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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
ルオー大回顧展
ルオー『小さな女曲馬師』出光美術館(門司)にルオーを見に行ってきました。

ルオーというと、イコンのような小さな宗教画ばかり描いた人というイメージがあり、それも太い輪郭、暗い色調、盛り上がった絵の具などが特徴として思い浮かぶのですが、実物をちゃんと見たのは初めて。当たっている部分と間違っている部分と両方ありました。

今回数多く出展されていたのが、『受難』の挿絵類で60数点。世界的にみてもこれだけそろったコレクションはないそうです。これらは、青と緑の混ざった不思議な色が背景色として統一されていて、実物は思ったより明るい色調でした。ただ、これらは本の挿絵なので、当然本と同じ大きさで、「イコンのような小さな宗教画ばかり」などの印象はここからきたみたいです。

ルオーの初期作品もあって、これが暗い。しかし、1920年代ごろからスクレイパーで絵の具をそぎ取る技法を用いた作品からは、燐光のような明るさが印象的です。今回もっとも気に入ったのが、画像の1925年に描かれたという『小さな女曲馬師』。実物はもっと明暗が深く、美しい。ルオーがステンドグラス工房出身ということが納得できます。となりの1930年作という風景画もよかった。

『受難』以降は絵の具をふんだんに盛り付けるようになるのですが、激しいのになると、ほとんど立体画というか彫刻になりそうなくらいに盛られています。晩年の作品は、まだ味わいきれていない感じ。子連れだったので、さっさか通ってしまいましたが、またゆっくり時間をとってみたいものです。
posted by みっち | 15:41 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
『剣と禅』
大森曹玄『剣と禅』・『剣と禅』

大森曹玄著、春秋社


「禅ライブラリー」とあるので、シリーズものでしょうか。ウィキペディアの執筆コンテストに「寺田宗有」でエントリした関係で、参考書籍として購入した本です。目次に「天真赫機―白井亨とその師」という見出しがあったので、寺田五郎右衛門についての情報もあるに違いない、ということで注文しました。

寺田が参禅するようになったきっかけや、大悟して天真翁と号し、天真一刀流を開いたという、この「天真」の意味について書いてあれば、と期待していたのですが、そのあたりはこの本でもわかりませんでした。しかし、白井亨の著述から、白井と寺田との交流や二人の修行についてかなり紹介されています。おかげで、記事を補強できました。ネット上で確認できる千葉周作『剣術物語』のエピソードも載っていて、あるいはこの本が元なのかもしれません。

今回たまたま禅に触れる機会を得て、該当部分だけの拾い読みではもったいないし、ほかにも参考になるところがあるかもしれない、とひととおり読みました。そのために項目の加筆が遅れ、ローカルで作業しているうちに他の方の編集が入って、あわてましたf^^;。

著者の大森曹玄は、直心影流15世・山田一徳斎の弟子で、京都天龍寺で得度した禅僧でもあります。著者本人も断っていますが、この本は、もともと禅の月刊誌に連載された文をまとめたもので、禅の知識がある読者を対象として書かれているために、どちらかといえば禅の解説よりも剣士の紹介に比重が置かれています。そういう意味では、一般の剣豪本とそれほど大きく変わりません。とはいえ、そこは専門家なので、禅について触れているところもかなり深いものがあるようです。深すぎて、わからないくらい(爆)。
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posted by みっち | 18:50 | 読書 | comments(1) | trackbacks(0) |
日本語版 NPPAngband
最近、わが家のホビットが自転車に乗れるようになり、そのご褒美ということでDS用『ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊』を買ってあげました。この、入るたびに新たなダンジョンが生成されるという「不思議のダンジョン」は、『風来のシレン』、『トルネコの大冒険』といった他のコンシューマー用ソフトにも取り入れられているシステムですが、『ローグ』というゲームが元祖になっています。

同様のシステムを使った「ローグライク」といわれるゲームにAngbandがあり、名前からわかるように、トールキンの『指輪物語』やその前史である『シルマリルの物語』が設定や背景に使われているのが魅力です。このAngbandも、いろんなバリアントが作られていて、ゼラズニイの「真世界アンバー」シリーズの人物が登場するZAngbandや、日本産キャラも登場するごった煮的「変愚蛮怒」などが代表的です。

