めるのでよかったんじゃないかなあ。どうしても必要なら回想で。
 

つまり、映画として視点と焦点が定まっておらず、監督が描きたい場面、断片の連なりになっていて、関ヶ原の合戦を大きな流れの収束として描くことに失敗しています。あと、人物たちがみんな早口で、台詞がよく聞き取れないことが多い。これは黒澤映画や『シン・ゴジラ』の影響? 普段の会話ならともかく、戦闘中の伝令の報告がモゴモゴでさっぱりわからないのは手打ちものだろう、と(爆)。
 

以上、ダメ映画といっていいようなものですが、反面、監督こだわりの場面ごとでは見栄えのする画面ではあります。戦闘シーンはやや人数少なめな感じでしたが、映画ならではの迫力と臨場感がありました。訓練の様子や戦闘が始まる前の陣に漂う緊張なども見ごたえがありました。
 

役者もよくがんばっていて、とくに滝藤秀吉は魅力的でした。上でカットすべしといってますが(爆)。もったいないので、別に滝藤「太閤記」作りませんか? 見たいなあ。主演の岡田准一は熱演でした。ただ、熱を込めれば込めるほど三成から離れていくようなところがあるんじゃないでしょうか。そこがどうだったか。平岳大の島左近はかっこよかった。彼の最期はわかっていないので、殺さなくてもって感じでしたね。みっちが監督なら、左近に語り手をさせたい。大谷吉継の大場泰正は知らない人ですが好演。小早川秀秋の描き方は、原作と離れているんじゃないかと思うのですが、これはこれでよかった。東出昌大を起用した意味があったと思います。役所広司の家康は、柴田勝家に見えてしまうのが難点。眉毛がうざかった(爆)。あと福島正則(音尾琢真)。「この、大馬鹿もんがあ!!」と怒鳴りつけたくなるような名演技でした。
 

また、伊賀の忍びたちを描いたことで、面白みが増しています。有村架純もかわいかったしf^^;。アクションもいい出来栄えでした。ただし、三成との恋愛はやはりやりすぎ。直接語らずとも分かり合っているぐらいで抑えてほしかった。映画には登場しない正妻を無視して戦いが終わったら二人で旅に出たいなどとほざく三成を「義の人」といっていいものでしょうか? ついでにいうと、初芽がなぜ三成の本陣でなく島津の陣に近づいたかも説明不足で首を傾げました。
 

ちなみに、エントっ子は大変面白かったそうなので、観る人や求めるものによって評価が大きく分かれる映画なのでしょう。

posted by みっち | 21:35 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
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