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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
福岡市民オーケストラ第70回定期演奏会
・J・シュトラウスII世:喜歌劇『こうもり』序曲
・ヘンデル:『水上の音楽』(ハーティー版)
・ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73

大河内雅彦 指揮、福岡市民オーケストラ
2014年6月29日(日)、アクロス福岡シンフォニーホール


昨年秋の第69回につづいて、福岡市民オケの定期演奏会に行ってきました。前回はヒンデミットの『ウェーバー変奏曲』に加えてシューマンの2番という、かなりマニア受けする選曲だったんですが、今回は一転してよくありそうな?プログラムです。でもモダン楽器でのヘンデルはいまどきかなり珍しいかも。

アクロスのホールは、いつ聴いても残響豊かでブレンドされた響が好ましい。それに、あの黒い椅子は、ベルリン・フィルと同じものらしいです。みっちも一度だけステージに出たことがあるんですが、気持よかった! ただですね、この響は、客席がほぼ満席の場合にちょうどよくなるんで、空席が多いと、残響過多になってしまう恐れがあるんじゃないでしょうか。最初の『こうもり』序曲で、ちょっとそんなことを感じました。演奏のせいではないと思うけど、ソロや各パートの分離がいまひとつのような。この曲はサマコンで一度経験しており、チェロパート難しくてろくに弾けなかった記憶がありますが、福岡市民オケのチェロパートはばっちりでしたねf^^;。

ヘンデルは編成が小さいこともあり、響の問題は少なかったと思います。しかし曲が単純なため、ちょっと眠くなりました。あと、この曲だけ時代がかけ離れていたんで、例えばここでワーグナーの『ジークフリート牧歌』なんかだとどうだったんだろう、とか思いました。自分が聞きたいだけ、というか、それでも結局眠くなるかもしれないけど(爆)。

メインのブラ2は、みっちがうるさい曲ですf^^;。というわりには、実演に接した機会は少ない(爆)。指揮は、オーソドックスなテンポで端的な造形だったと思います。オケは弦楽器主体でよく弾けていました。とくにチェロパートは第1楽章の第2主題、第2楽章の第1主題の二つの見せ所をしっかり聴かせてくれて、大満足。トロンボーンとテューバの四重奏もしっかり存在感を示していました。ただ、ここでもソロを含めて管楽器がやや埋もれ気味な気がしました。フィナーレのコーダでも、盛り上がりのところで管楽器が上から3回降りてくるのがはっきり聞こえなかったのが惜しかった。ブラームスのオーケストレーションがそうなっている、というのはあるんでしょうが、ホールが満席だったら、また違って聞こえたかもしれません。

アンコールはシュトラウスのポルカ『雷鳴と電光』。こんな忙しい曲が後に控えていると、オケの人大変でしょう。次回は、オペラ『トスカ』だそうです。
posted by みっち | 22:15 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
ヒコックス/ロンドン響による、ヴォーン・ウィリアムズ:『ロンドン交響曲』ほか
・バタワース:『青柳の堤』
・ヴォーン・ウィリアムズ:『ロンドン交響曲』(交響曲第2番・1913年原典版)

リチャード・ヒコックス指揮、ロンドン交響楽団
録音:2000年12月18、19日
(CHANDOS ANNI 0030 「シャンドス創立30周年記念ボックス」-25)


「シャンドス創立30周年記念ボックス」の25枚目は、ヒコックス指揮ロンドン交響楽団によるヴォーン・ウィリアムズの『ロンドン交響曲』です。通常『ロンドン交響曲』が演奏されるのは1936年ごろの改訂稿で、この演奏は、いまは失われた1913年の初稿に基づくものとして話題になったことを覚えています。初稿の総譜は残っていませんが、この録音のために当時のパート譜が提供されたとのことで、このような機会が再びあるかどうかはわからないようです。

実は『ロンドン交響曲』って、そんなに聴いてこなかったんですよね。ヴォーン・ウィリアムズの交響曲の中では比較的有名で、知らないわけではなかったんですが、初稿だ改訂稿だとかいわれて、そもそも違いがわかるのかっていう、ねf^^;。ボールトの2度目のヴォーン・ウィリアムズ交響曲全集を持っているので、比較してみようかと考えたり。それでエントリが遅れに遅れました(ーー;)。

で、聞き比べた結果は、結局よくわからない(爆)。初稿の方が20分ぐらい長いということなんですが、そんなに違う感じがしません。おそらくは、中間楽章の「つなぎ」の部分などが改訂版では削られているのかな? 交響曲としてみた場合には削ってもいいところなんでしょうけど、造形的には冗長でも初稿はより自然で味わいのある音楽になっている気がする、というくらいのもんで、両者の録音ほどには違いが感じられませんでした。なにしろ、ボールト盤はもわっとした「EMI調」なのでf^^;。ヒコックス盤はさすがに鮮度が高い。以上で初稿の話はもう忘れよう(爆)。