みっちも昔、バリアントのひとつEyAngbandを遊んだことがあります。しかし、難易度高い+死んだら終わりで、クリアしたことがありません(ーー;)。レベル1ではとにかく弱く、町の住民にも殺されてしまいます。運が悪いとトラップに引っかかったり、知らない薬や巻物でも死ぬことがあります。最初は深く潜らず、とにかく倒せる敵を倒してレベルを上げることが優先。ある程度成長したら、お金を貯めつつ装備をそろえていくという感じ。少し潜れるようになると、麻痺や毒への耐性が必要になってきます。やがて、オークやトロルの集団と対決したり、ハウンドの群れから襲われながら、アーティファクト(伝説のアイテム)を求めてさまよう日々。

セーブデータをバックアップすれば、もちろんやり直しは可能ですが、推奨されないようです。このごろ思うに、そもそもこのゲームは死ぬことが前提で(戦いの情報・知識が次のキャラクタに引き継がれます)、あまたの死と挫折を乗り越えて最後に敵を倒すという到達をこそ味わうべきものなのかもしれません。このあたり、いつものお気楽感覚とはかなり違った肌合いに慣れる必要があったかもf^^;。

最近、久しぶりに試してみたのがNPPAngbandです。前に遊んだEyAngbandでは、種族に猫やネズミ、果ては天使やデーモンなど、ちょっと違和感のある設定でした。NPPAngbandでは10種族で、ドゥナダンやハイエルフも選べ、トールキンの世界とあんまりずれがないのが好ましい。6職業のうち、「山賊」というのが珍しいです。どうやら、補助魔法が使える「盗賊」と比べ、魔法は全く使えない代わりに戦闘能力と罠設置に長けた位置づけにあるようです。これ、おもしろいかも。

やり出すと、はまってしまいますので、仕事中とかに注意(爆)。

興味のある方は楠瀬さんのサイトのこちらをどうぞ。
posted by みっち | 18:31 | お気楽妄想系 | comments(6) | trackbacks(0) |
LotRO:エピック第二部・序章
ピピンたら、こんなところに貴重なものをデアドリです。エルロンドさんに呼ばれて「最後の憩」館を訪ねました。フロドたちが裂け谷を出発することになったので、その手伝いをしてほしい、って。みんないったいどこにいくつもり?

フロドとサムから頼まれて、見張り台や鍛冶場にお使いに行きました。見張り台にはアルウェン姫がいて、姫もフロドの行く先を心配していました。

この景色のいい場所は、裂け谷にある大きな岩の上です。ピピンから風変わりな杖をどこかに置き忘れたので、とってきてほしいと頼まれたんです。エルロンドさんに尋ねると、それはアンヌーミナスの王笏という大切なものだって教えてくれました。もう、ピピンたら! 

いろいろ探し回って、やっと見つけました。でも、はじめ登るところを間違えて、鍛冶場に落ちちゃった。どうしてこんな岩に登る気になったんだろうと思いながらやっとたどりついたら、たしかに見晴らしが素晴らしいな。きっとピピンはここでおやつを食べたくなったんでしょうね。わたしもパイ食べようっと。

ピピンからのお仕事ピピンは、わたしも同行したがっていると思ったのか、こんなこといって慰めてくれました。ホントはわたしといっしょに行けたらいいと思ってくれてるのかも。

でも、メリーのいうことは半分当たってるけど、半分はずれてるわね。これ以上食いしん坊が増えたら、きっとガンダルフは「ごめんじゃ! ピピン一人でもかなわん」って言い出すに決まってるから。
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posted by みっち | 18:29 | LotRO三昧 | comments(0) | trackbacks(0) |
『シンシナティ・キッド』
先々週だったか、深夜枠で放送されたものを録画して鑑賞。吹き替えも字幕もないオリジナル音声で、以前に見て展開は知っていたとはいえ、細かいやりとりは全然わからずf^^;。まあその分、画面に集中できました。

1965年の映画です。スティーヴ・マックィーンにはもちろん、ほかに多くの主演作や代表的映画がありますが、みっちにとってとくに印象深いのがこの作品。前にエントリした『ホット・ロック』でロバート・レッドフォードが演じたドートマンダーとよく似た関係です。

スタッド・ポーカーを知ったのはこの作品から。映画でプレイされるのは「5カード・スタッド」で、最初の1枚は伏せて配り、残りの4枚を表向きにさらして配ります。表向きのカードを1枚配るたびに賭けるので、必然的にかけひきが長く、動く金額も上がりやすくなります。ただ、一般的なドロー・ポーカーのようにカードを交換しないので、強い役はなかなかきません。2ペアならほぼ必勝という感じか。

