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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
ワーチャル弦
金曜日の練習中にチェロのA弦が切れてしまい、土曜日に全弦張り替えました。

みっちのチェロ「クー」は、2年前に博多の石田ヴァイオリンで購入したもので、弦はそのとき張ってあったまんま。替えなきゃなあとは思ってたんですが、A、Dのヤーガーはまだしも、G、Cはスピロコアのウォルフラムというタングステン巻きの高級弦で、先立つものが……。行けるとこまで行ってやれ、とずるずる引き延ばして、このごろさすがに音程感がなくなってきたかもと思っていたところでしたf^^;。A弦が切れたのは、寒さもあったと思います。

替え弦ですが、ワーチャルにしてみました。スロバキア製で、Warchalと書いてワーチャルと読むらしい。というようなことは後で調べてわかったので、その時点では見たことも聞いたこともありませんでした。ヴァイオリン弦などは前から出ていたようですが、チェロ弦としては新しく、お店の価格表にもまだ乗っていなかったそうです。ブリリアントというクラスで、いまのところチェロ弦はこれだけのようです。金額的には、高級弦というほどではなく比較的お手頃で、それもあって試すことに。

線はシンセティック・ファイバーとあり、ナイロンでしょうか。ナイロン弦ならドミナント以来の体験です。ヤーガーがスチール弦の中でも張りがきつい弦だったため、A、D弦はとくに当たりが柔らかくなった感じ。これは弾きやすさにつながってありがたい。音量は十分で、中低域はこれまで並かそれ以上に鳴っています。倍音成分が豊かに聞こえるのは、前の弦が2年ものということもあるかもしれません。A弦のハイポジはそれなりに伸びていますが、ヤーガーのときほどのハリ、輝かしさはありません。音質的には、張力が低いためか開放的で穏やか。悪く言うとボヨーンとした音です。ただし、A、D弦はアルミ巻きのため、とくにA弦はシャリシャリ音が耳に付きました。まあ、これは弾いている人間しかわからないかも。あと、ウルフ音については、以前はD、C弦のFあたりでガサついていたのがほとんど気になりません。これならキラーなしでいけそう。

以上は、張った直後の印象です。弦の音質は二、三日で変わることがあります。弦がどんどん伸びてきているようで、月曜日のきょうになっても各弦とも音程が下がっていました。もう少し経って、落ち着いたらまた報告するかも。
posted by みっち | 19:21 | cello | comments(4) | trackbacks(0) |
LotRO NA:漁夫の利
「この王様の幽霊の話は、いつごろのこと?」。「拙僧もよく知りませぬが、北方王国が滅んだ後もドゥーネダイン王家の血筋は残ってゲリラ化したようで。いまから何世代も前のことじゃと思いまする」。「ゲリラって、もしかして野伏のことじゃない?」。「そうともいいまするな」。「ということは、この幽霊は、馳夫さんの遠いご先祖?」。「ははあ、そういわれてみると、どことなく似たところがあるような」。「ふふふふふ、ここでご先祖様を味方に付ければ、アルウェンにだって対抗できるかもよ!」。「食いついたのは、そこじゃったか」。「なによ。そういう十休だってナルメレスにメロメロだったじゃない。そういう不純な動機で行動すると、よくない結末が待ってるのよ」。「いやあれは、まだ事情を知らぬときの話で。ていうか、人のこといえる立場じゃろうか」。「私はこれ以上ないくらい純粋よ。黙ってなさい」。「……」。

「ずいぶんロスソス族にこきつかわれましたなあ」。「いいんじゃない? 彼らとは同盟してるわけじゃないし、見返りを求められたらやるだけ」。「アラゴルン殿のことになるとずいぶん熱心におなりじゃ」。「あら、だれがそんなこといった? 目的はアマルシエルを止める、それだけよ」。「なるほどなるほど、そういうことにしておきましょうぞ。それにしても、こんな寒いところに指輪の片割れがあるんじゃろうか」。「見て、モルドランボールが来てる。ここで間違いないようよ。でも、来るのが一歩遅かったかも」。「あのアングマリムのふてぶてしい態度、むかつくんじゃが」

