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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
エルミナージュDS Remix 〜闇の巫女と神々の指輪〜
今週の月曜日は九州最大級の寒波襲来で、みっち家の周りは真っ白。水道は使えましたが、ガス湯沸かしが凍結しました。ノーマルヒルのような坂道を危険を冒して降りるのはやめて、仕事を休みました。学校も休みのため、ホビットとともに引きこもってやっていたのが、このゲームf^^;。

じっくり遊べる3DS用ソフトを探して、しばらく前までに「新・世界樹の迷宮」シリーズをやっていたのですが、Iはストーリーモードで一応クリアしたものの、IIはラスボス手前のあたりで投げ出しましたボス戦までの手順や戦い方がほぼ固定されていて、ターンごとのコマンドをひとつでも間違うと全滅、みたいな縛られ方がちょっと……。パズル的要素はあっていいのですが、試行錯誤して解く喜びと自由度のないやらされ感とは紙一重で、お気楽ユーザーとしてはもう少し緩さがほしい。ほかにないかと、DS用ソフトまで範囲を広げた結果、以下の様な候補を抽出しました。

○エルミナージュ1、2(DS)
○メタルマックス2(DS)、4(3DS)
○ゼノブレイド(New3DS)


この中から選んだのが、エルミナージュ1です。2の方が評価が高いようですが、数字の若い方からということで。画面構成的にウィザードリイっぽいんですが、始めたところ、キャラメイクのやり方や初期ダンジョンにマーフィーズ・ゴーストみたいな固定的がいたり、馬小屋で寝泊まりしたり、中身もまんまウィザードリイじゃないですか! もしかして、ウィザードリイとして製作したものを訳あってタイトルを変えて出したとか? とにかく懐かしいなあ。

スーパーファミコンなどで遊んだウィザードリイI〜IIIと比べると、種族や職業、ダンジョン、クエストなどが拡充されており、いまどきの水準といっていいと思います。グラフィックは1枚絵ばかりでいまどきとはいいかねますが、雰囲気や味わいがあってよし。操作性もタッチペン不要で使いやすい。ウィザードリイとの違いとしては、オートセーブではなくソフトリセットでやり直しできる点で、キャラロストのリスクが小さくなっているところが優しい。

みっちのパーティ編成は次のとおり。
戦士(ドワーフ男)
神女(人間女)
僧侶(ノーム女)→侍
盗賊(ホビット女)
魔術師(フェアリー女)→司教
錬金術師(エルフ女)→君主


だいたいオーソドックスなものだと思います。転職後は、戦士、侍、君主、神女、司教、盗賊の順にしました。転職は、とりあえずひととおり呪文を覚えてから。実際にはひとつでも覚えると転職後でも同レベルの他の呪文を習得するようです。なお、イノセントシリーズという優れたアイテムがあり、訓練所で転職していないキャラのみが装備できるというので、パーティの半数は転職させずに残しました。レギュラー以外に、鍛冶専門の錬金術師をもう一人作りました。寺院で寄付することで経験値が得られるので、探索に出なくてもレベルは上げられます。また、いくつかのクエスト達成のためには召喚師も必要です。

エンディング後に行けるようになる「忘れられた地」で8体のデュークを倒し、深層を探索。村正と手裏剣をひとつずつゲットしました。この時点で、成長の早い戦士と盗賊がLv.100を超えましたが、その他の職はまだ80ぐらい。深層にいる6体のライブラリアンに勝つにはまだ厳しい。適正レベルは200ぐらい? 一方で、まだ忍者を作っていなかったし、狩人や巫といった未体験の職業もあるため、2周めに入って試すことにしました。結論的に、これは相当遊べますねf^^;。

以下、やってみてわかったこと。キャラメイクの参考までに。

1.女性優遇。
女性専用装備がけっこうある。男性専用はなさそう。車両と同じか(爆)。

2.性格別の専用装備がある。
悪の鎧や悪の盾など、前衛用には悪専用のものが多い感じ。中立専用、善専用もあるけどわずか。性格の善悪は友好的な敵との遭遇時に行動選択で入れ替わることがあるが、中立は変わらない。

