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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
ヒコックス追悼
ヒコックスのプーランク協奏曲・合唱曲集・プーランク:協奏曲集、合唱作品集

リチャード・ヒコックス指揮、シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア
ジャン・ベルナール・ポミエ(ピアノ)ほか
(Virgin Classics 5 62384 2 5CD)


『レコード芸術』2009年1月号を読んでいて、「レコード・アカデミー賞」の交響曲部門で、プレートルのマーラー5番が選ばれていたのに驚きました。へえー、評論家のみなさんも、わかるんじゃん(爆)。というのはさておき、もっと驚いたのが、イギリスの指揮者リチャード・ヒコックス急逝のニュースでした。

「海外盤試聴記」と並んで、「レコ芸」でみっちがもっとも楽しみにしている「欧米4カ国の音楽評論家による最新レポート」、イギリスのグレアム・ケイ氏が「リチャード・ヒコックスの偉業」と題した一文を読んで、それが追悼文なのを知って、びっくり仰天です。11月23日に心臓発作で世を去ったとのことです。ヒコックスは1948年生まれなので、まだ60歳。早すぎる!

ヒコックスの精力的な活動は、主としてイギリス音楽の分野に向けられたもので、メジャーレーベルでの録音がないこともあって日本では無名に近い存在でしょう。みっちがヒコックスを知ったのは、表記したプーランクのボックスに先立って、これに収められているピアノ協奏曲などが1枚物で出たときに購入したのがきっかけです。彼が本領としているらしいイギリス音楽についても、そのうちゆっくり聴いていこうと楽しみにしていたのでした。

そういうわけで今年最後のエントリは、ヒコックスを追悼して、プーランクのピアノ協奏曲、田園のコンセール、オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲などの協奏曲と、グローリア、スターバト・マーテル、悔悛のための4つのモテットなど合唱曲が収められたボックスです。手元にあるヒコックスの音源はこれしかありませんが、5枚組で3千円しませんから非常にお買い得のうえ、プーランクの代表的な作品がすばらしい演奏で聴けます。ここに聴かれるプーランクの歯切れのよいサウンドは、ヒコックスの実力の高さを示して余りあると思います。惜しい人を亡くしました。
posted by みっち | 13:08 | CD・DVD | comments(2) | trackbacks(0) |
エンドピンの交換
「vcyoyoの工房」(見附さんのサイト)で購入したチェロ用エンドピンを、購入したチェロ(名前はクーf^^;)で試してみました。使ったのは以下の3種類です。

・カーボン
もとからある鉄製と比較して、音色的には大きく変わりません。よりすっきり明快に鳴る感触があります。音色よりむしろ弓の感覚に違いがあり、G線C線でも軽く、無駄に力まずに弾けます。音色や響きについては自分で感じているものと、離れて聞いた場合とでは異なる場合がありますが、弾き味は自分だけのものですから、これはかなりポイントが高いと思いました。

・チタン入り真鍮

みっちの初代チェロ(名前はギル)で常用していたエンドピンです。このエンドピンは中高域の響きを増す効果があると思うのですが、クーの場合、本体でこの音域がよく伸びるせいか、かえって響きが丸まってしまうというか、カラッとした本体の響きが金属的ににじむような感じがします。離れて聴くと、また違うかもしれませんが、相性的にいまいちか。

・トリプル・ブリランテ(タングステン・チタン・真鍮)
中高域ではチタン入り真鍮と同じことがいえるのですが、こちらはタングステンで低音域を増幅する効果もあり、全体に重厚な音になります。クーは低音域が弱点というか、音量は出るものの、音色に深みが足りないため、これを補ってくれる点で魅力があります。いま弾いているバッハの無伴奏5番のプレリュードなどには向いています。ギルのときに感じた弾き難さもないようです。

以上から、当面カーボンを使っていくことにしました。フォーレの『夢のあとに』のようにA・D弦しか使わないような曲では、実にいい感じです。カーボンは、金属製と違って軽いということも大きな利点で、ケースを持ち歩くときなどに絶大な威力を発揮します。