「覚悟しなさい、モルドランボール。イヴンディムで殺された野伏の恨みもここで晴らす」。「ありゃりゃ、三冬様。ロスソス族の女魔法使いが」。「あら、彼女はさっき、もう進めないから待ってるって、えー!!!」。「なんと、こやつアマルシエルじゃったか!」。「相変わらず変装が好きね。なんだかおかしいとは思ってたのよ。ロスソスとは関係ないはずの大昔の話に詳しいし」。「仲間割れじゃ。モルドランボールがぶっ飛ばされましたぞ。いい気味じゃ」。「おかげで手間が省けたわね。アマルシエルもモルドランボールを追いかけて行ってしまったし、いまのうちに指輪をいただきましょう」。「漁夫の利とはこのことよ。ダークサイドに堕ちると、こういうことがよくあるんじゃよ」。「気をつけなきゃね、十休」。「なんで拙僧じゃあ!」。

(以下、中の人、みっち@Mifuyu Lv.45クラスクエスト完了)
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posted by みっち | 09:04 | LotRO NA | comments(2) | trackbacks(0) |
クーシストらによるシベリウスのピアノ三重奏曲ほか
CD13
1. ピアノ三重奏曲 ニ長調 JS209「コルポ」
2. ピアノ五重奏曲 ト短調 JS159
3. アシスの気取った行進曲「音楽好きの与太者」 JS116(ピアノ三重奏のための)

(1.3) ヤーコ・クーシスト(Vn)、マルコ・ユロネン(Vc)、フォルケ・グレースベク(Pf) 2002年録音 
(2) ヤーコ・クーシスト(Vn)、ラウラ・ヴィークマン(Vn)、アンナ・クレッタ・グリヴァイェヴィチ(Va)、ヨエル・ラークソ(Vc)、フォルケ・グレースベク(Pf) 2005年録音
(BIS 1697 「ジ・エッセンシャル・シベリウス」15CDより)

BISのボックス「ジ・エッセンシャル・シベリウス」15枚組の13枚目。ピアノを含んだ室内楽3曲が収録されています。12枚目の弦楽四重奏と比べて、ピアノが入ると全体に華やかな印象があります。

ピアノ三重奏曲「コルポ」は3楽章構成。コルポという標題が付いていますが、どういう意味なんでしょうか? この曲は、前回のイ短調弦楽四重奏曲よりさらに前の作品かと思います。

第1楽章は明るく古典的でベトベンやブラームスに近い。フィナーレはロンド形式の愛らしい音楽で、サロン的な雰囲気も感じさせてフォーレの初期室内楽作品を思い起こさせます。シベリウスもこんな音楽を書くんだなあ。しかし、第2楽章はやや異質で、基本的には愁いを帯びつつも軽い音楽だろうと思って聴いていると、雲行きが怪しくなってきて停滞します。後半は違う音楽になっているっぽい。あるいは緩徐楽章とスケルツァンドな音楽の合体を意識したのかもしれませんが、15分もかかってしまうのは、バランス的にどうかとf^^;。しかも、最後は切れ目なくフィナーレにつながっているため、休めません。部分的には美しいだけに、詰め込みすぎが惜しい。なお、クルマだと第2楽章のひっそりした部分はほとんど聴き取れなくなるので、つかめていないことがあるかもしれません。

ピアノ五重奏曲は、JS番号ではピアノ三重奏曲より若いのですが、作曲時期はおそらく後でしょう。すでに習作の域を脱しており、それまでの集大成的音楽のように思われます。シベリウス独自の音楽と北欧的な響きを打ち出していて、魅力的。もっと聴かれてよい曲ではないでしょうか。

とくに素晴らしいのが、第1楽章の開始部分でしょう。ここは序奏で、劇的なリズムと和音進行が、フィヨルドの海岸に波が打ち寄せるような効果を出しています。主部の決然としたピアノ主題は序奏の動機をそのまま使っています。第2主題はヴィオラで、特徴的な半音下降がかっこいい。ただし、この演奏でのヴィオラはクルマで聴く限り、やや線が細いかも。コーダがあっさりしているのもシベリウス的です。第2楽章は間奏曲のような音楽で、優美な進行が心に残ります。単独に取り出して演奏してもいいと思うくらい。第3楽章は、弦のコラール主題Aとピアノによる明るい表情の主題Bに基づく変奏曲のようです。このコラール主題、沈痛な表情を湛えているんですが、みっちの耳には♪線路はつづくーよ、どーこまでもー、に聞こえます(「空耳アワー」かい)。第4楽章は快調な舞曲。ここまで聴いて気づいたのは、つまりこの曲は、第2楽章と第4楽章を軽めの短い曲にすることで、全5楽章のシンメトリーを形成しており、後の弦楽四重奏曲「内なる声」の先駆けとなっています。終楽章は独特で、みっちはまだこの楽章の構成をうまく把握できていません。荒波のように揺れる主要主題で基本的には一貫していますが、途中にエピソードが2つ?挟まれているようです。とくに後の方は、明るくなり、スケールの大きなクライマックスを築いて長和音で収束するため、ここで終わったとしても不思議ではありません。ところが何事もなかったように主要主題が復活して、そこからラプソディックに盛り上がっていきます。最後はやっぱりシベリウスで、短調で締めくくります。この、いったん凱歌を上げたように感じさせながら、それを一からやり直すような終わり方に納得がいくかどうか、微妙なところですが、楽想そのものは充実していて、訴求力は十分です。