3.エルフ優遇。
ステータス上は魔法職よりとされるエルフだが、種族専用で最終装備としても通用するエルヴンチェーン+1が比較的早い時期から店買いできるのは大きい。君主や侍など前衛の有力候補になりうる。

4.闘士や戦士はデビリッシュが有利。
敵から盗んだ装備の多くは呪われているが、デビリッシュはそのまま装備できるため、錬金で解呪するコストを他の強化に回せてお得。種族的に成長は遅いが、前衛に一人は欲しくなる。
posted by みっち | 00:01 | お気楽妄想系 | comments(0) | trackbacks(0) |
『ホビット』エクステンデッド・エディション トリロジーBOX
予約していた映画『ホビット』三部作の拡大版ブルーレイセットが届いたのが12月だったかな。年末年始の休日などを利用して、最近やっと見終わりました。本編が各160〜180分、監督と脚本家によるコメンタリーが本編と同時間、特典映像が2枚×4〜5時間で、全部で45時間ぐらい? 本編は字幕で観て、吹き替え版の鑑賞がまだですが……。しかし、時間をかけて見るだけのことはありましたよ。

劇場版との比較では、自宅で観るなら長くなってもエクステンデッド・エディション(EE)をおすすめします。第1部と第2部では伏線などの情報が多くなっていて、物語の流れがわかりやすくなっています。第3部は後半のストーリー展開が劇場版とはちょっと変わっていて、といっても原作からの改変度合いという点ではむしろより忠実といえるかも。EEの方がよりPJらしい演出で断然面白く、劇場版では尺の関係でほぼ丸ごとカットされた五軍の戦いでの13人のドワーフたちの活躍が楽しめます。ビフールとボンブールの貴重な?セリフも聞けて、これは観なきゃ損でしょう。それにしても、アルフリドがあんなことになっていたとは!

コメンタリーは、3作ともピーター・ジャクソンとフィリッパ・ボウエンの二人によるもので、LotRのときのように出演者やその他のスタッフといった選択はできないのがちょっと残念。でも、彼らのコメントは特典映像でたくさん楽しむことができます。

特典映像では、なんといっても13人のドワーフたちの人物像がしっかり描き分けられていて、俳優たちの演技とも相まって、名前と顔が一致してきたのがよかった。おかげで、本編でもより感情移入できます。このほか、ラダガストやゴブリン王、スマウグやビヨルンといった『ホビット』で初めて登場するキャラクタたちの造形がどれだけ研究されてできたかがわかります。タウリエルは、FotRのアルウェンとは違い、原作の世界観を壊しておらず、許容範囲と思います。エルフキャラとしては、リー・ペイスのスランドゥイルがより素晴らしいですけどね。ちなみにゴブリン王のデザインは、他のクリーチャーと比べて愛嬌があってPJ風ではない感じで、もしかしたらデル・トロの造形が残っていたのじゃないかと考えていたのですが、どうやらそうではないらしい。

俳優たちの役の掘り下げやがんばりも素晴らしく、随所にユーモアがあふれています。愉快なドワーフたちの中には怪しい人物も混じっていたことが判明(爆)。とくにトーリン役のリチャード・アーミティッジの原作への深い思い入れは印象的でした。将来、クリストファー・リーのようなご意見番になれるかも。それに、素顔の彼はとてもハンサムですねえ。ビルボ役のマーティン・フリーマンの不謹慎な中指突き出しポーズにも笑わされました。どこでもやってるし、極めつけは一つの指輪をはめてのポーズ(爆)。こいつ、とんでもない(ホメてます)。フリーマンとは『シャーロック』でコンビを組むベネディクト・カンバーバッチ(スマウグとサウロン担当)のモーション・キャプチャーを使っての渾身の演技にも、ここまでやってるとは、と驚かされました。さすがの二人です。ゴブリン王や湖の町の統領ら個性豊かな面々にも感心しました。アルフリドは現場で相当ウケていたらしいf^^;。ビリー・コノリーのインタビューがまたよかった。「原作を読んだかと聞かれたが、読んでないし、読んでる奴が嫌いだといってやった」(爆)。それであのダインか。そうして、撮影が終わりに近づくにつれて増えてくる出演者たちとスタッフとの別れが感動的。関わった全員がこの映画に特別な感情を持つようになるらしく、そのことが本編にも反映されています。

