パーテルノストロ/ヴュルテンベルク・フィルによるブルックナー:交響曲第2番
2015.11.26 Thursday
・ブルックナー:交響曲第2番ハ短調
ロベルト・パーテルノストロ指揮、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団
1997年7月26日、ヴァインガルテン大聖堂での録音
(DOCUMENTS 232766A-K 11CD)
パーテルノストロ/ヴュルテンベルク・フィルによるブルックナーの交響曲全集の2枚目、第2番を聴きました。第1番も第2番も同じハ短調。とはいえ、間にヘ短調の0番があるみたいなので、作曲者本人に連続という意識はなかったのかも。ブルックナーに付きものの版・稿問題ですが、この第2番も種々あるみたいです。ジャケットには特記がありませんが、第1楽章の速度表示がモデラートで第2楽章と第3楽章が緩徐楽章 - スケルツォの順になっていることからすると、ノヴァーク版ということでいいのかな。
第1楽章、雪景色のような高弦の細かい3連符に乗って、チェロが第1主題を提示します。ラ♭・ソ・ソ♭という半音階下行がかっこいい。ブルックナーといえばそそり立つ断崖のような金管コラールとか巨人の岩石ぶつけ合いみたいな意味不明の(失礼)ゼクエンツなどがイメージとして思い浮かぶんですが、この曲はそういうドッカンドッカン(爆)はわりと控えめで、独自の「しっとり感」があります。というのも、各楽章の主題を含めて弦楽主体で進むんですよね。この第2番は、以前からジュリーニやシュタインなどが録音していて、ブルックナーの初期の交響曲としては音源に恵まれている方ですが、その理由はこれではないかな。しかし、第1楽章の提示部に主題が4つもあるのは盛りすぎでしょう。しかも多くは休止で区切られるので、必然性があまり感じられない。おかげでこの楽章だけで20分近くかかってしまうわけで、この曲についての評ではないかもしれませんが、ブラームスが「うわばみ」呼ばわりしたというのも、このあたりのバランス感覚(のなさ)ゆえかと。
第2楽章も長いですが、いつもながら和声進行が美しく、とくにホルンの第2主題は、全体に管楽器があまり前に出てこないこともあって印象的。コーダでは、ヴァイオリン・ソロも聴かれます。スケルツォ楽章も弦楽主体で、リズム音型は例によってダダダンダン、ダンダンダンという「法華の太鼓」。ブルックナーはこれが大好きみたい。みっちも嫌いじゃないけどf^^;。
フィナーレの提示部も第1楽章同様4つの部分からできているようです。第1主題、第2主題はいずれもヴァイオリンで、第3主題?は管楽器で盛り上がりますが第2主題の変奏のような気もする。ここでは、2拍子と3拍子が混在しており、いわゆるブルックナー・リズムのハシリという感じがしますが、同時並行的に鳴るのでゴチャゴチャ。後の曲の2+3のリズム分割の方がかっこいいですね。第4部分は弦の静かなコラール。コーダは短く、ハ長調への転調はかなり唐突に聞こえます。
音楽としてはまだこなれていませんが、上に挙げたような独自性と、後に繋がる部分がいろいろあって面白い曲ということはできます。演奏は、とてもいいと思います。弦はしっかりしているし、第4楽章の金管も雄渾で聴かせます。一方で木管があまり目立たないのは、曲のせいです、きっとf^^;。録音は、この2番がもっとも早い時期のものですが、録音年による差は感じられません。
ロベルト・パーテルノストロ指揮、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団
1997年7月26日、ヴァインガルテン大聖堂での録音
(DOCUMENTS 232766A-K 11CD)
パーテルノストロ/ヴュルテンベルク・フィルによるブルックナーの交響曲全集の2枚目、第2番を聴きました。第1番も第2番も同じハ短調。とはいえ、間にヘ短調の0番があるみたいなので、作曲者本人に連続という意識はなかったのかも。ブルックナーに付きものの版・稿問題ですが、この第2番も種々あるみたいです。ジャケットには特記がありませんが、第1楽章の速度表示がモデラートで第2楽章と第3楽章が緩徐楽章 - スケルツォの順になっていることからすると、ノヴァーク版ということでいいのかな。
第1楽章、雪景色のような高弦の細かい3連符に乗って、チェロが第1主題を提示します。ラ♭・ソ・ソ♭という半音階下行がかっこいい。ブルックナーといえばそそり立つ断崖のような金管コラールとか巨人の岩石ぶつけ合いみたいな意味不明の(失礼)ゼクエンツなどがイメージとして思い浮かぶんですが、この曲はそういうドッカンドッカン(爆)はわりと控えめで、独自の「しっとり感」があります。というのも、各楽章の主題を含めて弦楽主体で進むんですよね。この第2番は、以前からジュリーニやシュタインなどが録音していて、ブルックナーの初期の交響曲としては音源に恵まれている方ですが、その理由はこれではないかな。しかし、第1楽章の提示部に主題が4つもあるのは盛りすぎでしょう。しかも多くは休止で区切られるので、必然性があまり感じられない。おかげでこの楽章だけで20分近くかかってしまうわけで、この曲についての評ではないかもしれませんが、ブラームスが「うわばみ」呼ばわりしたというのも、このあたりのバランス感覚(のなさ)ゆえかと。
第2楽章も長いですが、いつもながら和声進行が美しく、とくにホルンの第2主題は、全体に管楽器があまり前に出てこないこともあって印象的。コーダでは、ヴァイオリン・ソロも聴かれます。スケルツォ楽章も弦楽主体で、リズム音型は例によってダダダンダン、ダンダンダンという「法華の太鼓」。ブルックナーはこれが大好きみたい。みっちも嫌いじゃないけどf^^;。
フィナーレの提示部も第1楽章同様4つの部分からできているようです。第1主題、第2主題はいずれもヴァイオリンで、第3主題?は管楽器で盛り上がりますが第2主題の変奏のような気もする。ここでは、2拍子と3拍子が混在しており、いわゆるブルックナー・リズムのハシリという感じがしますが、同時並行的に鳴るのでゴチャゴチャ。後の曲の2+3のリズム分割の方がかっこいいですね。第4部分は弦の静かなコラール。コーダは短く、ハ長調への転調はかなり唐突に聞こえます。
音楽としてはまだこなれていませんが、上に挙げたような独自性と、後に繋がる部分がいろいろあって面白い曲ということはできます。演奏は、とてもいいと思います。弦はしっかりしているし、第4楽章の金管も雄渾で聴かせます。一方で木管があまり目立たないのは、曲のせいです、きっとf^^;。録音は、この2番がもっとも早い時期のものですが、録音年による差は感じられません。