最後はピアノ三重奏の編成で演奏される行進曲「音楽好きの与太者」。タイトルからしてユーモラスですが、音楽も諧謔味にあふれていて、これまたシベリウスがこんな音楽を、と驚きました。中心主題はブラームスの二重協奏曲のフィナーレ主題をもっと大げさにした感じです。ブラームスのもふざけていると思う人がいるくらいですから、こちらはいうまでもないかも。アンコールピースによさそうです。

演奏は、ヴァイオリンとピアノ奏者が共通していて、基本的に同傾向といってよいでしょう。かっちりした音楽で、よく歌っていると思います。ピアノ五重奏曲は、もっと振幅を大きくした演奏もおもしろいかもしれません。ただし、クルマで聴いた印象なので、あまり当てにならないかも。
posted by みっち | 20:44 | CD・DVD | comments(0) | trackbacks(0) |
LotRO NA:ナルクイルの指輪
エピッククエスト第10巻 アンヌーミナスにて
「ライルダンもアンヌーミナスにきてたんだ! どうやらアマルシエルと訳ありみたいね」。「あんな鬼婆のおっかけとな!? くわばらくわばら、エルフは悪趣味じゃなあ」。「ライルダンだって人間ならよぼよぼを通り越してるんじゃない? それに、アマルシエルがお婆ちゃんとは決まってないわよ」。「鬼婆でなければドクロ婆じゃな。やや、三冬様、ライルダン殿が敵を引きつけている間に急いでパランティアの石を取って逃げろと仰せで」。「パランティアって、あそこの占いの水晶みたいなの?」。「水晶よりよほど価値のあるものじゃとか」。「ライルダンはどうするつもり?」。「残って鬼婆やアングマリムどもを止めるおつもりのようで」。「残るって、いくら強いエルフでも無茶だわ。ああ、でももうわけを聞いてるヒマがない。十休、走るわよ」。

エピッククエスト第11巻 デロッサドにて
「これは、過去の幻?」。「な、なんと美しいエルフじゃ」。「ライルダンも隅に置けない、と思ったら、父娘なのか」。「正直、拙僧、惚れ申した」。「はあ?」。「いや実に美しい。しかるにライルダン殿、娘御を監禁プレイとは。趣味広すぎでドッキドキじゃ!」。「なに一人で盛り上がってるのよ。それにあなた、出家の身なんだから、煩悩を抑えるのが務めでしょ」。「ライルダン殿、サラ婆さんなんぞより拙僧にお手伝い、いややっぱりダメじゃダメじゃあ!」。「なんか葛藤中みたいね。それにしても、このナルメレスってエルフ、自分が自分でない様子だわ」。「虐待で二重人格になったんじゃ」。「逆よ。様子がおかしくなったからここに閉じ込めた。その原因はわからないけど。あっ、あれはモルディリス! 迎えに来た」。「行っちゃダメじゃああ。よりによってアングマールとは!」。「つまり、ナルメレスがアマルシエルだったのね」。「なんとおお、鬼婆と思ったらあんな美女じゃったとは。十休大ショックなりー!」。「もう、うるさいから引っ込んでなさい。これで事情が少しわかってきたわ」