こうなってくると、ますます気になるのがこの極太カーボン・エンドピン。いま窮乏生活なので、すぐには買えそうにないですが、試したい。
posted by みっち | 17:58 | cello | comments(0) | trackbacks(0) |
新しい楽器

新しいチェロが家に来ました!新しいチェロがわが家にやってきました。きのう、石田ヴァイオリン工房に引き取りに行きました。新しいといっても、古いんですが(爆)。いわゆるオールドというやつで、フランス製だそうです。

まずは、全体像の写真です。全体に茶褐色しています。引き取りにあたり、ニスを塗りなおしていただいたので、艶光りしています。あと、テールピースも交換していただきました。最初に付いていたのは黒いプラスチック製で、同じピカピカでも安っぽいんですよねf^^;。見た目、かなり品がよくなったと思います。

下部にけっこう大きな染みというか変色した箇所があるのがわかるでしょうか。これは、自分の楽器を見分けるときの目印f^^;。弦は、ADがヤーガー、GCがスピロコア・ヴォルフラムで、これは借りたときと同じです。

楽器に張られているラベル楽器に張られているラベルを撮ってみました。f孔からカメラで覗いたためにピントが合っていませんが、CAUSSIN F.H. 1874と書いてあります。クーサンと読むらしい。

クーサンはフランスで楽器職人の一家だったようで、F.H.というのは息子の略称かなにかでしょうか。石田さんの話では、ラベルは後からどうとでもなるので当てにならないとのことですf^^;。鑑定書があれば別ですが、それほど高価なものでもないし。ただし、年代的にはおそらくその辺りだそうです。約130年前の楽器。というわけで、こいつの名前はクーですね。うまいんだもーん(爆)。

 

渦巻き部分ネックの渦巻き部分です。ペグ穴の位置が修正されたあとがわかります。渦巻きの加工の精度については、みっちの目ではよくわかりません。ペグの色がローズウッド調なので、テールピースの色をこれと合わせたわけです。

左側板の傷左側板の出っ張り部分に亀裂が走っていて、補修したあとがあります。先生によると、古い楽器はここがよく割れているそうです。ぶつけやすいところなんでしょうか? 石田さんの話では、補修はかなり古く、しっかりついているので、ここがまた開くようなことはないだろうとのことです。

右側板のカーブこっちは右側面の下部。丸くカーブしているところですが、板の表面が波打っています。表面が波打っていても、表板と裏板とはぴったりくっついているのが不思議です。石田さんによると、古い楽器はだいたいこうなっているそうです。とすると、ここが真っ平らだと、新しいということ? 偽装オールドを見破るコツのひとつかもf^^;。

一枚板に見える裏板裏側です。虎杢はなし。ぱっと見、中央に継ぎ目がなく、一枚板のようです。一枚板はヴァイオリンでも珍しいそうなので、チェロであるのか?と思ってよーく見ると、下の方でわずかに継ぎ目が判明、2枚使ってありましたf^^;。一見継ぎ目がわからないぐらいに張り合わせてあるというのは、技術の高さを示すものかもしれない、と密かに悦に入るみっち(爆)。

下部の表板とテールピース表板の下部とテールピースです。

テールピースは柘植のようです。プラスチックは安っぽく見えますが、軽いという利点があって、木製のものと付け替えるだけで音がやや落ち着いた感じになるそうです。実は、テールガットに石田ヴァイオリン・オリジナルのタングステン製のものを試してみるといわれていたのですが、結果はウルフトーンが大きく、芳しくなかったため、テールピース付属のもの(黒いビニール被覆)になっています。これはちょっと残念。

一応、ウルフ対策として、ウルフキラー(金色のボタンみたいなの)をもらってC線に付けてみました。Fあたりで、がさついた感じになるのが抑えられるようです。

けさから弾いています。やっぱりよく鳴ります。前よりカラッとした感じなのは、テールピース交換のせいでしょうか、それとも季節的なものかも。もっと高くて音のいい楽器はいくらでもあるはずですが、みっちとしては、一生付き合うつもり。よろしく、クー。今後エンドピンを換えて効果を確かめたいし、楽器に慣れる目的も兼ねて、この冬休みは強化週間として練習時間を1時間にするつもりです。