PJが『ホビット』三部作は後編に当たるLotRと合わせての六部作として今後楽しまれるようになるだろうと語っていますが、結果的に、奇しくもスター・ウォーズと同じ公開順になっていますねえ。EP4を撮り直しできたら、という点でも共通か(え?)。機会をみて、六部作連続鑑賞をやってみるかな。でも、わが家のLotRはブルーレイではなくてDVDなんだよなあ。
posted by みっち | 00:24 | たまに観る映画 | comments(0) | trackbacks(0) |
『真田丸』と『花燃ゆ』
2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』第1回〜第2回放送を観ました。大河ドラマでは、主人公は子役からというのが一種のお約束のようになっていましたが、主演の堺雅人が15歳の役ではじめから登場。三谷幸喜は『新選組!』でも子役で始めなかったと思います。そういうわけで、幸村じゃなくて信繁、幼い感じを出そうとしてコミカドっぽくなってしまったところがありましたねf^^;。兄・真田信幸役は大泉洋。真摯な役柄で従来のイメージを覆すつもりか。父・昌幸にはかつて『真田太平記』で幸村を演じた草刈正雄。この人が出てくると、がぜん画面が引き締まって、もっと見たいと思わせます。初回はギャグ担当でもあり、何を考えているのかつかみどころのない感じをよく出していました。

第2回までで、武田氏が木曽義昌の裏切りから一気に崩壊し滅亡する過程が描かれ、勝頼役の平岳大が悲運の武将を好演していました。裏切り者を演じたのは榎木孝明(穴山梅雪)と温水洋一(小山田信茂)。温水の憎まれ役はわりと珍しいかも。わが家では「裏切り者」、「真犯人」といえば升毅と新井浩文で(爆)、どうしてこの二人じゃないんだ?とホビットと話し合いましたが、まだ関ヶ原の合戦があるよね、ということで期待。

とまあ、こちらは今後を見守ることにして、いまさらながら去年の『草燃ゆ』についても振り返ってみたい。といっても、みっちがまじめに観たのは初回だけだったりする(爆)。少なくとも伊勢谷友介の吉田寅次郎(松陰)は悪くなかったと思います。悪かったのは、脚本です。下関生まれのみっちは、長州を舞台にしたこの作品を応援したい気持ちがありました。しかし何回目だったか、若き久坂玄瑞が「凶」を恐れておみくじが引けないヘタレになっていたあたりで、これはもうダメだろう、と。その後、長州藩版「大奥」みたいな話になっていたみたいで、完全に興味を失いました。

この題材では過去に『花神』があり、大村益次郎が主人公でした。このときもけっこうマイナーな主人公でしたが、今回はさらにマイナーな主人公で、なぜ正面切って歴史を描こうとしないのか疑問。大河を朝ドラのようなホームドラマにしては大河の意味がないでしょうに。せっかく吉田松陰、久坂玄瑞、高杉晋作、桂小五郎を出すなら、彼らをそれぞれ主人公として、リレーのような連作構成にしたらどうだったでしょう。全50回として、ひとり10〜12回ほどでこの4人を中心に幕末から明治初期を描き、同じ事件やシーンでもそれぞれの視点や立場から見ることで意味が変わるような重層的なドラマにする。これなら観たかったなあ。
posted by みっち | 23:32 | お気楽妄想系 | comments(2) | trackbacks(0) |
2016北九州伯林的管弦楽団演奏会
・スメタナ:連作交響詩『わが祖国』全曲
 1.『高い城』
 2.『モルダウ』
 3.『シャールカ』
 4.『ボヘミアの森と草原から』
 5.『ターボル』
 6.『ブラニーク』

指揮とお話:中田延亮、北九州伯林的管弦楽団

2016年1月10日(日)、黒崎ひびしんホール


今年の伯林的演奏会は、スメタナの『わが祖国』全曲でした。これには妻も触手食指が動いたみたいで、二人で黒崎に出かけました。昨年の北九響の定期演奏会でひびしんホールの音響はある程度把握していたので、2階席へ。