エピッククエスト第12巻 裂け谷にて
「ライルダン殿を救出した上、ナルクイルの半分を手に入れるとは、とんとん拍子できましたなあ」。「うん、ここまではね。もしアマルシエルが指輪の残り半分を手に入れたとしても、それだけでは力は発揮できない。けど、モルドランボールに逃げられたこともあるし、やっと釣り合ってきたともいえる」。「エルロンド様が開かれた会議では、ライルダン殿は指輪に執着してエルベレスの名にかけて誓言までされましたな」。「彼は、戦いのためというより、アマルシエルを元のナルメレスに戻したい一心なのよ」。「なにしろ別嬪さんじゃから、あいたっ。じゃなくて、エルロンド様も御懸念のとおり、指輪の力が敵に渡る危険を考えれば、できぬ相談じゃなあ」。「わからないのは、アマルシエルだけじゃなくて、ライルダンまでどうしてあの指輪にこだわるのかってことよ」。「母親の形見とかじゃろうか?」。「きっとまだいわくがあるんだわ。指輪の残り半分の行方を追えば、またわかることがあるかも」。

(以下、中の人、みっち@Mifuyu エピッククエスト進行中)
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posted by みっち | 08:22 | LotRO NA | comments(0) | trackbacks(0) |
未完成な「未完成」
ベタですみません。最近、チェロのレッスンでオケの曲目をさらわせてもらうことが多いんですが、年明け一発目のレッスンで先生から「未完成は、未完成?」と聞かれましてf^^;。はい、たぶん完成しないと思います(爆)。

この間、2回オケ練習がありました。パート譜で5ページと短いので、流れはほぼつかめてきたと思います。弾けないところはけっこうあって、第1楽章の第2主題の音程が決まらない(とくに再現部が難しい)のと、第2楽章では短調部分、32分音符で荒れ狂うところ、これもとくに後半が難しくてテンポに乗れません。逆にいうと、ここさえ乗り切ればあとはだいたいいけるので、挑戦していこうと思います。

それにしてもホ長調って、イ長調より♯が1個増えただけなんだけど、弾きにくいよ〜。♯も♭も3つまではなんとか対応できるんですが、4個以上になると、とたんに混乱(ーー;)。

以下余談(の方が長かったりする)。この曲は、LP時代にはA面「運命」(ベト5)・B面「未完成」(当時は8番)というカップリングで、「クラシック入門」の定番中の定番ともいうべき存在でした。かくいうみっちも、ベト5でクラシックにはまった人間ですが、「未完成」は「こんな暗い曲の、どこがいいんだろ?」みたいな、いまひとつピンと来ない思いがありました。CD時代以降は「運命」も凋落傾向というか、かつてのようには演奏されなくなり、「未完成」の方はそれ以上で、番号もあやふやf^^;だし、いまやマイナー曲といってもいいぐらいではないでしょうか?

ご存じの方もおられるでしょうが、シューベルトの交響曲は、旧ブライトコップ版でディミヌエンドとされていた箇所が、新版ではアクセントに修正されたという経緯があり、この曲の場合、10カ所くらいあります。シューベルトの手書きでは、アクセント記号を長く書くクセがあるようで、出版の過程でディミヌエンドと判断されたらしい。旧版ではfpの直後にディミヌエンドがあったりして、矛盾とまではいえないにしても、あまり効果的でないと感じられたところがこれで解決できるようです。

ディミヌエンドとアクセントは、効果としては強→弱になる傾向がやや似ていますが、ダイナミクス・レベルはアクセントが強く、意図としてもより積極的なわけで、ほとんどのところで力強い感じになるでしょう。例えば、第1楽章の終結が該当箇所で、違いがわかりやすいと思います。もちろん、旧版でも必ずしも記号に忠実に従わない場合もあったでしょうし、アクセントの付け方もひととおりではないため、実際の演奏でどれくらい違うかは微妙なところですが、もしかすると曲のイメージが変わるかもしれません。
posted by みっち | 20:16 | cello | comments(0) | trackbacks(0) |
LotRO NA:サラ・オークハートの正体
「ライルダンの見立ては間違ってなかったわね。ゴロディアの装備を取り戻してあげたら、彼の気力が戻ったわ」。「効果てきめん! しかし、いきなりモルディリスと雌雄を決しようとは、大丈夫じゃろうか?」。「いいんじゃない? ぐずぐずするより」。「愛娘のローニエル殿を眼前で殺された心の傷はまだ癒えておらぬと拙僧は見ておりまする。やや、果たしてローニエル殿の亡霊がゴロディア殿にとりついておりますぞ」。「モルディリスの仕業だわ。亡霊をやっつけるのよ」。「成仏しなされ、ローニエル殿。なむー」。「初めて念仏らしく聞こえたわよ」。「ひどいいわれようじゃ!」。「十休、亡霊がまた出たわよ!」。「むむ、こうなったら出血大サービスじゃ。なむなむ、なむなむ、なーむなむ!」。