この映画に影響され、友達とスタッド・ポーカーに興じたものです。もっとも、みっちたちが遊んだのは、7枚配り、そのうちの5枚を適宜組み合わせる「7カード・スタッド」でした。この場合は、最初の2枚と最後の1枚を伏せて配ります。2枚余裕があるので、フルハウス程度ならたまにできます。スタッド・ポーカーが面白いのは、自分も相手もある程度手が見えているところで、そこにかけひきの妙が生じるわけです。

ポーカーは確率のゲームでもあります。映画でキッドが確率表を確かめる場面がありますし、勝負中、なにやらしきりに紙に書き込んでいるプレイヤーも登場します。おそらく、場にさらされたカードから、それぞれどんな役ができるかその確率を計算しているのでしょう。そんな彼も途中でリタイアし、物語はキッドと名人の対決に収斂されていきます。この勝負がすごい。

キッドが対決する名人役はエドワード・G・ロビンソン。ロビンソンは小柄で、登場する女性よりも背が低いくらいですが、勝負師の貫禄があります。キッドとの対決では追い込まれて憔悴した表情も見せるものの、ここ一番というときの集中力・凄みは十分。名演技です。マックィーンとの勝負は、繰り返して見ても素晴らしい緊迫感です。

キッドと靴磨きの少年とのエピソードも効いています。たしかここでキッドは「10年早い」っていってたはずで、これがラストで生きてくるわけです。しゃれてるなあ。

忘れてはならないのが、音楽。『エデンの東』や『ムーン・リバー』など映画音楽の名作といわれるものと比べても、それほど有名でないのが不思議なくらい。エンディング・ロールでレイ・チャールズが歌っているのより、劇中で流れるハーモニカの音色の方がキッドの孤独にふさわしく、しみます。このメロディーはみっちのお気に入りで、ときどき口笛で吹いてみるのですが、キザったらしいかもf^^;。
posted by みっち | 18:18 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
『レッドクリフ Part1』
みっち@周回遅れ(爆)です。テレビで放送された前作を録画して鑑賞しました。もちろん、上映中のPart2完結編は未見。

『レッドクリフ』が三国志だと知ったのはかなり後でした。しかし、わかっていたら劇場に行ったかというと、やっぱり行かなかったかもしれません。歴史ものや原作に思い入れがある場合、むしろ映画化には反発したくなることの方が多いものですし、どうせハリウッド調につまんなくしているに違いない、という先入観もありましたf^^;。

そんなわけで、まったく期待せずに観たのですが、孔融が曹操を非難して殺される場面からこれはいけるかも? と感じました。その後曹操が新野に侵攻し、趙雲、張飛の見せ場となります。この二人もただ超人的に強いというのでなく、設定として違和感のない範囲に踏みとどまっているのにも好感を持ちました。まあ、あれ以上強いと戦いに勝ってしまいますから(爆)。でも趙雲、顔がなかなか覚えられない(おい)のと、赤ん坊を胸当ての中に入れませんでしたね。

で、そこへ関羽が現れたのにはびっくりv(^^)。このとき関羽の水軍は別行動をとっており、助けにこられる距離にはいないはず。劇場で観ていたら、「あんた、でてきちゃダメだろ!」とツッコミ入れるのは間違いないでしょう。でも、これぐらいの脚色は意外性があってよし。それに、関羽は青龍堰月刀(ですよね)をぶんぶん振り回して敵を倒してくれるので、サービスとしても素晴らしい。捕まりそうになったところで、うわ、これはまさか徐州攻防戦での投降・脱出行をやろうというのか? それならすごいぞ、と半ば期待してしまいましたよ。残念ながらそれはありませんでしたが、曹操を討とうと思えば討てたところを、ただひとにらみして去っていく姿はかっこよかったです。

劉備も苦労人ぽい感じでなるほど、と思わせます。わらじ編んでるしf^^;。ほかにも、曹操が頭痛持ちであることや、関羽が子供に勉強を教える寺子屋風のシーンがあったのは、「これは、三国志(演義)をわかってる人が作っているらしい」と思わせてポイント高いです。
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posted by みっち | 18:57 | たまに観る映画 | comments(2) | trackbacks(0) |
「北九響」第101回定期演奏会
・ロッシーニ:歌劇『セヴィリアの理髪師』序曲
・モーツァルト:交響曲第31番ニ長調「パリ」
・ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68

長野力哉(指揮)、北九州交響楽団
2009年4月12日(日)、北九州芸術劇場


地元オケの定期演奏会に、わが家のホビットを連れて行ってきました。妻は今度『ドイツ・レクイエム』を歌うそうで、この日はその合宿練習と重なってしまいました。合宿も見学したかった(去年の『ミサ・ソレムニス』が非常によかった)のですが、こちらは本番を楽しみに、ということで見送りました。