『わが祖国』全曲を生で聴くのは初めて。というか、録音でもちゃんと通して聴いたことはなかったはず。みっちの手持ちCDは、プラハで購入した4手ピアノ版しかありません。間に休憩を2回挟んで2曲ずつ演奏されました。加えて、演奏前には指揮者の中田氏から曲目解説のアナウンスが付くという至れり尽くせりのサービス。これで無料なんだから、すごいよね。演奏も良かったです。部分的には金管の和音が出すぎだと感じたところもありましたが、最後まで熱演でした。4曲めや6曲目を聴くと、「プラハの春」でのクーベリックを思い浮かべますね。妻は最初の『高い城』と5曲め『ターボル』が魅力的だったようです。

スメタナはドヴォルザークより一時代前のボヘミアの作曲家ですが、音楽はむしろドヴォルザークより新しく感じるのはみっちだけ? 伝統的な交響曲のスタイルで書いていないということもありますが、リズムや旋律も定型的でなく、ヤナーチェクまですぐのところにいるように感じます。

3時に始まった演奏会は2時間経っても終わらず、しかもアンコールでワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲をやったものだから、終演は5時半となりました。このマイスタージンガーは「伯林的」の十八番のようで、『わが祖国』全曲できっと疲れているはずですが、重心の低い、まさにベルリン・フィルのような響きで楽しめました。ティンパニの打ち込みには参った。正月から充実した演奏が聞けてうれしい。
posted by みっち | 23:21 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
マツダCX-3のクルーズコントロール
CX-3の購入後、半年で走行距離が4,000kmを超えたところ。発表から1年経たないうちに早くもマイナーチェンジがあり、BOSE前提のオプションだったナチュラル・サウンドスムーザーが標準装備とか、窓ガラスが厚くなるとか、静粛性や乗り心地などに関係する改善が行われました。ちょっと悔しいというか、みっち車もアフターサービスでお願いできませんかねえ。

正月に家族で鳥栖プレミアムアウトレットに出かけた折、XDツーリングLパッケージに標準装備のクルーズコントロールを使ってみました。最近、新型プリウスのCMでレーダー・クルーズコントロールがすごい、みたいな宣伝やってますが、もう同じものが付いてたよね、というわけで。実は以前にも高速道路で試そうとしたことがあったのですが、この手のギミックには不慣れな上、説明書とかろくに読んでおらず、それらしいスイッチを押してもうまくいかず、そのままでした。2度目の挑戦でも、相変わらず説明書読んでいないみっち(爆)。ダメなら普通に運転するだけだもんねf^^;。一応、ポチッとしただけでは動作しないことは経験済みだったため、ハンドル右側の下側にあるON・OFFスイッチをオンにし、さらにその上あたりにあるSETボタンを押してみたら、動作した(拍手)。なんとかなるもんだf^^;、ていうか、これが本当の使い方なのか?

マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール略してMRCCは、ミリ波レーダーで先行車両との車間距離を把握し、自動で加減速を行うというもの。セットすると、その時点での速度と車間距離を覚えて、先行車両との間合いを取りながら走ってくれるようになります。ブレーキを踏むと解除されますが、再設定しなくてもSETボタンの上のRES?ボタンでセット状態に戻せることが判明。途中で車線変更したり先行車両がいなくなってもスムーズに対応するし、スピードに応じて車間距離も適宜修正するなど、賢くて使えるー。もともとドライビングポジションがよく、アクセルはオルガン式ペダルなので疲れにくいですが、MRCCを使えばさらに右足の負担が軽減されます。ありがたや。おかげで、またひとつ人馬一体に近づいた? それにしても、CX-3のステアリングにはまだ用途不明なヒレのようなスイッチ類(+とか−とか書いてある)が左右に付いているのですが、これなに(爆)。
posted by みっち | 14:36 | 乗り物 | comments(0) | trackbacks(0) |
ダウス/ヨーロッパ合唱アカデミーほかによる『ゲーテのファウストからの情景』
・シューマン:『ゲーテのファウストからの情景』 WoO 3