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posted by みっち | 20:05 | cello | comments(0) | trackbacks(0) |
ドホナーニ/フィルハーモニア管によるブラ−ムスの交響曲第2番、第4番

初めて買ったドホナーニの音盤・ブラームス:交響曲第2番ニ長調 作品73
・ブラームス:交響曲第4番ホ短調 作品98

クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮、フィルハーモニア管弦楽団
2007年6月28日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライヴ(第2番)
2007年2月4日、クィーン・エリザベス・ホールでのライヴ(第4番)
(Signum Classics SIGCD132 2CD)


ドホナーニが首席指揮者をしているフィルハーモニア管とのライヴ録音が出たのを聴いてみました。このごろブラ4づいている感じもf^^;。

ドホナーニは、クリーブランド管の音楽監督だった1980〜90年代に、同コンビでの録音が日本でもけっこう発売されていたように思います。メジャーレーベルのレギュラー新録音を追っかけて聴かないみっちは、ドホナーニを名前しか知らないでいました。オケの技術や録音の優秀さは強調されるものの、ドホナーニの音楽は冷たいというのが国内での一般的評価だったように感じます。ただ、それだけで20年近くもメジャー・オーケストラの音楽監督をつづけられるものでしょうか。今回のフィルハーモニア管とは1997年から首席指揮者になっており、首席客演指揮者だった3年間を含めて、ここも10年を超えたつきあいになっています。

みっちがドホナーニを認識したのは、北ドイツ放送響(いまはNDR響?)とのベートーヴェン「英雄」の演奏会をFMで聴いたときです。4年前かな。いいじゃないか!と思いました。冷たさは全然感じませんでした。リズムがよくオケの音色も厚みと弾力があって、雄々しいベトベンだと思いました。以来、機会があったらドホナーニを聴いてみたいと思っていたのですが、新譜はさっぱり出ず、旧譜もほとんど廃盤になっているようで、かといって激安ボックスでも出ないし、現状はほとんど「幻」化してしまっています。この業界の流行廃りの激しさを感じさせます。

 

まず第2番。基本やや早めのテンポで、どの楽章ももたれず進みます。あまりタメないので、この辺が冷たいと思われるのかもしれません。しかし、抑揚はしっかりついていて、リズムの美しさを感じます。オケの音色は、表面を磨き上げるというよりむしろ清楚で、手作り的な暖かさを感じさせます。これを否定的に見れば、こぢんまりした印象ということになるのかもしれません。この曲が好きなみっちは、これまで、ミュンシュ、ケンペ、ボールト、スクロヴァチェフスキなどの演奏が気に入っていますが、ドホナーニの演奏はみっちの嗜好にマッチしていました。

第4番。2番と同様、リズムを崩さず推進的な味があるのが新鮮。逆に、この曲に詠嘆を求める向きには合わないかもしれません。第2楽章冒頭のホルンがかなり強奏されるのが特徴的。おもしろいのはフィナーレで、中盤テンポを落として長調になるところ、ここでもドホナーニは軽やかに舞うように運んで印象に残ります。後半では、響きに迫真性を増し、息もつかせないような盛り上がりを形成します。

ドホナーニはドイツ各地の歌劇場を経験してきた「本場たたき上げ」ですが、その音楽を聴くと、ライナーやショルティなど、リズム・縦線を重視して崩さない、ハンガリー系指揮者の血も感じさせます。今回のブラームスでは、とくに古典派音楽としての側面を重視している印象があり、ブラームスにそういう傾向があることも確かです。ただ、表現主義的なデフォルメや過激性はおそらく持っておらず、爆演が好まれる日本のウケはよくないのかもしれません。みっちとしては、今後ドホナーニをひいきして聴こうかな、と思っていますf^^;。