演奏は、素晴らしい! ヴォーン・ウィリアムズの若々しくモダンなところと民謡調の懐かしげなところが一体になっている曲ですが、この両者が実にうまくかみ合った、わくわくと心躍る快演です。ロンドン響の輝かしいブラス・セクションも楽しい。いやあ久々にヒコックスの切れのよい指揮を堪能しました。ヒコックスにはプーランクの協奏曲集・合唱曲集がありますが、あれを思い出しました。

もう1曲、ヴォーン・ウィリアムズの親友だったバタワースの作品が収録されています。バタワースは第一次世界大戦中31歳になる前に戦死してしまったので、残っている作品はわずかなようですが、『青柳の堤』はイングランドの風土に根ざしたと思われる情緒豊かな佳曲で、心にしみます。もしかしたら、ヴォーン・ウィリアムズの作風は、バタワースの遺志を継ごうとしたところもあって確立されたのかもしれません。
posted by みっち | 22:43 | CD・DVD | comments(0) | trackbacks(0) |
ピアノ五重奏曲第1番 (フォーレ)
ウィキペディアに標記記事を立ち上げました。フォーレの室内楽作品シリーズ第7弾。第二期までの作品はこれで終わり、あとは晩年の大作が残っている……。

前回の「ピアノ四重奏曲第2番 (フォーレ)」と比べると楽章の数が少ないので、記述量は減るだろうと思っていたのですが、着手から足かけ15年という難産だったために「作曲の経緯」がふくらんでしまい、結局シリーズ最大を更新してしまいました。この曲に関してフォーレの手紙が多く残されているのも長大化の要因のひとつで、説明文に適宜はさんでいくよりいいか、と節を作ってまとめてみました。

個人的には、第1楽章で第2主題とされているものは主調であるニ短調のままなので、どちらかというと第1主題の締めくくりあるいは経過句に聞こえるんですが、じゃあ第2主題はそのあとのピアノの半音階的な動機? でもここは主題といえるほどはっきりしたものはない、というのもあって解釈に困るところです。展開部の新しい楽想は、ピアノ四重奏曲第2番で第3主題(ネクトゥーの説では第2主題)としているのと同じ手法だと思うんですが、解説では主題の位置づけがありませんでした。また、第1楽章と第2楽章の終わりではそれぞれ第3楽章の中心主題が断片的に予告されて全体的な統一が図られているように思えるんですが、これも文献に指摘がないので書いていません。

この曲は、ピアノ四重奏曲第2番でフォーレに目覚めたみっちが完全に虜にされた曲で、どちらもフォーレの第二期の作品というのが共通しています。夜想曲第6番や舟歌第5番なども含めて、この時期のフォーレの曲は、初期作品のようには聴きやすくないのですが、この曲の始まり方は全クラシック曲の中でも指折りの印象的なものでしょう。独自性と充実感が半端なく、しかも晩年の作品のようには枯れていないので、ジャンケレヴィッチがいうように「楽想の輝きわたる美しさと想像力の豊かさ、独創性あふれる音楽語法、そして霊感の成熟度が最高の境地で一体化」した素晴らしい世界が味わえます。

この時期のフォーレ作品でぜひ聴いてみたいのに音源が見当たらないのが『プロメテ』です。野外での大編成上演を目的にした大作なので実演機会もないのでしょうが、通常編成による演奏会形式でもいいので、聴けないかなあ。来年はフォーレ生誕170周年だし、誰かやってー。
posted by みっち | 10:42 | Wikipedia | comments(0) | trackbacks(0) |
第7回KAITOフィルハーモニー管弦楽団演奏会
・ビゼー:歌劇『カルメン』第1・第2組曲
・ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 作品93

池田開渡指揮、KAITOフィルハーモニー管弦楽団
2014年6月15日(日)、北九州市立響ホール


日程が合わずにここしばらくご無沙汰していたカイト・フィル、前に聴いたのは第3回だったかな。無料演奏会なのに、使うホールがだんだんよくなってきてるように思えるのは気のせい?

今回は、ヴァイオリンが第1と第2でステージの左右に分かれる以前の配置に戻っていました。ベートーヴェンでは、第1と第2で掛け合いがあったりするので、これが効果的。なぜかビゼーでは、第2ヴァイオリンが第1よりプルトが多かったんですが、演奏からはどういう意図かはわかりませんでした。

ビゼーは、組曲に納められた全12曲をオペラの進行に合わせて構成し直したということで、こういう明快・痛快な音楽もたまに聴くと新鮮。編成の割には、チェロが4プルト8人、コンバスも4人と低音が少なめだったんですが、それほど不足は感じませんでした。ただし、途中で休憩がないこともあり、後半はちょっと中だるみしたかな。ヴァイオリン・ソロが美しいパセージを奏でているというのに、隣の席でオバチャンがいびきをかきだしたもんでf^^;。静かに寝ようね(爆)。

