パロット/タヴァナー・プレイヤーズほかによるパーセル『ディドーとエネアス』
2012.09.28 Friday
・パーセル:歌劇『ディドーとエネアス』 Z626
エマ・カークビー(ディドー、S)、ジュディス・ネルソン(ベリンダ、S)、デヴィッド・トーマス(エネアス、Bass-Baritone)、ジャンティナ・ヌーアマン(魔女、MS)ほか
アンドリュー・パロット指揮タヴァナー合唱団、タヴァナー・プレイヤーズ
録音:1981年1月3-5日
(CHANDOS ANNI 0030 「シャンドス創立30周年記念ボックス」-16)
「シャンドス創立30周年記念ボックス」の16枚目。17世紀イギリスの作曲家パーセルのオペラ作品ですが、このころのものとしては、わりと録音や名前を目にする機会が多いような気がします。コンパクトで、CD1枚に収まるからかもしれません。このCDでは全曲56分ほど。
エネアスとは、ギリシア神話とローマ神話にまたがる人物で、『イーリアス』に登場するトロイア側の英雄アイネイアースのことです。アイネイアースは、トロイア王家につながる血筋で、母親は女神アプロディーテーといわれています。トロイア滅亡時にアイネイアースは父親のアンキーセースを背中に担いで脱出し、地中海をさすらった末にイタリアにたどり着き、ローマの祖となったとされるのですが、旅の途中で起こったカルタゴの女王ディドーとの悲恋がこのオペラの主題になっています。
と大まかな背景は知っていたのですが、オペラそのものの内容については全然知識がなく、歌詞も対訳もなく、3幕ものなのになぜかトラックが4つあるしf^^;、ある程度中身がつかめるようになるまで難儀しました。おそらくトラック2-3で第2幕のようです。
第1幕では、明るくきびきびした運びと耳なじみの良いメロディーが印象的で、時代の古さをあまり感じさせません。きっとエネアスがカルタゴに来た経緯とか、これからどうするのかとか歌われているのではないかと想像f^^;。ベリンダと第二の女(?)のデュオがとくにきれい。
第2幕では、オペラにしては妙な発声が耳に付きます。地声というか、わざと下卑た歌い方をしているので、なんだ?と思ってジャケット裏をよく見ると、たぶんこれが魔女です。エンチャントレスとかもいるし。でも、なんで魔女たちが出てきているかはわからずf^^;。どうやら悪巧みをしているらしい。おしまい近くには、魔法と思しき雷のような効果音が轟きます。この時代から性格的歌唱や舞台演出効果があったんだなあ、と感心。ただ、もうちょっと愛嬌みたいなものがほしいかな。
第3幕では、ディドー役のカークビーの美声が堪能できます。この人は、ソプラノでも少年のような清純な歌声が持ち味です。アルテミス(ディアナ)の役とかあったらぴったりでしょうが、ここでのディドーはわりと近い役柄かも。歌詞は英語なので、イタリア語やドイツ語よりは聞き取れるところもあります。とくにはっきりわかるのが、ディドーとエネアスの2重唱の終わりで、エネアスが I stay, ディドーが No, no, away! と繰り返しています。エネアスがとどまろうとしているのをディドーがはねつけているわけですね。かくしてエネアスは去り、残されたディドーは自殺する。なにも死ななくても、と思うのはみっちだけ?
曲や内容をよく知らないので、演奏についてどうこういえるレベルにありません。350年近く前の作品であり、こういうボックスでもないと自分からすすんで聴くことはまずないと思いますが、驚くぐらい新鮮に聴けました。
エマ・カークビー(ディドー、S)、ジュディス・ネルソン(ベリンダ、S)、デヴィッド・トーマス(エネアス、Bass-Baritone)、ジャンティナ・ヌーアマン(魔女、MS)ほか
アンドリュー・パロット指揮タヴァナー合唱団、タヴァナー・プレイヤーズ
録音:1981年1月3-5日
(CHANDOS ANNI 0030 「シャンドス創立30周年記念ボックス」-16)
「シャンドス創立30周年記念ボックス」の16枚目。17世紀イギリスの作曲家パーセルのオペラ作品ですが、このころのものとしては、わりと録音や名前を目にする機会が多いような気がします。コンパクトで、CD1枚に収まるからかもしれません。このCDでは全曲56分ほど。
エネアスとは、ギリシア神話とローマ神話にまたがる人物で、『イーリアス』に登場するトロイア側の英雄アイネイアースのことです。アイネイアースは、トロイア王家につながる血筋で、母親は女神アプロディーテーといわれています。トロイア滅亡時にアイネイアースは父親のアンキーセースを背中に担いで脱出し、地中海をさすらった末にイタリアにたどり着き、ローマの祖となったとされるのですが、旅の途中で起こったカルタゴの女王ディドーとの悲恋がこのオペラの主題になっています。
と大まかな背景は知っていたのですが、オペラそのものの内容については全然知識がなく、歌詞も対訳もなく、3幕ものなのになぜかトラックが4つあるしf^^;、ある程度中身がつかめるようになるまで難儀しました。おそらくトラック2-3で第2幕のようです。
第1幕では、明るくきびきびした運びと耳なじみの良いメロディーが印象的で、時代の古さをあまり感じさせません。きっとエネアスがカルタゴに来た経緯とか、これからどうするのかとか歌われているのではないかと想像f^^;。ベリンダと第二の女(?)のデュオがとくにきれい。
第2幕では、オペラにしては妙な発声が耳に付きます。地声というか、わざと下卑た歌い方をしているので、なんだ?と思ってジャケット裏をよく見ると、たぶんこれが魔女です。エンチャントレスとかもいるし。でも、なんで魔女たちが出てきているかはわからずf^^;。どうやら悪巧みをしているらしい。おしまい近くには、魔法と思しき雷のような効果音が轟きます。この時代から性格的歌唱や舞台演出効果があったんだなあ、と感心。ただ、もうちょっと愛嬌みたいなものがほしいかな。
第3幕では、ディドー役のカークビーの美声が堪能できます。この人は、ソプラノでも少年のような清純な歌声が持ち味です。アルテミス(ディアナ)の役とかあったらぴったりでしょうが、ここでのディドーはわりと近い役柄かも。歌詞は英語なので、イタリア語やドイツ語よりは聞き取れるところもあります。とくにはっきりわかるのが、ディドーとエネアスの2重唱の終わりで、エネアスが I stay, ディドーが No, no, away! と繰り返しています。エネアスがとどまろうとしているのをディドーがはねつけているわけですね。かくしてエネアスは去り、残されたディドーは自殺する。なにも死ななくても、と思うのはみっちだけ?
曲や内容をよく知らないので、演奏についてどうこういえるレベルにありません。350年近く前の作品であり、こういうボックスでもないと自分からすすんで聴くことはまずないと思いますが、驚くぐらい新鮮に聴けました。