北九響を聴いたのは、もう10年以上前になります。シューマンの「ライン」を聴いたと思います。そのときは、かなりヘタという印象があり、少々キツイ感想をアンケートに書いた記憶が(ゴメンねf^^;)。昨年、第100回定期演奏会でマーラーの5番を採り上げたそうで、聞き逃して残念に思っていたところでした。今回はメインが「ブラ1」ということで、「のだめ」ファンのホビットを連れて行ったのはそのためでした。

開演15分ぐらい前に会場に入ると、ロビーで『埴生の宿』が鳴っているのが聞こえてきました。もう終わるところ。見ると、チェロ6重奏でウェルカム・コンサートをやっていたのでした。これはもっと早く来ればよかった。というか、いいよなあ、あのメンバーに加わりたい^^;。

客席はすでにほぼ満席で、かろうじて中列左端のゾーンに空きを見つけて座りました。最初のロッシーニで、なんかえらく大編成だなー、と。チェロが10人以上います。もしかして、フルメンバー? 演奏は、キビキビしたテンポで進みました。ホビットには「トムとジェリーや運動会なんかによく似合う楽しい曲」と話しておいたのですが、序奏が終わらないうちに寝てました(ーー;)。

モーツァルトでは楽員が絞られ、チェロ6人。その間に、ホビットをロビーに逃がしました。とはいえ、モーツァルトを聴くと、みっちもだいたい睡魔との戦いになります(爆)。この曲のダイナミックな特徴をもうちょっと生かして、メリハリつけてほしかったかな。
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posted by みっち | 19:13 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
まだまだつづくプレリュード
1年前からとりかかっているバッハ:無伴奏チェロ組曲第5番のプレリュードですが、まだやってますf^^;。先日、楽譜をフルニエ版に替えたために、一から出直しみたいになってしまい、運指などを考えながらようやくまた最後までたどりつくようになってきました。

結局、フルニエ版の指定そのままではなく、以前のペータース版の方が納得いく部分や、個人的にここはこうだろ、みたいなところなどが混ざり合った折衷スタイルに落ち着いてきました。ボウイングが逆になったり、運指が変わったりすると、かろうじてクリアしていたところが弾けなくなったり、クセがついてて混乱したりで、いろいろ苦労します。本当は、どういう指示でも弾きこなせるようにならないといけないんでしょうが、そんな日が、果たしてくるのかどうか怪しい……。

通して弾くと、まだ数カ所で引っかかってしまいます。とくにきついのが、ラスト直前で和音を2回出して休止する劇的な部分。フルニエ版はペータース版と音が違います。ペータース版では、和音がひとつめより二つ目の方が高くなりますが、フルニエ版は逆にふたつめが低くなります。ペータース版から移行してくると、ここで盛り下がるのが異様に感じるのですが、慣れてくると、これはこれで渋い変化だと思うようになってきました。オリジナルのスコルダトゥーラ(A弦を低くGに調弦する)の譜面を見ると、ここは高→低の進行であり、フルニエ版はこれを生かそうとしていることがわかります。

しかし、そのために、最初の4重音が相当妙なことになっています。指定では、下2音と上2音でポジション移動があるようです。て、そんなことできるのか。できるから書いてあるんでしょうが(ーー;)。ポジション変えずに弾こうとすると、拡張した小指でD・G弦を押さえることになります(ToT)。こちらの方がまだしもか。しかし、ふつうの手首の位置では無理で、構え直すためにやっとこらせー(爆)という感じで、とてもじゃないがスムーズにいきません。

ふたつめの和音も、こちらは3重音なんですが、C弦は保持しつつ、G弦の音を二つ鳴らすように書かれています。物理的に無理だろ!というわけで、時間差で音を変えることで許してもらいたい、とf^^;。変則的ながら、まだこっちの方はなんとかなる感じです。こんな弾き方でいいんですかねー(おい×∞)。

当面、引っかかる箇所を反復練習しつつ、できるだけ暗譜でも弾けるようになりたいと思っています。曲が長くて複雑なので、どこまで頭に入るかはわかりませんが。
posted by みっち | 10:36 | cello | comments(0) | trackbacks(0) |
フォンク/セントルイス響によるチャイコフスキーの交響曲第4番ほか

フォンク/セントルイス響のチャイ4・チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』
・チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 作品36

ハンス・フォンク指揮、セントルイス交響楽団
1997年2月13/16日、1999年9月17/19日、セントルイス、パウエル・シンフォニー・ホールでのライヴ録音
(Pentatone Classics PTC 5186 325)


