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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 5―最後の神』
リック・リオーダン 著、金原端人・小林みき 訳、ほるぷ出版

パーシー・ジャクソンシリーズの最終巻。今回は開始早々から戦いとなり、味方の犠牲者も出ます。

復活したクロノスは、テュポンを西海岸から東に向かわせますが、実はこれは陽動で、ゼウスたち神々がテュポン封じのために出動した留守を狙って、自身が率いる大軍でオリンポス山のあるマンハッタンを襲う、という計画です。神々はまんまとこの作戦にはまります。まあ、実際のところはテュポンを止めるどころか、進行を遅らせることしかできないわけですから、クロノスの作戦を見破ったところでどうしようもなかったかもしれません。しかも神々のうち、ポセイドンはオケアノスとの戦闘で手一杯、ハデスは、自分はオリンポスの神ではなく地上の戦いは関係ない、と日和見を決め込んでいます。

この計画を阻止しようとして、パーシーたちハーフ軍がマンハッタンの守備に付き、絶望的な包囲戦を繰り広げます。悪いことは重なるもので、ハーフ軍のうち、アレスコテージのクラリサが戦利品の処分に腹を立てて出動を拒否します。このあたり、トロイア戦争での英雄アキレウスのエピソードを思わせます。パーシーはクロノスに対抗するために、ステュクスの川に身を投じます。かつてアキレウスがこれで不死身の体になったのですが、そのために致命的弱点ができてしまうのはご存じのとおり。アキレウス自身が現れてパーシーに警告します。それでも、これでパーシーはたいていの敵なら粉砕できるようになります。

というわけで、最終巻は「イーリアス」由来のエピソードを組み込みつつ、意外な形で予言の成就を見るラストまで、戦いに次ぐ戦い。いわば第2のティタノマキアですから、戦闘シーンには力がこもっています。ここまでくると、さすがにボケもツッコミも文字どおりしゃれにならない気がしますが、それでも作者は和ませる場面を忘れてません。意外な味方や敵が登場して、笑わせてくれます。

みっちとしては、この戦いでカギとなるのはプロメテウスではないかと予想していました。神話では、プロメテウスはティタン神族ながら先の大戦ではオリンポス側に付きました。しかし、人間に火をもたらした罪を罰せられ、岩山に縛り付けられて鳥に内蔵をつつかれるという苦しみを受けます。しかもプロメテウスはオリンポスの神々の破滅につながる重大な予言を知っていました。こういう神の存在は無視できないですよね。で、プロメテウス、やっぱり登場してきました。でも、残念! パーシーから「口先男」とかいわれるだけの奴でした(爆)。

タイトルの「最後の神」とは、オリンポスにひとり残っていた女神で、ミスターDにオリンポス12神の座を譲った、ヘスティアのことです。ヘスティアは、大きな力を持たず、活躍らしい活躍はしないのですが、その奥ゆかしさと平和を愛する姿勢がパーシーに影響を与えます。

戦いの後、パーシーは、神々からご褒美をもらえることになるんですが、ホントにそれでいいのかパーシー? みっちなら迷わず神に(爆)。まあ、最初からふつうの人間じゃないので、それほど驚くべき選択でもないですけどね。一方、人間ですがふつうではないレイチェルf^^;も、落ち着くところに落ち着いたというか、まあこれしかないだろ、という感じではあります。アナベスもようやく素直になったようで、やれやれです。

個人的には、ニコやイーサン・ナカムラ(日系のハーフ?)といったくせ者系をもうちょっとふくらませて個性を発揮するようにしてくれると、もっと楽しめた気がします。例えば、この二人の対決シーンが見たかったですね。映画化するなら、脚色をぜひお願いしたい。原作は5冊ですが、映画は3部作ぐらいでまとめてもいいかも。
posted by みっち | 18:52 | 読書 | comments(0) | trackbacks(0) |
LotRO NA:ちょっとだけエレギオン観光
鉱石を求めて、エハド・カンデレスからさらに南に進み、高地に出る。大きな遺跡が目に入ってきた。エレギオン。第二紀、ノルドールのケレブリンボールがこの地にとどまり、力ある指輪を鍛えた。そのためにサウロンに利用され、破壊されたエルフの町の跡だ。ケレブリンボールはモリアのドワーフたちとも友情を結び、この土地のどこかに、モリアへの入り口が隠されているという。いまはこのあたりに人の気配はほとんどないが、空気は澄んでおり、まだ荒れ果ててはいない。