録音には不満があります。出力レベルが低く、ボリュームを多少上げてもまだ小さい感じ。ダイナミクスの幅を考えてのことかもしれませんが、その割には限界が低く、フォルテになると混濁します。このため、盛り上がりの部分で「もうちょっと突き抜けてくれないかな」と思ってしまい、演奏評価にも影響がありそうです。あと、ケース。CD2枚が裏表に収納されるのですが、この板のちょうつがい部分がチャチで、壊れてしまいました。こういうところも製品のポイントに含まれるので、メーカーはがんばってもらいたい。

posted by みっち | 18:13 | CD・DVD | comments(2) | trackbacks(0) |
どれから飲もう

もらった3本のワイン。どれもおいしそう!もらい物のワインが3本たまりました。

左の2本は、「ゴーシュの会」メンバーのソムリエ、Mさんからの頂き物です。Mさんには2年前、ボジョレー・ヌーヴォーを樽で味わう催しにも案内されてお世話になりました。こないだの飲み会のとき、Mさんは平尾台でブドウを栽培してワインを作るという計画を楽しそうに話しておられました。これはみっちも期待しています。

この飲み会で、ウィキペディアで記事を書いて以来、飲んでみたいと思っていた酒精強化ワインについて、売っている店がほとんどないという話をしたところ、「おすすめのシェリーがあるから差し上げましょう」ということになり、タダでもらったばかりか、もう1本おまけまでつけていただいた次第。Mさん、感謝です。

左がそのシェリーで、ラベルにフィノ・サン・パトリシオと書いてあります。真ん中がおまけのワイン。ラベルにはYllera 1998とあります。なんと読むんでしょう。イレラ? スペインのワインのようです。小さい字でヴィーノ・デ・ラ・ティエッラ・デ・カスティーリャ・イ・レオンとあります。スペイン・ワインはリオハ産が有名らしいのですが、これはカスティーリャ・イ・レオン産のワインだろうということしかみっちにはわかりませんでした。10年前のヴィンテージ。

右は、みっちの誕生日のお祝いに妻の実家からいただきました。ちなみに、みっちは12月生まれですf^^;。ただいまプレゼント受付中(爆)。いただいたのはフランスのブルゴーニュ・ワインです。サン・ロマン スー・ロシュ2006、ドメーヌ・ド・シャソルネイ。サン・ロマンは、ブルゴーニュの名醸地区コート・ド・ニュイのAOCのひとつです。2年で飲むのはまだ早いかもしれません。

どれから飲もうかな、と思っていたのですが、夕べ、真ん中のスペイン・ワインを開けてみましたf^^;。これが大当たり! 口当たり、コクと渋みのバランスがよく、木の香りも素晴らしい。わが家の夕食は、クリスマスを意識してローストチキンなどが出たのですが、とてもよく合いました。スペイン・ワインの実力の高さを思い知った一本。

posted by みっち | 19:03 | なんちゃってグルメ | comments(2) | trackbacks(0) |
『劇場版ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂』
わが家のホビットは鬼太郎の大ファンで、毎週日曜日に欠かさず放送を見ています。妖怪の名前の知識では、みっちもかないません。

いまの「鬼太郎」アニメは第5シリーズで、シリーズ初の劇場版がこの「日本爆裂」です。映画ではウェンツ主演の実写版もけっこう評判が良かったし、テレビでは水木しげるの原作の味わいをより忠実にアニメ化した『墓場鬼太郎』もあったりして、「鬼太郎」ブームといっていい状態ですよね。

最初に、本編とは関係のないおまけ映像があって、過去4つのアニメ・シリーズと現第5シリーズの鬼太郎5人が勢揃いしてくれます。初代鬼太郎は当然モノクロ。野沢雅子(第1〜2)、戸田恵子(第3)、松岡洋子(第4)と放送当時の声優が起用されていて、これは旧ファンも喜ぶ趣向でした。猫娘も映像がそろっていて、こっちはやっぱり第4シリーズが抜きんでていると思いますf^^;。ネズミ男もいたようなのですが、半ばシルエットになっていて詳細は不明でした。