ベト8は、生で聴いたのこれが初めてかも。演奏は両端楽章がヴァイオリンの両翼配置も活きててよかった。とくに第1楽章は、ベトベン後期の作風を思わせる自在な変化にみんな集中してて説得力があり、素晴らしかった。中間の二つの楽章では、管楽器に事故がありましたが、フィナーレではまた集中力を取り戻した感じ。第4楽章のテンポはかなりゆっくりめで、おそらくは弦楽器が楽譜どおり刻める実際的なテンポを選んだのじゃないかと思うんですが、例えていえばクレンペラーだったらこんな感じになるのでは?と思うような堂々とした運びで、音楽がずっしり充実した響きになっていました。最後の和音連打の輝かしいこと。ええ曲やあ〜。あと、開渡くん、この曲だからかどうかはわかりませんが、以前のように楽章間をアタッカでつなげず、十分に間を置いていました。これも充実感につながった感じです。

アンコールは指揮者の弾き振りでベトベン『ロマンス』第1番。暖かい演奏。そのあとさらにフォーレの『シシリエンヌ』が演奏されました。フォーレでしめた理由は、「せっかくハープがあるから」? とにかく演奏がとっても美しかったので、フォーレ好きとしては「ごちそうさま」!
posted by みっち | 22:27 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
林 隆三没
蟹江敬三の訃報に接したばかりのような気がしますが、今度は林隆三とは! また一人好きな役者が亡くなりました。先日『鬼平』スペシャルで観た老剣豪役がまだ記憶に新しいというのに……。

この人を知ったのは、NHKの金曜時代劇『天下御免』でした。もう細かいことは覚えておらず、続編的に放送された『天下堂々』とごっちゃになってる部分もありますが、田沼時代を描いたドラマで、主人公は平賀源内。林隆三は同心役?だったと思います。「男の哀愁」を漂わせたキャラクタは当時からのもので、源内役の山口崇、ヒロイン役の中野良子とともに鮮烈な印象を残しました。そういえば、この二人はどうしているんだろう? 再放送を観たいものですが、この時代の作品はNHKにアーカイブが残っていないらしいですね。

山本直純の主題歌をよく口ずさんだものですが、これ、出演者が歌ってたんでしたっけ?

♪風風、風風、風はおいらが起こすんだ。おれたちみんなが風なんだ。エイエイコーラのエイコーラ、といった歌詞でした。

素晴らしい声で、ナレーションや朗読などの仕事も多かったと思うんですが、タイトルなどを挙げられないのが残念。寂しくなりました。
posted by みっち | 22:31 | お気楽妄想系 | comments(0) | trackbacks(0) |
チェロ四重奏
日曜日、ゴーシュの会の通信作りメンバーで合奏のお楽しみ会。集まったのはみっちも含めて4人で、あと妻がコーラス指導できるので、というか、2曲ともコーラス用の楽譜を提供してもらったいきさつもあって、参加してもらいました。曲目は次の2曲。

・チェロ四重奏用『故郷』(女声四部合唱用の編曲)
・バッハ:『マタイ受難曲』からコラール第44番 ニ長調「汝の行くべき道と」


『故郷』は、女声合唱用の楽譜を1オクターヴ下げたもので、メロディーと伴奏といった単純なものでなく、パートによっては独自に動いたり2度でぶつかったりという新しいアレンジが、チェロでやるとどんな風に鳴るのか、期待と心配とが半ばしていました。

最初にチェロ1〜4の各パートを全員のユニゾンでひとつづつ弾いて流れを確認。次に2と3を二人ずつといった要領で主要な組み合わせを試した上で、全パートを合わせてみました。これが想像以上によかった。譜面自体はどのパートもハイポジなどのない、わりと簡単なもので、みっちはたまたま座った場所がそこだったんで第3を担当したんですが、このパートだけ周りより先行したりシンコペーションの頭を弾いたりするんで、責任重大でしたf^^;。しかし、これはいいわ。チェロならではの落ち着いた柔らかい音色のアンサンブルで、終わりごろには、人に聴かせられるレベルになっていたんじゃないでしょうか。

もう一曲は、チェロ合奏ではなかなか聴けないだろう『マタイ受難曲』のコラール。オクターヴ下げるとバスが音域からはみ出るために原調で挑戦しました。このため、ソプラノとテノールはA弦ハイポジ専用パートとなっています。で、みっちは第3=テノールということで、いちばん高いパートを弾くことに。誰だ、こんな曲選んだの(爆)。『故郷』と比べてバッハはさすがに音程がより重要で、和音がなかなか決まらず苦労しましたが、慣れてくるとだんだんと感じが出てきて、事前にピアノで聴いたときよりも教会調の響きらしくなっていったと思います。今回は4人だったので各パートひとりでしたが、ソプラノパートは複数でもよさそう。

実は、『故郷』ってコラール風な音楽で、この2曲を弾けば「お、バッハと故郷と似てるじゃん」みたいな発見をしてもらえるのではないかと考えていたんですが、実際にやってみるとアレンジの違いもあって、似て非なるとでもいえそうな感じになったのがむしろ面白かった。これ、どこかで披露できる機会ないですかねー。このままで終わるのはもったいないなあ。
posted by みっち | 22:11 | cello | comments(0) | trackbacks(0) |