最初の拠点で捜し物を頼まれた私は、道を南へたどった。その間にも、古い鉄や古い銀が埋まっている。敵は手強いが、土地が広く、かたまっていないので、なんとかなる。森のはずれで捜し物を見つけて持ち帰ると、エハド・エレギオンに持って行くように頼まれた。どうやら、さっき途中まで行った、その先らしい。さらに進むと、小さな廃墟があった。エハド・エレギオンだ。周辺にはより大きな遺跡が残っているが、山賊や半オークがたむろしていて近づけない。東にはクリバインが飛び回っており、すでにこの地は見張られているようだ。

モリアへの入り口が気になるが、拠点に残る民たちの依頼を果たすためには、もう少し力を付けてからでなければ、かえって彼らの迷惑になるだろう。しばらくフォロヘルでロスソス人たちの依頼を果たすことにする。フォロヘルは北の雪原で、不毛のように見える土地だが、古い銀や鉄は豊富だ。これで、トーリンの館にいるドワーフたちがほしがっているドワーフ宝石を作ることができるようになった。

この間に、伝説的と呼ばれる能力をふたつ身につけることができた。

(以下、中の人、みっち@まだ少し早かったf^^;)
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posted by みっち | 20:38 | LotRO NA | comments(0) | trackbacks(0) |
サマコン終了
日曜日、北九響のサマーコンサートが終わりました。ご来場のみなさん、ありがとうございました。前半がチャイコフスキー『白鳥の湖』拡張版、後半がヨハン・シュトラウス2世作品と、前半の方が重いプログラムでしたが、けっこう評判よかったみたいです。

客席はほぼ満員でした。今回は篠崎ヴァイオリンスクールの生徒さんも出演しておられたし、スポンサーのTNCテレビ西日本からは女性アナ(松尾恵子さん)によるナレーションで加わっていただいたりで、サマコンらしい楽しい催しになったのではないでしょうか。しかし、ステージは暑かった。みっち冬服だし(これしかない)。

みっち的に最後まで課題だったのは、「こうもり」序曲でした。あのワルツの部分がヘタクソで、このごろ有名なパウルくんが踊るとこういう感じではないか、というようなものになってしまいます(爆)。「トリッチ・トラッチ」もねえ。トッチラカッチャッタ・ポルカかと(爆)。それでも本番は自信満々の顔してやりましたよ!

指揮者の篠崎永育先生は、基本的に速いテンポがお好きみたいで、練習の初めのころは相当速くて、どの曲も「加速度ポルカ」みたいな感じ(爆)だったのですが、本番が近づくにしたがって、オケをもっと鳴らそうと思われたのか、随所でゆったりした流れを作られました。ひとつには、ご子息の篠崎史紀さんによる特別トレーニングを参考にされたこともあったようです。みっちなどは最初のイメージがあるもので、ゆっくりしたところではつんのめりそうになりましたf^^;が、本番ではフライングは1回だけ(ダメじゃん)。大音響のところなので、大勢に影響はなかったと思いたいですが、体動かしてますから、バレたかな? 言い訳すると、6プルトの表ってステージの右端で、指揮者からも遠いし、コンミスもトップもまったく見えないし、気配読むの大変なんですよ。わーん、ゴメンナサイ!