本編は、おおまかにいうと鏡爺編とヤトノカミ編の2部構成です。といっても物語としては連続していて、しかも共通する登場キャラクタの役割がかなり大きく変わっていくところがなかなか意外性に富んでいます。本編にはプロローグがあるのですが、この伏線と本編との関係はずっと明かされません。クライマックス近くになって、「おお、そういうことだったのか」と解決方向が開かれるのは、お約束とはいえ効果的でした。京極夏彦が監修しているということで、脚本がかなり練られたのかもしれません。

ヤトノカミ編のクライマックスでは、「日本爆裂」の意味がわかります。みっちは、日本が爆裂するピンチっていいたいんだろうけど、それにしても?と思っていたのですが、違いましたよ! もっと直球というかアグレッシブでした。さすが、ニッポン、ゲゲゲ!とかいうだけある(それは実写版か)。40周年にふさわしいスケールに仕上がっています。このアニメで唯一「大人キャラ」なネズミ男(爆)も重要な役回りで存在感を出しており、楽しませてくれます。あ、あと、ぬらりひょんもちゃんと(?)出ますからご安心を。

映像としては、鏡爺のアクションにCGが目立っていました。ちょっと『ターミネーター2』を彷彿とさせる画面で、鏡が素材なので似た感じになるのはまあ当然かもしれません。あと、猫娘が鏡爺に飛ばされて九州のあちこちを回る場面があって、ずいぶんローカル的に偏ってるなあ、と思っていたのですが、どうやら上演エリアを6つに分けて、地方によって異なる演出が組み込まれていたようです。おもしろいサービスですがこれ、ビデオにするときはどう処理するんでしょうね。

充実した内容で、親子ともにかなーり満足しました。お土産に「鬼太郎マガジン」と霊毛ちゃんちゃんこ柄のお守りを購入。この冬おすすめの一本でしょうf^^;。
posted by みっち | 18:37 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
『ホット・ロック』
NHK・BS洋画劇場で放送されたものを録画して鑑賞しました。

「アフガニスタン・バナナ・スタンド」。これですよ! 昔の記憶では「アフガニスタン・バナナ・スター」だったような気がするんですが、字幕は「スタンド」でした。ロバート・レッドフォードといえば、『明日に向かって撃て!』とか『スティング』、『華麗なるギャツビー』あたりが挙がるのかな、と思うのですが、みっちにとってはこの『ホット・ロック』のドートマンダーなんです。

いわゆる泥棒ものです。アフリカの某国大使から依頼されて、「サハラの星」と呼ばれる宝石を博物館から盗み出すんですが、話は二転三転し、仕掛けがだんだん大がかりになっていくのがおかしい。まあ、いまどきヘリコプターぐらいではびっくりしないかもしれませんが、CGなんてない時代(1972年)の作品なのでf^^;。で、とどめは「アフガニスタン・バナナ・スタンド」(爆)。そんなのありー?という方法で見事決着させます。

全体にコメディータッチながら、場面場面はキレよくハードボイルドに展開しておふざけ映画とは一線を画しているのは、ピーター・イェーツ監督の手腕でしょう。ドートマンダーが「爆弾係」のアランにもっと音を大きくしろと指示して「どれくらい?」と聞かれる場面や、ヘリコプターでびびっている表情など、レッドフォードの演技も光ります。とくにラスト近く、銀行を出てからのドートマンダーの足取りの変化は素晴らしく、クインシー・ジョーンズの音楽ともあいまって、実にかっこよく爽やか。

初めて観たとき、あんまり楽しかったので、ドナルド・E・ウェストレイクの原作を買って読んだほどです。うまく映画化してあるというか、冗長なところもある原作より上出来かもしれません。当時ウェストレイクは、「悪党パーカー」シリーズの著者としての筆名リチャード・スタークの方が有名だったと思います。『ホット・ロック』のような軽妙な作品は異例だったようなのですが、この映画のヒットが原因でしょう、その後ドートマンダーを主人公にしたシリーズ作品を10作以上書いています。このドートマンダー・シリーズのうち映像化されているものとして、『悪の天才たち・銀行略奪大作戦』(74)、『ホワイ・ミー?』(89)があるようです。面白いのかな?
posted by みっち | 18:02 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
バッハ無伴奏5番プレリュード覚え書き
ヴォーン・ウィリアムズの『イギリス民謡による6つの習作』はひととおりやったということで、いったん終了。機会があればまた弾きたい曲です。いまはバッハの無伴奏チェロ組曲第5番のプレリュードだけに集中して練習しています。