「念仏、効き目あったみたいね」。「本当じゃろうか?」。「自分で信じてないわけ? とにかく、モルディリスに勝ったわ」。「いや、ゴロディア殿がとどめを刺したように見えましたが、まだ生きておりますぞ」。「しぶといわね。でも今度は逃がさないわよ」。「む、なんじゃこの婆さんは! どうやってきた?」。「この人、どこかで見たことがあるような」。「アムディア殿のいた洞窟にいっしょに捕らわれておった婆さんでは?」。「サラ・オークハートだわ! サラ、ここは危ないわよ。うわあー」。「なにをするんじゃ、婆さん。三冬様、しっかりなされませ」。「大丈夫よ。なんともない。でも、モルディリスが逃げてしまった!」。「あの婆さん、いったい何者じゃ?」。

「サラ・オークハートからのご招待ですと? そんでもってサラダとグラタンですと?」。「そうよ。わざと間違えないでよね。バラド・グラランよ」。「あの婆さんはただ者ではありませんぞ。罠に決まっておりまする」。「たぶんね。でもせっかくのお呼ばれだし、グラランの塔の中を案内してもらえたら助かるじゃない?」。「生きて帰れませんぞ」。「そのときは死んで帰るからいいわよ」。「……。身も蓋もない。まあ、行ってみないことには話がすすみませぬからな」。「身も蓋もないのはどっちよ。じゃ、行くわよ」。

「こりゃ大変なところじゃ。巨人やゴルトログがうろうろしておる」。「十休、こっちは手薄そうよ」。「おお、あそこで婆さんが手招きしておる。まるで賽の河原のようじゃ」。「きゃあー。敵が勢揃いしてるじゃない」。「だから罠だといったんじゃ」。「もう遅いわ。覚悟を決めてすすむのよ」。「三冬様、もしかすると、カルン・ドゥームにあった二つの玉座の意味するものは……」。「そういうことだったのね。アマルシエル!」。「モルディリスの相方じゃったか。あわわ、三冬様! なむなむ〜」。

「ハッ。ここは?」。「気が付かれましたか、三冬様。ガス・フォルスニーアの近くじゃ」。「助かったの?」。「すんでのところを拙僧の念仏でワープじゃ」。「……。まあ、そういうことにしといてあげるわ。どうせワープするなら直接ガス・フォルスニーアまでしてよ」。「いやその、不思議な力というものは繊細で、使うところを人に見られると失われたりしますのじゃ」。「はいはい。いろいろ都合があるのよね」。「なんか、まるきり信じてない態度じゃ」。「そんなことないわよう。十休てすごーい。なむなむ、ぴょーん、だもん」。「……もう、なにがあっても知りませんぞ!」。

(以下、中の人、みっち@Mifuyu エピック第10巻へ)
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posted by みっち | 08:52 | LotRO NA | comments(0) | trackbacks(0) |
『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
わが家にブルーレイ・レコーダーがやってきました。以前、地デジに対応した液晶テレビに替えたとき、DVDの再生画質にがっかりしたことがあり、「やっぱりブルーレイでないとダメなのか?」と思っていました。今回の導入にあたって、ブルーレイ・ディスクの購入第1号となったのが、『トロピック・サンダー』です。初っぱなから嗜好丸出し(爆)。

『トロピック・サンダー』は、つい最近上映されてたんじゃなかったかな? 出るの早い、と思ったけど2008年冬日本公開で、もう2年以上前。『ナイトミュージアム』のベン・スティラー主演・監督によるおバカ戦争映画(正確には戦争じゃないけど)ということで、劇場で観たい気がしていたまま、忘れてましたf^^;。気づいたら、すでに安売り(爆)。

まず、お目当てf^^;のBR画質ですが、緻密でくっきりと美しく、さすがです。序盤、『地獄の黙示録』や『プラトーン』をパクったであろう(よく知らないf^^;)攻撃ヘリによる銃撃シーンでの、ジャングルの緑を背景にした爆発など鮮烈そのもの。その後につづく、グロくておバカなシーンまでが目に鮮やかすぎて、観ていたホビットといっしょにわーわー大騒ぎしました(爆)。映画の前半は食事を控えた方がいいかもf^^;。うーん、これ観たらもうDVDには戻れません。手持ちDVDのうち、少なくとも『LotR』三部作はSEEで買い直す必要があります。まだCEしか出ていないみたいですが、CEの需要あるんでしょうか?

映画のつもりが本物だった! という趣向は、邦画『ザ・マジックアワー』が記憶に新しいところですが、本作では、ベトナム戦争の「実話」を原作とした映画撮影のための現地ロケという設定です。三谷作品のように手作りのセットでなく、全面ロケを敢行してしまうのがアメリカンf^^;。とはいえ、ベトナム戦争はもう終わっているので、「本物」の代わりとして、ジャングルでヘロインを密売する武装集団が登場します。ここが「戦争」映画とはいえない理由です。まあでも、似たようなもん? あと、なんで子供?

前半は、役者たちを中心とする、認識と現実のギャップで笑わせてくれます。『ザ・マジックアワー』もイタかったけど、同じ勘違いがネタだけに、共通するイタさ。この状況でいったいどう収拾つけんだよ! という思いにさせられるのも『ザ・マジックアワー』同様です。この2作、どっちが先でしたっけ?

同時に、現実の過去の映画や、出演している「役者」たちの架空の「過去の出演作品」が入り乱れてネタにされてます。彼らの過去の出演作は、冒頭に予告編よろしく紹介され、トビー・マグワイアがカメオ出演していたりと作り込まれているため、実際にある上映前の予告編と混同してしまいそう。後半は、個性的な登場人物たちの内面も打ち出しつつ、もはや制御不能な状態なのに脚本どおり進行してしまうおかしさと、カオスなままの力ずくな盛り上がりに腹を抱えます。

主演のベン・スティラーをはじめ、熱演ぞろいです。男ばかりな出演者に、まともなキャラはいません(いや、一人いたかな?)。とくに、デブさと下ネタがウリな俳優役は、暑苦しいハイテンションで文字どおり体当たりの演技です。この人、別の映画で見た、と思っていたら、PJ版『キングコング』の監督でした。役作りのために整形までして黒人に徹するオスカー俳優役は、整形(どこ?)したというのもうなずける変身ぶりで、素と比べて同一人物とはとても思えません。この人もどっかで見たことがあると思っていたら、『アイアンマン』でした。原作者役のニック・ノルティも、クセのある人物を嫌らしく演じてます。なんというか、みなさん芸域が広いですなあ(爆)。あと、冷酷かつ傍若無人な罵倒で際だっていたプロデューサー役、なぜか踊ったりして、この人もなんかどっかで見た気がする、と思っていたら、エンドロールの種明かしでびっくり! 「気がした」わけだよ。

というわけで、おバカ映画なのに豪華で映像の質が高いという、ぜいたくな作品で、残念?ながらB級とはいえません。準「戦争もの」としては死者が意外に少なく、みっちの知る限り、犠牲者は例のあの人1名だけで、実はこれも偶発事故によるものでした。ただ、ほとんどギャグとはいえ、全編下ネタ満載なのと、前半のグロい場面は抵抗あるかも。
posted by みっち | 20:32 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
テンペラ四重奏団によるシベリウスの弦楽四重奏曲集
CD12
・「モデラートとアレグロ・アパッショナート」 嬰ハ短調 JS131
・弦楽四重奏曲 イ短調 JS183
・弦楽四重奏曲 ニ短調 作品56「内なる声」

テンペラ四重奏団 2004年録音
(BIS 1697 「ジ・エッセンシャル・シベリウス」15CDより)

購入したものの未聴だったCDをまた聴き始めました。といっても、通勤中のクルマで流しているので、音質的にはこれまでとはほど遠い状態です。家の装置で聴くとまた違う感想になる可能性ありf^^;。

ボックス「ジ・エッセンシャル・シベリウス」15枚組の12枚目。シベリウスの弦楽四重奏曲を集めています。シベリウスの室内楽曲はいずれも初めて聴きました。

1曲目は「モデラートとアレグロ・アパッショナート」。初期の作品と思われます。序奏付きのソナタ形式で提示部が繰り返されます。主部は流麗・爽やかで、叙情的な序奏も含めてメンデルスゾーンやグリーグと近い世界。ところが展開部に入ると、素材は同じものを扱っているのに様式的に違うというか、異質な重みが感じられます。このあたりのギクシャク感は第1交響曲とも似通っていると思いました。

2曲目はイ短調の弦楽四重奏曲です。やはりロマン派の延長線上にあると思わせる音楽ですが、典雅な曲調で様式的にも一貫しており聴きやすい。第1楽章では、ヴァイオリンの高域を生かして粉雪が舞い踊るようなひんやり感が心地よい。第2楽章は穏やかな和音進行、第3楽章はメヌエットかワルツのようです。フィナーレでは民謡的なリズムを前面に押し出します。これで第2楽章にもう少し明確で親しめるメロディーがあったら、ポピュラー名曲に仲間入りできたのではないかと思います。

3曲目は作品番号付きのニ短調弦楽四重奏曲。この曲は5楽章構成で、第3楽章を中心としたシンメトリックな配置になっているようです。タイトルは「親愛な声」がふつうな気がしますが、HMVでは「内なる声」となっています。曲を聴く限りでは、親愛とか親密といったイメージではないので、「内なる」も悪くない。

第1楽章は、ヴァイオリンとチェロ(?カーオーディオでは聞き分けにくいf^^;)の対話で始まります。この冒頭からして、イ短調四重奏曲と比べて深化しており、振幅が大きくなっていることが明らかです。その後も断片的な音型を積み重ねて音楽が生成し、各楽器が独立して動くかと思えば、一転してコラールに収束してユニゾンで締めくくるあたり、まさに「シベリウス印」。第2楽章は急速なスケルツォで短い。第3楽章は、長大で張りつめた歌が第4交響曲の緩徐楽章を思い起こさせます。こちらの方が交響曲よりは情感がありますが。第4楽章は重々しい舞曲。終楽章では民族舞踊のように始まり、途中からストレッタとなって急迫します。この後半の展開はスリリングです。構成面や性格的に、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲とも通じる雰囲気があります。

どれもいい曲なのに、ほとんど聴く機会がないのは、3曲とも短調で終わってしまうため演奏会向きでないと思われてしまうことがありそうです。シベリウスの場合、第1楽章が短調で開始されたものは、フィナーレのラストも短調で終わるのがお約束のようで、ぐるりと環を描いて閉じるような印象を与えます。

テンペラ四重奏団については情報を持っていませんが、表情豊かで鮮やかな演奏です。シベリウスの音楽はお手のものなのか、4人の呼吸がぴったりで技術的にも素晴らしい。とくに第1ヴァイオリンは透明感のある美音で、音楽の魅力をよく引き出していると感じました。
posted by みっち | 14:52 | CD・DVD | comments(0) | trackbacks(0) |
長崎で一泊
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお引き立てのほどお願いします。2011年初の画像は、長崎にある諏訪神社。

というわけで、お正月に長崎に行ってきました。NHK大河「龍馬伝」の影響もあり、宿の予約は無理だろうと思っていましたが、かえってとりやすかったらしい。

正月1日の午前中に出発したところ、九州北西部は大晦日からの雪で、基山PAで昼食休憩をとった時点で長崎方面の高速道路は寸断状態。たどり着けるのか? 天気は徐々に回復してきて、不通だった道路の解除情報がリアルタイムで入ってきて、ある程度はつながってきたものの、結局北の長崎バイパスから市内に入る迂回ルートとなり、この日はどこも見ずにそのまま宿の稲佐山観光ホテルに入りました。

ちなみに、基山で休憩にしたのは、わが家からだと長崎までの中継地点としては古賀SAがちょっと近すぎるからですが、基山はPAながらSAなみに施設が充実しています。ないのはガソリンスタンドかな? このことが帰りに少々影響しました。

ホテルは稲佐山の中腹に立地していて、もう少し時間が早かったらチェーン規制されていそうな雪道でした。チェーンを持っていないので出たとこ勝負。長崎では10年ぶりぐらいの積雪だったそうで、部屋の窓から見下ろせる市内も雪景色です。ホテルには露天風呂のある浴場と展望大浴場の2カ所があり、ホビットとふたりでハシゴしましたf^^;。大浴場では、湯船に浸かりながら市内の夜景が楽しめます。
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posted by みっち | 19:39 | 近況 | comments(2) | trackbacks(0) |