ブラームス、ブルックナー、マーラーと並ぶ「フォンクの4番」シリーズ、これでコンプリートですf^^;。チャイコフスキーは、5番にはなぜか愛着?があって、けっこう音盤を買っているのですが、それ以外はほとんど持っていません。4番は、これまでザンデルリンク/シュターツカペレ・ドレスデンの来日ライヴと、ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送響盤があったのみ。

6番は嫌いですが、4番は実はそうでもありません。第1楽章がもたれるのとフィナーレがやたらやかましいのが難とはいえ、中間楽章は魅力的で、よい演奏があったら聴きたいと思っていました。フォンクはチャイコフスキーを得意としていたらしいので、期待が高まります。

最初の「ロメジュリ」(略すと怒る人がいますが、許してf^^;)は、折り目正しい印象。曲の性格からして、もうちょっと暴れてもいいように思いますが、フォンクはそういうことはしません。長大な第2主題がベタベタせずにとても純度が高いのが、聞き物です。

交響曲に入ると、冒頭から金管が充実した響きを放射します。各声部のバランスを大切にするフォンクにしてはオケをかなり開放的に鳴らしている感じなのは、ライヴの熱気と感興の高まりゆえかも。第1楽章では、とくに第2主題部分でのチェロの対旋律がワルツのテンポならではの優雅さを湛えて魅力的。その他の部分でもリズムのよさに聞き入ってしまって全然もたれません。第2楽章ではオーボエのニュアンスを込めた歌に泣けそうになります。ここでもチェロが表情豊かで聴かせます。第3楽章では弦のピチカートが小気味よい。フィナーレでは豊かな音響でオーケストラの威力と魅力を堪能させてくれます。フォンクで聴くと、この音楽もうるさくならないなあ。オケも自発的で、乗って演奏しているのが感じられます。

流麗にして品格あるチャイコフスキーとでもいいましょうか。チャイコは交響曲よりバレエ音楽の方がいい、と思っている方には超おすすめ。って、それは自分か(爆)。やっぱりフォンク、素晴らしいです。このシリーズ、バラ買いしてしまったけど、ボックスにしてくれたらまた買い直したいくらいf^^;。

posted by みっち | 21:21 | CD・DVD | comments(0) | trackbacks(0) |
寺田宗有
ウィキペディアに「寺田宗有」を新規投稿しました。「Wikipedia:第五回執筆コンテスト」分野Aへのエントリ記事です。

本文はだいたい書いていたんですが、コンテストともなれば、やはり単一の資料では心許ないので、図書館で少し調べました。当てにしていた『国史大辞典』などの辞典類には宗有の人物記事や「天真一刀流」は記載が見あたりません。「一刀流」の項を読んでも、そこまでの言及はなく、残念ながらほかを探すしかない状況です。

剣術関連の本をいくつか見つけて読んだところ、ここでも宗有や「天真一刀流」を項立てしているものはありません(ーー;)。とはいえ、収穫ゼロではなく、千葉周作についての解説には宗有とのからみやエピソードがありました。千葉は宗有の道場の後輩で、宗有から組太刀を教えてもらっています。千葉周作の著述は『千葉周作遺稿』としてまとめられており、これは後世の歴史研究家や剣術家あるいは小説家にとって重要な一次資料になっているようです。今回、直接当たることはできませんでしたが、おかげでいい肉付けができました。

また、古武道・武術研究家の甲野善紀の本にも宗有の弟子になった白井亨との関係で言及がありました。甲野氏は、白井亨にかなり共感を持っているようですね。

「天真一刀流」命名のもとになった禅との関連について、記述が弱いため、あと1冊目を通したい本があるのですが、図書館の蔵書にはありませんでした。注文したものの、コンテストの締め切りに間に合うかどうかわからないので、とりあえず現状でアップ。分量はほぼ10,000バイト、大したことはないなあ。分野Aはエントリ数が多いし、お堅い内容が予想されるので、気分転換用にでも読んでもらえればf^^;。

今回他の本も参照した結果、これまで剣豪・剣客ものの記事を手持ちの『日本剣豪100選』(綿谷雪)に拠って書いてきましたが、史実性や一次資料への客観的判断も含めて、他の本と比べても詳しく的確で、かなり信頼できることをあらためて感じました。他の本がたばになってもこれ1冊の方が使える感じ。できれば、エピソードや別説など記述の出典をもう少し丁寧に備えてくれていればいうことなしだったんですが。いまとなっては入手困難でしょうし、子供のころ買っておいてよかったなあ。
posted by みっち | 18:45 | Wikipedia | comments(4) | trackbacks(0) |