あっちこっちつかえながらも最後までいけるようになって、少しずつですが全体像が見えてきました。この曲はそれほど聞き込んだことがなく、構成的に把握できていませんでした。最初のゆったりした序奏のあとの長いフーガは、おおよそ三つの部分に分けて考えるといいようです。楽譜も約3ページ分だし(そんだけかい!)。

第1の部分は、ソナタ形式でいえば提示部でしょう。ハ短調のフーガ主題Aが示され、少し発展したところで変ホ長調となり、ここは第二主題的な部分。その後二つの弦を使ってフーガ主題を対位法的に展開するところは小結尾のような感じで、ここがひとつの山ですね。

ト長調になり、Dの開放弦を鳴らしながらG弦で新しい主題Bを出すところから第2の部分とします。対話のようなやりとりを経て、Bに基づくパセージがつづきますが、ここはポジションが高く、移弦が難しい部分です。フーガ主題が現れ、全体を通じてもっとも高音域に高まるところがクライマックス。というのも、都合5回ほど繰り返されるこのミレシドレという音型が曲の結びの音型と一致するからです。実にかっこいいところです。一転して低くBがつづき、そのままAにつながるところから第3の部分。

フーガ主題を繰り返しつつカデンツになるのですが、そのままなだれ込むように大きく盛り上がっていきます。このあたりは怒濤の勢い+圧倒的スケール感。Bが低く繰り返され、重苦しくなってから休符が二つ、第2の部分の終わりで強調された音型が高いところから舞い降りてきて、ハ長調の主和音で劇的に終結します。

とまあ、いまのところこういう感じで曲を捉えているのですが、まだまだ大ざっぱです。細部はこれから詰めなくては。練習するとまた発見があるはず。

レッスンでは、いまだに序奏のダメ出しばかりで、実はフーガに全然入れていません。中断をはさむとはいえ、もう半年以上同じ(ーー;)。この調子ではプレリュードだけで数年かかりそう(爆)。以下いいわけ。みっちの出来がどうこうというより、先生にこの部分への思い入れがあるんではないかとf^^;。もちろん、それだけの内容があるところですし、応えられるようになりたいとは思っています。でも、そこばっかりではやっぱり飽きるしー。
posted by みっち | 18:19 | cello | comments(0) | trackbacks(0) |
フォンク/セントルイス響によるマーラーの交響曲第4番

フォンク/セントルイス響の「お別れ」演奏会・マーラー:交響曲第4番ト長調

エスター・ハイデマン(ソプラノ独唱)
ハンス・フォンク指揮、セントルイス交響楽団
2002年5月3/4日、セントルイス、パウエル・シンフォニー・ホールでのライヴ録音
(Pentatone Classics PTC5186323)


第2弾も出て計8枚となったフォンク/セントルイス響ライヴ・シリーズからの1枚。前もって書いた方がいいのかどうかわかりませんが、このマーラーは、フォンクとセントルイス響との「お別れ」演奏会の録音です。そういう事情を抜きに聴いても、感動的な演奏だと思います。

第1楽章からいかにもフォンクらしい、誠実で丁寧な進行です。毎度のことながら、オケのバランスが素晴らしく、各楽器がそうであるべきという鳴り方をします。オケにはフォンクへの圧倒的な共感に加え、やはり惜別の情がこもっているようで、なんとも素晴らしい集中力とニュアンスを聴かせます。