ご子息の篠崎由紀さんがソロ担当でチェロのトップに座られました。これがビロードに喩えたくなるような美しい音色で、チェロ・パートの女性陣はうっとりしていました。それを見たみっちは、あれだ、「のだめ」の菊池もこういう音で女性の心をとろかすのかも、と内心納得(爆)。実際、男のみっちもソロに聞き惚れて伴奏のピチカートを忘れそうになるくらい(練習のときはホントに忘れたf^^;)。由紀さんは、休憩中も舞台裏で楽器のメンテナンスを怠らず、いろんなパセージを弾いて念入りにウォーミングアップしておられました。さすがプロだ。あんなボウイングに、少しでも近づきたいものです。ゲネプロの合間には、チェロパートの前の4人で「スターウォーズ」のテーマを合奏して遊んだりしてて、ちょっとお、前だけでずるいぞずるいぞ。

打ち上げでは、篠崎永育先生とコンミスの師弟によるヴァイオリン二重奏が披露されたりして、華やかな雰囲気になりました。今回団長から退かれて名誉団長になられた清原先生と少しお話しできました。清原先生は37歳のときにチェロを始められたそうです。みっちと近いではないですか。最初に付いた先生からは弓を逆手に持つように指導されたとか、びっくりな話を教えてもらいました。古楽器かコンバスの人だったんでしょうかねえ。後藤インペクによる「あり得ないシメ」シリーズ(爆)、今回は、「ピチカート・ポルカ」のラストで大笑いです。
posted by みっち | 18:42 | cello | comments(0) | trackbacks(0) |
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 4―迷宮の戦い』
リック・リオーダン 著、金原端人・小林みき 訳、ほるぷ出版

パーシー・ジャクソンシリーズの第4巻。今回はラビュリントスが舞台。とはいっても、かつてのクレタの迷宮は、いまやアメリカ全土の地下を覆っているそうで、うまく使うとほとんど瞬時に大陸横断できてしまうスグレモノだったりして、どこでもドアかと(爆)。

勢力を増したクロノス軍団がこの迷宮を利用してハーフ訓練所を襲おうとしており、これを防ぐため、パーシー、アナベス、グローバー、タイソンというおなじみのメンバーが、迷宮の製作者ダイダロスと、彼が持つというアリアドネの糸玉を探して冒険します。

第4巻からかなり分量が増えており、最終第5巻とこの2冊はそれまでの3作と比べて厚みがあります。わが家のホビットにいわせると、真面目なシーンが増え、パーシーの悪態など笑えるシーンが減ったということです。まあ確かに事態は次第に深刻さを増してきており、抜き差しならないところへ迫っています。とはいえ、随所で見せるボケやツッコミは健在で、アナベスなど口の悪さではパーシー以上かもf^^;。

前作でタレイアがアルテミスのハンター隊に入ったため、再び紅一点になるかと思われたアナベスですが、新たなライバルf^^;、レイチェルの存在が気になるようで、パーシーに対しても感情の起伏が激しく、不自然に当たります。そのくせ、自分はルークへの思いを捨てられないという、「ハリポタみたいに無理矢理ややこしくしてんじゃねーよ」(爆)みたいな部分が少々感じられないでもないのですが、14歳くらいの女の子だと、そういうもんですか? 自分はそんなこと全然なかった気がする(比較自体が無意味かも)。

一方のレイチェルは人間ながら、ミストに惑わされずに真実を見通す能力を持つ、だけでなく、実は神と人間のハーフでさえ惑わされるものにも影響されないというところで、この物語のカギになってきます。第5巻でも存在意義がありそうです。

もうひとり、ハデスの子、ニコが予言にいう「ビッグ3」の子であることから、パーシーと並んで重要性を帯びてきます。彼の能力は強力ですが、「自分探し」の真っ最中で、どこまで吹っ切れるかは未知数。第3巻で登場したときは、お笑い要員でかわいかったんですが。まあ今回も英雄の亡霊を呼び出して、マックのハッピーセットを食べさせたり、それを食べるのがテセウスだったりと、役柄完全放棄には至っていませんが、どうもこの辺がホビットの感想につながっていそうです。

神話のキャラクターとして目立つのは、カリュプソとアンタイオスです。カリュプソはその可憐さで、パーシーの女性遍歴(おい)のなかでもとりわけ強い印象を残したことでしょう。アンタイオスは、神話ではヘラクレスに敗れるんですが、今回はパーシーが相手。この対決はなかなか楽しませてくれます。前作で、タンタロスよりましじゃないかと思った候補のひとりにミノスを挙げたんですが、彼はクレタ王ですから、ダイダロスとの関係も浅からずで、やっぱり登場します。しかし、これがあんまりさえない役どころで(ーー;)。もうちょっとなんとかならなかったんでしょうかf^^;。

