カイルベルト/バイロイト祝祭管ほかによる『ジークフリート』55年ライヴ
2008.10.29 Wednesday
・ワーグナー:楽劇『ジークフリート』全曲
ヴォルフガング・ヴィントガッセン(ジークフリート)
アストリッド・ヴァルナイ(ブリュンヒルデ)
パウル・クーエン(ミーメ)
ハンス・ホッター(さすらい人)
グスタフ・ナイトリンガー(アルベリヒ)ほか
ヨーゼフ・カイルベルト指揮、バイロイト祝祭管弦楽団 1955年8月ライヴ
(Testament SMT4 1392 4CD 『ニーベルングの指環』全曲ボックスより)
マーラーの交響曲でも繰り返し聴くのは大変ですが、CD4枚組のオペラともなると、そうめったに聴く機会があるわけではありません。しかも「指環」四部作の場合、後に行くほど長くなるという罠f^^;。幸いというか、ウィキペディアの記事を書きながらこのCDを聴いて確かめるという作業の一貫があって、結果的に2度ほど通して聴きました。
本作から登場するジークフリートは、ヴィントガッセンが演じています。みっちはショルティ盤で彼の歌唱を聴いていますが、ここではさらに若々しくて、設定によく合っています。この曲ではジークフリートは文字通りの重労働で、最後まで元気いっぱいに歌ってもらう必要があるのですが、見事歌いきっています。
キャラクター・テノール役のミーメはクーエンで、それほど作った声ではなく、むしろかなりいい声なので、ジークフリートがミーメの動きをを揶揄して歌ったりすると、声だけではどっちがどっちかわからなくなることもありますf^^;。
ホッターのヴォータン、ナイトリンガーのアルベリヒは、極めつけの安定感。とくにヴォータン、この『ジークフリート』が最後の出番ということもあってか、すごいです。こんなの聴かされると、次にヴォータン歌う人がいなくなっちゃうんじゃないかと心配(爆)。ヴァルナイのブリュンヒルデも表情豊かでいうことなし。これだけの声を聴けるだけで十分報われる感じです。
カイルベルトの指揮は、例によって間延びせず緊迫感をたたえて前進します。この曲は速い進行(とくに第1幕)が特徴なので、特段不満はありませんが、「森のささやき」の場面などもっと繊細さや神秘さを打ち出して演奏できないかな、と思える箇所もあります。基本的に淡泊なのかな。第3幕に入ると音楽が深化しますが、さすがに明快・劇的でスケールも大きい。
このあたりにくると、ライヴということもあってとくにオケは乗ってきていて、響きが充実しています。これは録音スタッフも同様だったのではないでしょうか。世界最初期のステレオ録音ということで、音質的にどうなのかと思う方もおられるでしょうが、心配なし。比べて悪いですが、ベームやバレンボイムなど後発のバイロイト・ライヴより鮮度の高い生々しい音です。そもそも、録音は新しいほどよくなる、というのは迷信でしょう(爆)。
ヴォルフガング・ヴィントガッセン(ジークフリート)
アストリッド・ヴァルナイ(ブリュンヒルデ)
パウル・クーエン(ミーメ)
ハンス・ホッター(さすらい人)
グスタフ・ナイトリンガー(アルベリヒ)ほか
ヨーゼフ・カイルベルト指揮、バイロイト祝祭管弦楽団 1955年8月ライヴ
(Testament SMT4 1392 4CD 『ニーベルングの指環』全曲ボックスより)
マーラーの交響曲でも繰り返し聴くのは大変ですが、CD4枚組のオペラともなると、そうめったに聴く機会があるわけではありません。しかも「指環」四部作の場合、後に行くほど長くなるという罠f^^;。幸いというか、ウィキペディアの記事を書きながらこのCDを聴いて確かめるという作業の一貫があって、結果的に2度ほど通して聴きました。
本作から登場するジークフリートは、ヴィントガッセンが演じています。みっちはショルティ盤で彼の歌唱を聴いていますが、ここではさらに若々しくて、設定によく合っています。この曲ではジークフリートは文字通りの重労働で、最後まで元気いっぱいに歌ってもらう必要があるのですが、見事歌いきっています。
キャラクター・テノール役のミーメはクーエンで、それほど作った声ではなく、むしろかなりいい声なので、ジークフリートがミーメの動きをを揶揄して歌ったりすると、声だけではどっちがどっちかわからなくなることもありますf^^;。
ホッターのヴォータン、ナイトリンガーのアルベリヒは、極めつけの安定感。とくにヴォータン、この『ジークフリート』が最後の出番ということもあってか、すごいです。こんなの聴かされると、次にヴォータン歌う人がいなくなっちゃうんじゃないかと心配(爆)。ヴァルナイのブリュンヒルデも表情豊かでいうことなし。これだけの声を聴けるだけで十分報われる感じです。
カイルベルトの指揮は、例によって間延びせず緊迫感をたたえて前進します。この曲は速い進行(とくに第1幕)が特徴なので、特段不満はありませんが、「森のささやき」の場面などもっと繊細さや神秘さを打ち出して演奏できないかな、と思える箇所もあります。基本的に淡泊なのかな。第3幕に入ると音楽が深化しますが、さすがに明快・劇的でスケールも大きい。
このあたりにくると、ライヴということもあってとくにオケは乗ってきていて、響きが充実しています。これは録音スタッフも同様だったのではないでしょうか。世界最初期のステレオ録音ということで、音質的にどうなのかと思う方もおられるでしょうが、心配なし。比べて悪いですが、ベームやバレンボイムなど後発のバイロイト・ライヴより鮮度の高い生々しい音です。そもそも、録音は新しいほどよくなる、というのは迷信でしょう(爆)。