これがとくに際だっているのは、2つの中間楽章です。第2楽章では、中間部がぐっと腰を落としたテンポで名残惜しげなのが印象的です。第3楽章ではセントルイス響の弦と木管が切なく、これほど気持ちのこもった演奏はあんまりないでしょう。第4楽章のソプラノ独唱は、ハイデマン。第3楽章までがどんなによくても、ソプラノの歌唱ひとつで評価が変わってしまうのがこの曲の怖いところで、とくにオケが素晴らしい場合、ソプラノはできるだけ邪魔してくれるなとさえ思ったりするf^^;のですが、ハイデマンの歌唱はフォンクの指揮に十分応えたもので、みっちが惚れているフォン・シュターデ(アバド/ウィーン・フィル盤)にも拮抗する出来でした。ラストは決して感傷的になってはいないにもかかわらず、このまま終わらないでほしいという気持ちが伝わってくるような……。

「お別れ」演奏会といえば、みっちがすぐ思いつくのがケンペとBBC響によるブラームス4番のライヴ。ケンペ最後の演奏会にして万感胸に迫る音楽なのですが、これと並んでフォンクとセントルイス響によるこのマーラーも、下手すると号泣しかねない内容です。年取ると涙もろくなるf^^;。とはいえ、異様なほど熱いケンペ盤はそうそうめったに聴く気になれませんが、フォンクの方はより冷静で録音状態もよいので、繰り返し聴くには適しています。

このシリーズ、ブラームス、ブルックナーときて、新しく出たマーラー、チャイコフスキーも全部「第4番」なのはなにか理由があるんでしょうか。「フォンクの4番」で残っているのはチャイコで、これも間違いなくいいんだろうなあ。買っちゃおうかなあ。あと、前にも書いたことがあるんですが、EMIにはフォンクとケルン放送響の録音がまだ眠っていそうで、どこかボックスにして出してくれないかと思っています。

posted by みっち | 12:17 | CD・DVD | comments(0) | trackbacks(0) |
歯が割れた
朝ご飯を食べていて、左上奥歯の詰め物がとれてしまい、歯医者さんに診せに行ったら、歯が割れているといわれました。な、なにい!?

左上の奥歯は、1年以上前から痛むことがあり、当時通勤経路上だった別の歯医者に見てもらってたことがあるのですが、とくに異常はないといわれていました。今年の春ごろ、寝ていて噛みしめたらしく、このときは寝られないぐらい痛んだので、翌朝いまの歯医者さんに行ったら、かみ合わせが悪いのだろうということで、当たるところをちょっと削って様子を見ましょうということでした。

いま思えば、このときすでに割れていたんではないでしょうか。その後、痛みがややぶり返したこともあったのですが、このごろは落ち着いたと思っていました。実はもう神経が摩耗?して痛みを感じなくなっていたようです。レントゲン撮影もしてもらっていたのですが、カメラに対して直角に割れていたために亀裂が写らず、今回詰め物がとれたことではっきり視認できるようになったということのようです。外側がぐらつき始めていて、それで詰め物がとれたのでしょう。自分で自分の歯を割ってしまうことがあるんですか、と聞いたら、噛む力が一点に集中するとそういうこともあるということでした。技工士さんも、「わたしも割れたんですよ」といってくれて、仲間がいて安心というかf^^;。

処置は、歯の根元に雑菌がたまってきているのと、親知らずのように体調が悪くなったときに腫れたりする原因になるので、抜いた方がいいといわれました。抜いたあとどうするんですか、と聞くと、若い人なら調整力があるので歯を入れる場合もあるが、むしろほかの歯の負担になるので放置だそうです。こうやって歯抜けジジイになっていくのか(ーー;)。

まさかこんなとんでもない展開になるとは思わず、動揺しましたが、このままの状態を引きずりたくないという一念で、「じゃ、抜いてください」と。割れ方によっては、片方を残す方法もあるということでしたが、引っこ抜いたのを見せてもらったら、根元まで唐竹割状態で、見事に真っ二つでした。みっちの集中力おそるべし(爆)。いやまあ、口で言うことはあっても、本当に自分がこわいと思ったのはこれが初めてです(マジ)。「またつまらぬものを斬ってしまった」といいたいとこですが、いえない! 

そういうわけで抜歯したため、口の中に穴が空き、血なまぐさいです。きょうは職場の忘年会だったんだけど、お酒は飲まない方がよいといわれました。仕方ない、LotROでもやるか(って、いつもと同じじゃん)。
posted by みっち | 18:13 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |