北九州混声記念合唱団による、ラター『マニフィカート』ほか
2011.06.27 Monday
第1ステージ「日本の作曲家VI 清水脩」
・組曲『おかあさん』より
・組曲『廟堂頌』より
第2ステージ
・廣瀬量平:混声合唱組曲『海鳥の詩』
第3ステージ
・懐かしい日本の歌
第4ステージ
・ラター:『マニフィカート』
北九州記念混成合唱団
中山敦指揮、メモリアルアンサンブルほか
2011年6月26日(日)、アルモニーサンク 北九州ソレイユホール
二週連続で、中山敦先生の指揮する合唱の演奏会を聴きました。聞けば、中山先生は山口から福岡まで13団体を指導しておられるそうで、こんな風に演奏会が連続するのは珍しくもないのかもしれませんが、すごい集中力だなあと感嘆するばかりです。
第1ステージは日本の作曲家を扱ったシリーズもので、今回は清水脩作品。合唱曲に疎いみっちは全然知らない人です。組曲ふたつともがアカペラ作品でした。簡潔で象徴的な曲ですが、伴奏がないため、曲の輪郭を示すのが難しいと思います。発声はかなり明瞭でしたが、それでもみっちの中で音楽として消化するまでにはいかなかった感があります。
2ステ、3ステは、副指揮者の安高信雄さんが指揮台に立ちました。『海鳥の詩』は、ピアノの比重がかなり高い曲で、出だしからソリスティックなパセージ、そして荒ぶる日本海を表すような波音型が奏でられます。しかし、せっかくの響きがこもった感じでした。合唱の方には申し訳ないですが、ピアノの蓋を全開にして協奏曲風にやったらどうかと思いました。3ステは、肩の凝らない選曲で、いまや懐メロと化したかつての流行曲。編成に変化があって、楽しめました。
ジョン・ラターは、作曲家としてよりもフォーレのレクイエムの校訂者としての方が有名かもしれません。みっちはラター作曲のレクイエムを聴いたことがあります。いかにもイギリス風な渋い作品でした。今回は祝典的なマニフィカートということで、どんな曲かと思ったら、びっくり! いきなり軽快な3拍子のリズムで走り出し、ラテンのノリ全開です。南米風『ラ・マンチャの男』のような音楽。こんな異国情緒な宗教曲って、ヴィラ=ロボスなら書いてるかな?
曲はオケ伴奏で、弦楽パートを含めて各楽器1〜2人という小編成です。変拍子に独特なシンコペーション、ジャズ風にスイングする箇所もあって、技術的に決して易しくはないと思いますが、小気味よく楽しそうに演奏していました。ボンゴみたいな小さな太鼓をはじめとして打楽器が大活躍です。随所でハープも効いていました。合唱も良かったです。ソプラノ独唱も美しく、曲によく合っていました。宗教曲というと、しかめ面して聴くイメージがありますが、この曲は踊っちゃいそうで、中山先生の幅の広さにあらためて感心。来週はアクロス福岡でこの曲を演奏するそうです。博多でもきっと評判になるでしょう。
・組曲『おかあさん』より
・組曲『廟堂頌』より
第2ステージ
・廣瀬量平:混声合唱組曲『海鳥の詩』
第3ステージ
・懐かしい日本の歌
第4ステージ
・ラター:『マニフィカート』
北九州記念混成合唱団
中山敦指揮、メモリアルアンサンブルほか
2011年6月26日(日)、アルモニーサンク 北九州ソレイユホール
二週連続で、中山敦先生の指揮する合唱の演奏会を聴きました。聞けば、中山先生は山口から福岡まで13団体を指導しておられるそうで、こんな風に演奏会が連続するのは珍しくもないのかもしれませんが、すごい集中力だなあと感嘆するばかりです。
第1ステージは日本の作曲家を扱ったシリーズもので、今回は清水脩作品。合唱曲に疎いみっちは全然知らない人です。組曲ふたつともがアカペラ作品でした。簡潔で象徴的な曲ですが、伴奏がないため、曲の輪郭を示すのが難しいと思います。発声はかなり明瞭でしたが、それでもみっちの中で音楽として消化するまでにはいかなかった感があります。
2ステ、3ステは、副指揮者の安高信雄さんが指揮台に立ちました。『海鳥の詩』は、ピアノの比重がかなり高い曲で、出だしからソリスティックなパセージ、そして荒ぶる日本海を表すような波音型が奏でられます。しかし、せっかくの響きがこもった感じでした。合唱の方には申し訳ないですが、ピアノの蓋を全開にして協奏曲風にやったらどうかと思いました。3ステは、肩の凝らない選曲で、いまや懐メロと化したかつての流行曲。編成に変化があって、楽しめました。
ジョン・ラターは、作曲家としてよりもフォーレのレクイエムの校訂者としての方が有名かもしれません。みっちはラター作曲のレクイエムを聴いたことがあります。いかにもイギリス風な渋い作品でした。今回は祝典的なマニフィカートということで、どんな曲かと思ったら、びっくり! いきなり軽快な3拍子のリズムで走り出し、ラテンのノリ全開です。南米風『ラ・マンチャの男』のような音楽。こんな異国情緒な宗教曲って、ヴィラ=ロボスなら書いてるかな?
曲はオケ伴奏で、弦楽パートを含めて各楽器1〜2人という小編成です。変拍子に独特なシンコペーション、ジャズ風にスイングする箇所もあって、技術的に決して易しくはないと思いますが、小気味よく楽しそうに演奏していました。ボンゴみたいな小さな太鼓をはじめとして打楽器が大活躍です。随所でハープも効いていました。合唱も良かったです。ソプラノ独唱も美しく、曲によく合っていました。宗教曲というと、しかめ面して聴くイメージがありますが、この曲は踊っちゃいそうで、中山先生の幅の広さにあらためて感心。来週はアクロス福岡でこの曲を演奏するそうです。博多でもきっと評判になるでしょう。