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お気楽妄想系のページf^^; 荒らし投稿がつづくのでコメントは承認制としました。
ミヒャエル・ハイドン「聖レオポルドのためのミサ曲」

日曜日、妻が所属する女声コーラスの演奏会があり、ミヒャエル・ハイドンの「聖レオポルドのためのミサ曲」にチェロで参加しました。北九響からはヴァイオリン、チェロ、ホルンが各2人、これにオルガンを加えたアンサンブル。楽譜の編成指定ではホルンは任意となっており、録音ではホルン抜きのものもありますが、あった方が楽しいと思います。

 

全体はト長調で、クレドのみト短調。穏やかで短いキリエ、楽しげで活気のあるグローリア、劇的なクレドはいちばん長く、全曲の中心になっています。サンクトゥスはゆっくりした部分とプレストの2部構成、ベネディクトゥスは装飾的な動きが目立つ前半と、サンクトゥスの後半が戻る2部構成になっています。最後のアニュス・デイが充実しているのも特徴で、中盤ではテンポを速めてチェロの8分音符による上昇から下降で大きな山形を描きます。後半、パーチェム(平和)を強調しているのは、当時作曲者がいたザルツブルクをめぐる状況の反映ともいわれます。声楽は合唱だけでなく、ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの独唱や二重唱がところどころで入って単調になりません。

 

ヴァイオリンは絶えず細かい音型で動き、3本の弦を同じ指でブリッジするような箇所が連続したりで、とても弾きにくいらしい。「モーツァルトなら指使いがある程度予想がつくのに、弟ハイドンではそういかない。おそらく鍵盤楽器の人でヴァイオリンの経験がないのでは?」と指摘していました。チェロはそこまで難しくありませんが、休みがないのは同じで、ときおり動きががらっと変わる(歌詞内容とリンクしているらしい)、そういうところで流れを確実にものにできるように練習してきました。あと、指揮者の中山先生が振るたびにテンポが違うので、油断できないf^^;。「自発性が勝負」といわれていて、おそらくは指揮と演奏が互いに触発し合うようなセッションを理想としておられるのでしょう。どこまで応えられたか……。

 

せっかくのアンサンブルなのでもう1曲ということで、「アルビノーニのアダージョ」をオルガンと一緒に7人で演奏しました。特殊な編成なのでなにをやろうかと困っていたんですが、吹奏楽用の編曲を流用して使いました。一時はヘンデルの「水上の音楽」という話もあって、一度やってみたところ、忙しいわ難しいわでビビりまくり(爆)。ボツでよかった。

 

合唱といえばピアノ伴奏が一般的で、こんなアンサンブルでやること自体めったにないでしょう。とくにホルンの響きは新鮮だったのでは? ホルンの後ろで歌っていた人は、その音圧に驚かされたようです。オケでもトロンボーンの前はいろいろあるらしいから(爆)。お客さんからもコーラスのメンバーからも大変喜んでもらえたように思います。ぜひまた呼んでください。さあて、これまでサボっていたファリャ「三角帽子」とベトベン「エロイカ」の練習に本腰を入れなければ。

posted by みっち | 19:47 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
スクロヴァチェフスキ没

指揮者の「ミスターS」ことスタニスワフ・スクロヴァチェフスキが亡くなりました。93歳ですから大往生といっていいと思いますが、最近まで聴かせてくれていた演奏は、年齢を感じさせないものでした。

 

この人の演奏に接したのは、ハレ管を指揮したブラームスの交響曲全集(といってもバラ売り)だったと思います。このブラームスは、欲を言えば録音にいまひとつクリアさが欠けていることが不満ですが、みっちの中ではケンペ、ボールトと並ぶ優れた演奏です。交響曲だけでなく、カップリングの「悲劇的序曲」や「大学祝典序曲」などの小曲も非常に素晴らしく、とくに「悲劇的序曲」はマイベスト。

 

ザールブリュッケン放送響とのブルックナーも、新録音でありながら廉価盤だったこともあって、評判になりました。いまではパーテルノストロの激安ボックスがあるので、廉価盤としてのおすすめ度は下がりましたが、ユニークなブルックナーとしての魅力は薄れていないでしょう。例えば第5番フィナーレの終わりのところで通常は聞き取れない木管の和音を浮かび上がらせたり、ぎっちぎちのアンサンブルで鋭く切り込む第9番(ミスターSはこの曲をミネソタ管とも録音していますが、それ以上)など、この人ならではの透徹した解釈が聞き物でした。

 

ハレ管より前のミネソタ管時代の録音を10枚組のボックスセットで持っていますが、音質もよく、壮年期からこの人はすごかったことがよくわかります。当時、国内のメジャーレーベルだけ採り上げて「名盤」とか「巨匠」とか持ち上げていた「レコ芸」批評がいかに当てにならないかを思い知らされた存在でもありました。有名オケを振る機会になかなか恵まれなかったことが惜しまれます。

 

ポーランド出身の指揮者ということでは、パウル・クレツキとの共通点・相違点が興味深いと思います。アンサンブルの精度を厳しく追求する点では二人とも同じで、これはハンガリーなど東欧の指揮者にある程度共通するものなのかもしれません。録音を聴く限り、クレツキの室内楽的ともいえる透明感に対して、ミスターSは「ギスギス」ともいわれるエッジの効いた尖った表現が特徴。また、クレツキがマーラーを得意としており、ステレオ最初期に第1番、第4番、「大地の歌」を録音していたのに対して、ミスターSはマーラーよりもブルックナーに力を入れています。この人がマーラーの大編成を振ったらどうなるのか、すごく興味があっただけに、録音を残してくれなかった(ハレ管との第4番があるらしいが未聴)ことが残念でなりません。シューマンよりもマーラーやってくれ……。などと思わせてくれる人でした。合掌。

posted by みっち | 20:00 | お気楽妄想系 | comments(0) | trackbacks(0) |
第26回西南学院OBオーケストラ定期演奏会

・ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
・プーランク:バレエ組曲「牝鹿」
・サンサーンス:交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」

 

中田延亮指揮、西南学院OBオーケストラ

平成29年2月19日(日)、アクロス福岡・福岡シンフォニーホール

 

このところ、西南オケの演奏会にしょっちゅう行っている気がするんですが、定期演奏会は年1回で、昨年はこれとは別に創立100周年記念でマーラーの「復活」があったから。

 

全曲フランス物のプログラム、ベルリオーズの序曲で華やかに始まりました。弦は、ヴァイオリンのプルトが多く、1stの前列が6。2ndはよく見えませんでしたがそれ以上あったように思います。だからといってモヤモヤすることはなく、厚みのある響きで楽しめました。しかしこの曲、いまでも構造がよくわかってないf^^;。

 

プーランクを生で聴くのは初めてで、楽しみにしていました。きれいなアンサンブルで、とくにトランペットがキレがあってよかったです。ラグ・マズルカとアンダンティーノが少し遅めのテンポで、眠くなりました。ホールの残響が長いのでこのテンポだったかもしれませんが、アンダンティーノはまだしも、ラグ・マズルカはもうちょっとキビキビ進めた方がよかったかも。

 

ホール備え付けのオルガンがないところで「オルガン付き」をどう演奏するのか、答えは、ステージ後方左右に置かれたスピーカーでした。オルガン奏者は金管隊たちと並んで演奏するので、離れたところで弾くよりやりやすかったでしょう。パイプオルガンとは響きが違いますが、音量バランスはよかったと思います。第1楽章前半は弦の刻みが難しそうで、出だし危うい感じがしましたが持ち直しました。管楽器とよくシンクロさせていて聴き応えがありました。第2楽章からは、ティンパニの連打と決めがかっこよかった。チェロは目立つところが少ないですが、もうちょっと主張してくれたらと思いました。配置がステージに向かって右側で、客席に対して横向きになってしまうというマイナスを差し引いても、なんかもうひとつ燃えるものがほしい印象。

 

アンコールは、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」とベルリオーズ「ラコッツィ行進曲」。ラヴェルはホルン独奏がよれよれで残念。ベルリオーズだけでよかったのではf^^;。

posted by みっち | 19:47 | 近況 | comments(0) | trackbacks(0) |
ジュリーニ/フィルハーモニア管によるファリャ:『恋は魔術師』、『三角帽子』

・ファリャ:バレエ音楽『恋は魔術師』(全13曲)
・ファリャ:バレエ音楽『三角帽子』(第1・第2組曲より)

 

ビクトリア・ロス・アンヘレス(ソプラノ独唱)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、フィルハーモニア管弦楽団

 

録音:1961/1964年(恋は魔術師)、1957年(三角帽子)
(WARNAR CLASSICS WPCS-50169)

 

北九響の次回定期演奏会の演目『三角帽子』を聴くために購入。ファリャの音盤は全然持っていませんでした。手持ちのスペインものは、アルベニスとグラナドスのピアノ曲がちょっとだけ。

 

ジュリーニとフィルハーモニア管では、ブラームスのLPを持っています。晩年のジュリーニは、きわめて遅いテンポに気品あふれる優雅な演奏を聴かせますが、1960年ごろの彼はそこまで遅くはなく、くっきりした輪郭と気迫に満ちた表現がむしろ推進力を感じさせ、吉田秀和が「ブリオを持った指揮者」と書いていたのをなにかで読んだ記憶があります。後年、シカゴ響を指揮したマーラーをはじめとした一連の「9番」シリーズでは、「シンフォニック」とはまさにこのことかと思わせる壮大かつ緻密な演奏により、一躍日本で巨匠としてもてはやされるようになったのは周知のことでしょう。

 

さて、壮年時代のジュリーニによるファリャですが、やっぱりすごいね、この人。音がぎっしり詰まって鮮烈。『恋は魔術師』は歌入りで、ロス・アンヘレスの歌唱がまた濃い。『三角帽子』は、第1組曲の「ぶどう」あたりがカットされて短くなっていますが、第2組曲は全部あります。終曲のホタでは、かっこいいシーンの連続で、バシッとくる決めがたまりません。フィルハーモニア管は、当時のオーケストラとしてはニュートラルというか、それほど特徴的な音色を持っているとは思えなかったのですが、あらためて聴くと、木管楽器の音色などいまとなってはなかなか聴けない魅力的なものです。それもジュリーニの指揮あってなのかも。

 

録音は『恋は魔術師』の方が年代が新しいのですが、金管の響きなどに経年変化を感じさせるのはむしろこちらで、『三角帽子』は全然問題なし。もしかすると、オケか録音スタッフのコンディションに変化があったのかもしれません。日本語解説付きの廉価盤。

posted by みっち | 14:52 | CD・DVD | comments(2) | trackbacks(0) |
大貫妙子 One Fine Day

1. 船出
2. The Blank Paper
3. One Fine Day With You
4. Hiver
5. Hello, Goodbye
6. Time To Go
7. Deja vu
8. 春の手紙 (2005 version)
9. Voyage
10. A Kiss From The Sun

 

大貫妙子
(UNIVERSAL UPCY-7106)

 

2005年に発売されたアルバムのリマスター版ということで、SHM-CDでの購入。大貫妙子のアルバムを買ったのは、たしか映画『東京日和』のサントラ以来だから、1997年からなんと20年ぶり。そんなに経っていたとは!

 

このごろ聴いてなかったのは、チェロを弾くようになり、クラシックを含めてCD自体を買わなくなったのが理由です。昨年、たまっていた積ん読CDをついに解消したので、ぼちぼちですが解禁しているところ。でも、買っても聴く時間があまりない。

 

みっちの大して豊かとはいえないポップス歴の中で、大貫妙子は最大といってよい存在です。その前の時代がハイ・ファイ・セットでした。1985年、化粧品のテレビコマーシャルで「ベジタブル」を歌っていたころに『CLASSICS』というベストアルバムをレンタルし、「黒のクレール」や「夏に恋する女たち」などを聴いてトリコにされました。この人の旋律はすごい! ふわふわして力んだところが少しもないけど、とても女性らしい歌声から、選び抜かれた言葉が胸にしみ通ってきます。アコースティック楽器や弦楽四重奏とのコラボなど、独自のサウンドを追求する姿勢にも共感します。

 

1曲目の「船出」からして美しい。この1曲だけで、聴き手のブランクを埋めて有り余るものがありますf^^;。録音はセッションなんじゃないかな。キーボード、ベース、ドラム、ギターというバックがまたいい音していますねえ。12年前のアルバムですが、時間の経過はまったく関係ない、いい音楽にいい演奏。ボサノヴァやワルツなど、ヨーロッパ的でソフィスティケートされたメロディーは相変わらず魅力的です。CDの歌詞以外に、本人が1曲ずつに寄せたコメントが読めるのが珍しい。1993年の「春の手紙」をまた歌いたくなったということで、より簡素なアレンジで歌っていて、これがまた素晴らしくて泣けてきます。詩は1曲目のみが糸井重里であとは彼女、曲もひとつだけ千住明の作品があります。テイストが似ているので違和感は小さいですが、これだけ別録りのように聞こえます。サックスがなければちょっと退屈かもf^^;。

 

録音は文句ありません。SHM-CDはこれと宇多田ヒカルの『ファントーム』で2枚になりましたが、解像度が高くクリアな印象。ただ、自宅のサブシステムで再生すると、ベース音がボンつく傾向を感じました。スピーカーがフルレンジだからかな。

posted by みっち | 15:16 | CD・DVD | comments(0) | trackbacks(0) |
このごろのチェロ練習(2017/2)

5月の北九響定期演奏会に向けてさらっているのが、シャブリエの狂詩曲『スペイン』、ファリャの『三角帽子』(第1、第2組曲)、ベトベンのエロイカ。

 

どれもいい曲で、自分で弾くとますますかっこよくて好きになれます。とはいえ、シャブリエとファリャは苦戦中。3拍子や6拍子にときおり2拍子が入り、シンコペーションやリズム分割など、頭では理解しようとしているけど身体が付いていかない。ノリで弾けるようになるまで慣れるしかなさそう。『三角帽子』はCDを持っていないので、どれか買おうかと思っているんですが、組曲版でいいのあるかな。

 

エロイカも歯ごたえあり(すぎf^^;)。第1楽章の長丁場、コーダがまた長くて難しい。葬送行進曲はゆっくりですが、そういうところでとくに音楽性が要求されます。スケルツォやフィナーレは相当速いテンポが予想されるし、楽なところはないなあ。ちなみに、新しいベーレンライター版を使っています。ブライトコップ版は演奏したことがないので比較できませんが、第1楽章コーダのトランペットの扱いなど、どうなるのか楽しみ。

 

もう1曲、2月末に奥方が所属するコーラスがミヒャエル・ハイドンの『聖レオポルトのためのミサ曲』を歌う、その伴奏アンサンブルをやってほしいと北九響に依頼があり、みっちも参加することになりました。こちらはヴァイオリン、チェロ、ホルン各2という小編成で、オルガンも加わります。ミヒャエルは有名なヨーゼフの弟で、コンパクトでなかなかいいミサ曲です。ヴァイオリンがけっこう嫌らしいと奏者が嘆いています。チェロはそれほどでもないのですが、ところどころに厄介な箇所があり、なかなか上手く弾けない。こちらの方が本番が早いので、がんばって仕上げないと。

 

1月の中ごろから左肩に痛みが出て、気になっています。腕を後ろに回すと痛くて背中を触れない。整骨院で診てもらったところ、筋肉痛だといわれたんですが、なかなか治りません。チェロの練習には支障がないのですが、痛い範囲が少しずつ広がってきているような気がして、この先大丈夫なのか不安です。

posted by みっち | 22:33 | cello | comments(2) | trackbacks(0) |