物語の終わりで、ついに黒幕クロちゃんが復活します。とうとう来るべきものが来た、というわけで、最終巻につづく。
posted by みっち | 16:15 | 読書 | comments(22) | trackbacks(0) |
LotRO NA:トログ復活
ガビラザンから逃げた黒の乗り手を追って、ヘレグロドの洞窟に入ってござる。ここはかつてドワーフの王が自らの死と引き替えにトログと申す竜を退治したものの、不吉な場所としてうち捨てられたところでござる。黒の乗り手がなにを狙ってここへ来たかわからぬが、禍々しいことに違いあるまい。

洞窟内部は、骸骨兵や邪霊どもがうようよしてござった。中心に大きな広間があり、なにやら怪しげな儀式が始まろうとしておるようだが、中に入るためには、周辺を回って3つのオベリスクを探しだし、エルベレスの御名を唱える必要がござる。まあ、鎧袖一触で倒せる敵とは申せ、数が多いためにいささか手間取ってしまった。ようやく中に入ったところ、儀式が始まってしまい、拙者はそれを見ながら金縛りにあって動けぬ有様。なんとも悔しいことでござる。

巨大な竜の死骸のそばに黒の乗り手が立ち、その命により、次々に死霊の悪しき霊魂が竜に注入されたようでござる。霊魂がぶつけられるたびに竜の死骸はのたうち、4度目にはついに起き上がった。トログが復活してしまったのでござる。しかし、竜は黒の乗り手たちの制止を聞かず、たちまち飛び去ってしまい申した。きゃつら、竜を蘇らせることはできたものの、制御することには失敗したようでござるな。あるいは、拙者の侵入がなにがしかの影響を及ぼしたかも知れぬ。

黒の乗り手は拙者に気づくと、襲いかかってきてござる。今度は逃げずにやってきおったわ。ようやく体が自由になった拙者も、ござんなれ、とばかり立ち向かってござる。黒の乗り手、いやナズグルめ、さすがに手強い相手でござった。戦いながら、こちらはしばしば恐怖に駆られて身がすくんでしまうのでござる。それでも気力を奮い立たせて戦い続けておると、急に手応えがなくなり、ナズグルの体が消えてござる。後に残るは床に落ちた黒き衣のみ。

どうやら、またしても討ち果たすことはできなかったようでござる。とは申せ、奴が体を失ったことで、霧降り山脈の魔物を糾合して裂け谷を襲う計画は水泡に帰したであろう。それにしても、あのような恐るべき輩がほかにも何人もいたとは、いかにフロドたちの旅が危険であったか、いまさらながら思い知ってござる。

(以下、中の人、みっち@エピック第5巻終了したんですが)
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posted by みっち | 10:53 | LotRO NA | comments(3) | trackbacks(0) |
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 3―タイタンの呪い』
リック・リオーダン 著、金原端人・小林みき 訳、ほるぷ出版

全5巻の真ん中。前作の終わりに復活したゼウスの娘タレイアのほか、アルテミス率いるハンター隊のメンバー、そしてグローバーが見つけ出したハーフ、ビアンカとニコの姉弟と、ぞくぞくと新しい登場人物が出てきます。そのため、初めのうちは少々とっちらかった感がありますが、物語の進行とともに徐々に整理されていき、ラストで収束、それぞれ落ち着くところに落ち着くという感じになります。

行方不明になったアルテミスを探す冒険の旅に、ハンター隊とハーフの両方から5人のメンバーが選ばれるのですが、なんと主人公のパーシーは外れてしまいます。マンティコアとの戦いでアナベスも行方がわからなくなっており、焦るパーシーですが、そこはそのままではすまないわけでf^^;。

冒険は、第1巻と似たアメリカ大陸横断の旅となり、サンフランシスコにあるヘスペリデスの園をめざすこととなります。ヘスペリデスといえば、リンゴですが、神話ではその前後のエピソードが物語に大きく関わってきます。ハンター隊の副官で、2人称に「なんじ」という古めかしい言葉を用いるゾーイがパーシーの夢に出てくるあたりから、このゾーイが何者なのかある程度見当が付いてきます。というか、パーシーが見る夢って、全貌が示されないとはいえ、すべて現実または過去の事実なんですよね。

移動途中で、ランボルギーニやマセラッティといった超高級車が出てくる場面があり、映画のロータス・カジノで出てきたマセラッティは、ここからのアイデアでしょうか? こういうゴージャスな場面は、映画に使いたくなりますよね。第2巻で登場した客船プリンセス・アンドロメダ号もまた出てくるので、映画化する場合は、このあたりが強調されそうです。

今回のボスは「将軍」と呼ばれ、ゾーイがわかれば、その正体はだいたい察しが付きます。今作の表題であるタイタンとは彼のことでしょう。黒幕クロちゃんはまだ棺桶のなかですが、今回は大覚醒とかで、モンスターたちが大量に現れることになります。とはいっても、直接対決するモンスターはそれほど多くありません。

怪物で最初に登場する強敵がマンティコアで、ギリシア神話としては活躍らしいものはありませんが、これが案外しぶとい。ほかには途中でタロスが出てきます。あとは、カドモスの竜の歯みたいにして生まれた骸骨兵。怪物じゃありませんが海神ネーレウスがホームレスの姿で出てきたのは笑いました。おなじみ、変身格闘シーンもちゃんとサービスしてくれますf^^;。

物語の終わりごろに、ビアンカとニコの父親(神)がだれなのか、わかってきます。あと、人間なのに、怪物の真の姿が見える(ふつうの人間は、「ミスト効果」で人間に理解できる範囲のものとしてしか見えない)レイチェルという女の子が登場して、今後に関わってきそうです。また、これまでちょこちょことしか出てこなかったオリンポスの神々でしたが、今作ではアルテミス、アポロン、アフロディテ、アテナなどがパーシーの前に直接姿を現し、終盤では勢ぞろいする場面があります。そうそう、やる気のない所長のミスターDも、今回やっと実力の片鱗を見せてくれました。
posted by みっち | 10:02 | 読書 | comments(0) | trackbacks(0) |
夏の雲は忘れない
女優たちによる朗読『夏の雲は忘れない』―ヒロシマ・ナガサキ1945年

2010年7月12日(月) 北九州芸術劇場中ホール

月曜日、日曜出勤の代休だったのを利用して、リバーウォークまで観に行きました。当初、夜のみの上演予定が、売り上げがよかったためか、昼の部も追加されたとのことで、おかげでみっちも昼の部に入ったわけですが、上演20分前にはもう満席でした。

演劇にはほとんど縁がなく、何度か観たときもピンと来なかったため、自分からチケットを買うことはまずありません。みっちは昔、「10フィート運動」だったかで上映された原爆の悲惨さを訴える鑑賞会に参加した際、映像を見ているうちに気分が悪くなり、席を立とうとしてそのまま気を失ってしまったことがあります。気絶したのは後にも先にもこのときだけですが、子供のころにも針麻酔の手術映像を見て脳貧血を起こしたことがありました。それもあって、映画でも戦争ものやスプラッタ系などは避けており、とくに被爆がテーマのものは極力観ないようにしています。しかし今回は、かつて職場でお世話になった方の紹介で、逃げられませんでしたf^^;。

舞台に登場するのは6人の女優たち、大原ますみ、長内美那子、川口敦子、寺田路恵、日色ともゑ、山口果林。それ以外には、地元の参加者と見られるやはり6人の女性が部分的に加わります。広島、長崎の被爆体験の朗読でした。みんなが同じ台本を読んでいるようで、ページをめくるタイミングも同じでした。舞台で活躍している方々の声は、さすがの説得力でした。

読まれるのは、ふだんエンターテインメントにしか接しないお気楽人間にとってはつらく、あまりにも重い事実です。ほとんどが肉親を失った話で、悲痛さに胸が詰まってきます。親が子を、子が親を思う、というのはどういうシチュエーションであっても泣けるものでして、正直言って、なにもこんな極限状況でそれを強調しなくてもいいのではないか、理性でなく感情に訴えるのはちょっとずるいんじゃないかとまで思うくらいでした。

しかし、戦後もう65年ですか。かつての記憶や教訓も風化してきている感もありますから、年に一度くらいは、こうやって思い知らされるのも必要なことかもしれません。出演者、関係者のみなさんには、継続的な活動に敬意を表します。現実や日常は悪夢や狂気と紙一重なのだ、とあらためて認識しました。
posted by みっち | 16:33 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
『トイストーリー3』
日曜日にわが家のホビットと3D吹き替え版を鑑賞。観に行った映画館が3D吹き替えしかやってなくて、ほかに選択肢がありませんでした。

2作目までで十分素晴らしくて、これ以上なにができるんだろうという気もしないでもなかったこのシリーズ、今回も十分期待に応えてくれました。

最初の「劇中劇」シーンは公開前からテレビでも一部見せていましたが、ここだけでも目を見張るような出来で、つかみからして素晴らしいです。今回はおもちゃたちの持ち主であるアンディが大学生になるということで、いままでほとんど描かれなかった彼の内面もわかるようになっています。

おなじみの顔ぶれが、仲間のピンチを力を合わせて切り抜けていくのは感動的ですし、今回、もはやこれまで、というところでの場面は涙なくしては見れません。しかも、最後にウッディのメモ(なんと書いたかは明かされない)を見たアンディがとった行動がいいですねえ。終わってみればなるほど、ですが、まさかこうなるとは予想できませんでした。脚本が実によく練られています。

いちばんおかしかったのは、やっぱりバズですね。宇宙野郎ネタで笑わせるのは毎回ですが、今回はそれに加えて新たな能力、スペイン語モードがさく裂します。ここはまったくもってツボで、みっちはお腹が痛くなるくらい笑いました。エンディングの歌もこのノリで、スパニッシュギターのリズムに乗って歌われますが、もしかしてジプシーキングス?

ウッディとバズの吹き替えが唐沢寿明と所ジョージの初期メンバーに戻っているのもよかった。所ジョージのバズは、これ以外考えられないくらいはまっていますからね。

初体験の3Dについては、なかなか効果的だったと思います。方式の違いもあるようで、今回がどれだったのかまではわかりませんが、メガネは軽くて、それほど負担ではありませんでした。が、ホビットみたいにメガネ自体かけ慣れない子供だと、ちょっと抵抗あるみたいです。よく「飛び出す」といわれるんですが、個人的には奥行きの表現性が増したように思うので、むしろ「引っ込む」の方が適切な気がします。でも売り文句には使えないかf^^;。あと、偏光グラスのために画面がやや暗く、コントラストが弱くなること、シネスコなのに左右の幅が狭く感じられること、などはデメリットじゃないでしょうか。これらは今後の進化を期待したいところ。
posted by みっち | 12:10 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 2―魔海の冒険』
リック・リオーダン 著、金原端人・小林みき 訳、ほるぷ出版

デュマの『三銃士』を再読中ですが、わが家のホビットが図書館から「パーシー・ジャクソン」シリーズを借りて読み出したので、これにみっちも便乗することにしました。というわけで、『三銃士』はしばし中断。

シリーズ第1作目は、映画を観た後で読んだんですが、ギリシア神話の世界をしっかりふまえていて好感を持ちました。つづく第2作目は「魔海」というわけで、舞台は海。主として『オデュッセイアー』からのネタがいっぱい出てきます。冒険の目的である金羊毛は、こちらも航海ものであるアルゴー号の冒険譚から取られています。といっても、航海するのは地中海ではなく、バミューダ・トライアングルですが。こういう換骨奪胎がこのシリーズの特徴で、なかなか楽しい。