独唱:マヌエラ・ウール(ソプラノ)、トーマス・デヴァルト(テノール)、リチャード・ソルター(バリトン)、フリードマン・クンダー(バス・バリトン)他
合唱:ヨーロッパ合唱アカデミー
ヨスハルト・ダウス指揮、ミュンヘン交響楽団

1999年10月17日ブレーメン、ディ・グロッケ及び20日ミュンヘン、ヘルクレスザールでのライヴ録音
(ARTE NOVA 74321 79423 2 2CD)


新年明けましておめでとうございます。2016年の聴き初めは、これでした。12月にウィキペディアの同名記事を書いており、手持ちのCDをもう一度聴いておきたいということで。

クラシックCDを買わなくなってかなり経ちます。このCDは、シューマンの大規模な合唱曲を聴いてみようと思い立って集めたもののひとつで、アルテ・ノヴァには同じダウス指揮による『楽園とペリ』もあって、昨年は『ペリ』の方をよく聴いていました。いまとなってはどちらも廃盤? 両曲ともメジャーレーベルから新しい録音が出ているようなので、曲を聴きたい方はそちらが入手しやすいでしょう。

ダウスは合唱指揮者のようで、『ファウスト』でも『楽園とペリ』でも合唱がやはりいいです。独唱は好き嫌いがあるので判断が難しいところ、個人的にはグレートヒェン役のウールがアルトに近い声なのがちょっと不満。第1景ではとくに清純さがほしいところで重い印象があります。でも後半は違和感がなくなります。この曲ではさらに、独唱者の割り振りの難しさが感じられます。女声では第1〜3景のグレートヒェンがソプラノで、第5景で重要な「憂い」がまたソプラノ。アルトは第5景と第3部で出番がわずかしかありません。男声陣はどうかというと、ファウストがバス、メフィストフェレスがバリトン。このCDではファウストがバリトン、メフィストフェレスがバス・バリトンとなっていて、本の解説と違うんですが、いずれにせよ二人とも低音です。テノールは第4景のアリエルで、あとは第3部。一般的なオペラなら、主人公のファウストがテノール、メフィストフェレスがバスといった風に対比させるのじゃないかと思いますが、これについては当然シューマンも考え抜いた結果だと思うので、配役からしてすでに劇的な対比を捨てている感じ。しかもファウスト役はこんな高いところまで?と思うくらい声域が広く、大変そう。このCDのソルターはよくがんばっています。

オーケストラは規模小さめなのかな? 音楽のスケールを考えると、とくに弦のプルトはもっといてもいいかも。というのも、序曲ではシューマンの晩年に特有の異様に難しそうな音型がヴァイオリンに頻出し、主題の細かい動きが管楽器にマスクされ気味になっています。管楽器はしばしば厳しいアクセントで音楽を引き締めていて効果的。その響きは前田昭雄も言うように、外的迫力よりも内的な劇性を指向しており、まさにシューマネスクな世界。第3部のチェロ独奏も、ここが書かれたのはまだシューマンがライプツィヒにいたころじゃないかと思いますが、すでに晩年の様式に入り込んでいます。というよりも、この曲との10年間の格闘が、シューマン晩年の様式を確立させたというべきなのかもしれません。

第3部ラスト「神秘の合唱」では、シューマンが心身を極度に消耗させながら達成した対位法を聴くことができます。マーラーの第8交響曲の終結と同じテキストが使われていながら、一方は静寂から始まり「宇宙の鳴動」へ(爆)、一方は重厚に始まりながら最後は軽く、消え入るように終わる、この落差は大きく、正直「これで本当に終わったの?」と思ってしまうくらい。

まだまだ聞き込みが足りず、ほんのかいつまんだ印象しか書けていません。シューマンの傑作とされる『楽園とペリ』が物語としても楽想的にも親しみやすく受け容れやすいのに比べると、同じ管弦楽付き合唱曲でも『ファウスト』はいろいろと難しいところがあります。個人的には、全曲を通して上演することはあまりおすすめできないかと。時間的には全部で100分余りですが、描く世界の複雑さとスケールからすると、ワーグナーの『指環』じゃありませんが、全3部はそれぞれ分けて聴いた方がいいのじゃないかと思います。
posted by みっち | 21:10 | CD・DVD | comments(0) | trackbacks(0) |