物語はポセイドンと人間の子供パーシーの一人称「おれ」の目線で描かれます。パーシーは育ちがあんまりよろしくなくf^^;、要するに悪ガキで、実際に口に出すものも出さないものも含めて悪態をつく場面が目立つんですが、この言いたい放題さかげんが笑えます。メインストーリーは金羊毛の探求ですが、これに前作の仲間でサテュロスのグローバー救出がからんできます。さらに今回、新たな仲間としてパーシーの「兄弟」が登場して、この兄弟間の関係というか、受容の過程も加わります。この兄弟がパーシーに盾を作ってくれたり、パーシーがヒュドラと戦ったりするあたりは、第1作の映画化の際に部分的にアイデアが取り込まれています。してみると、劇場版のシリーズ化は予定されていないか、または原作どおりには進まないのかも。

アテナの娘アナベスも前作同様に活躍して、パーシーがうっとりするくらい美しさを発揮する場面などもあるんですが、物語の最後に、今後重要な役回りになるに違いない人物がまたひとり増えて、紅一点じゃなくなる予感。クラリサもいるだろ、というツッコミは受け付けません。

登場人物(神・怪物含む)のなかで精彩を放っているのは、やはりCCことキルケでしょうね。堂に入ったエステティシャンぶりは、前作のMおばさん(爆)に匹敵する存在感です。あと、ケイロンの後任としてハーフ訓練所の教頭になるタンタロスもいい味出しています。ずっと食べ物や飲み物を追いかけて、最後にやっと、と思ったらf^^;。ていうか、そもそもなんでタンタロスが地上に呼び戻されたのかがわかりません。物語中で本人も話してますが、およそ教育的でないエピソードの持ち主です。冥界から連れてくるなら、審判やってるアイアコス、ミノス、ラダマンテュスの中からひとり引き抜いた方がお似合いだろうと思いますが。死者が多すぎて、3人じゃ手が足りないのかな? 待てよ、所長のミスターDが禁酒中なので、飲めない奴ということで選んだのかも。あり得るf^^;。あと、本命の黒幕クロちゃんは、現在じわじわ復活中で、本格的な活動はまだ先のようです。

ひとつ気になったのは、アナベスが金羊毛の由来を語る場面で、羊に乗ってコルキスに飛んだのがカドモスとエウロペだとしていることでした。神話では、羊に乗ったのはアタマースの子供たち、プリクソスとヘレーです。ヘレーは途中で海に落ちてしまい、ヘレースポントス(現在のダーダネルス海峡)という名が残っています。カドモスはテーバイの創建者で、アタマースの後妻となったイーノーの父親なので、まったく関係ないわけではないのですが、イーノーは前妻の子であるプリクソスを迫害した側ですからね。それがどうして? と考えたところ、イアーソーンとアルゴー号の冒険では、コルキス王アイエーテースがイアーソーンに出した課題として、耕した地面に竜の歯を蒔くと、そこから兵士(スパルトイ)が飛び出してきて戦いになるというものがあり、この竜の歯がカドモス由来なので、このあたりで作者に混同があったのかもしれません。
posted by みっち | 19:02 | 読書 | comments(0) | trackbacks(0) |
LotRO NA:椅子とハンモック
今回はRPじゃなくて、いきなり中の人でf^^;。

夏祭りでもらえるアイテムに、椅子とハンモックがあります。椅子は庭用と部屋用の2種類で、庭用は苔むした籐椅子、部屋用が白い籐椅子です。それぞれおうちに飾ってみました。

苔むした籐椅子。本当に苔むしていて、年代物っぽいというか、年代物すぎではないかと……。形がゆがんでるし、緑色のどろどろがあちこちにへばりついているので座るのに抵抗があります(爆)。Pecoに座らせてみました。魚釣りの後で、釣り竿を持ったままなのはご愛敬ということでf^^;。

ハンモックのそばでくつろいでいる感じで、なかなか絵になります。これ実は、座ってる人がいないと、椅子が景色に溶け込んでしまって存在がわかりにくくなります。


もう1脚の白い籐椅子は室内なので、ベッドのある部屋に置いてみました。こちらは腐ってなくて(爆)、レトロっぽい優雅な雰囲気になります。これもいいですね。できたら、こっちを庭に置きたいんですが……。
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posted by みっち | 16:29 | LotRO NA | comments(0) | trackbacks(0) |